Column コラム

脱炭素に向けての企業の取り組み事例をご紹介します

ブログ 更新日: 2022.07.11

日本でも年々加速している脱炭素。その実現に向けた企業の取り組み事例をいくつかご紹介します。
脱炭素社会また脱炭素経営の実現に向けては、CO₂削減はもちろんのこと、省エネや再生可能エネルギーの活用によるエネルギー使用の効率化、CO₂排出量の測定など、その取り組みは多岐にわたります。本記事で取り上げている脱炭素に先進的に取り組んでいる企業の事例が、脱炭素経営の参考になれば幸いです。

以下から、企業が取り組む脱炭素経営の手法をまとめたハンドブックをダウンロードいただけます。ぜひ記事と併せてご参考ください。

企業の脱炭素経営の手法がこの1冊の資料でわかる!

 

 

脱炭素とは?

脱炭素に取り組む企業の事例をご紹介する前に、まず「脱炭素」について触れておきます。脱炭素とは、化石燃料に頼った現代の炭素社会から脱却することを指します。CO₂などの温室効果ガスを全く排出しないのではなく、排出量を森林や海洋、土壌、テクノロジーなどによって吸収することで、温室効果ガスの排出と吸収が均衡する状態を実現します。これを「カーボンニュートラル」と言い、脱炭素の同義語として認識されています。

自然環境やテクノロジーによる温室効果ガスの吸収量には限度があり、これ以上の気候変動を抑制するために世界が目指している目標値を達成するためには、CO₂など温室効果ガスのそもそもの排出量の削減が必要不可欠です。省エネや再生可能エネルギーへの切り替えなどにより温室効果ガスの排出量を抑制・削減し、排出された量を吸収しカーボンニュートラルを達成する一連の取り組みを大きな括りで「脱炭素」とも呼び、派生語として「脱炭素化」や「脱炭素社会」「脱炭素経営」などがあります。

脱炭素の背景【日本】

政府主導による動き

日本における脱炭素・カーボンニュートラルの推進は、2020年10月に当時の菅元首相が所信表明演説で言及した「2050年カーボンニュートラル宣言」が契機です。所信表明演説において菅元首相は「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」と述べ、行政府が先頭に立ち、日本の脱炭素化、脱炭素社会の実現を目指すことを表明しました。

その後、地球温暖化対策推進法(通称:温対法)が改正され、2050年カーボンニュートラル宣言が法律に明記されたり、第6次エネルギー基本計画が策定され、2030年度の再生可能エネルギーの比率を40%程度まで引き上げる目標が決定したり、省エネ法の改正で新たに再生可能エネルギーが対象になったりと、脱炭素関連法の改正による脱炭素推進が加速しています。

政府よりも早く動いていた企業

企業レベルでは、大企業は世界の潮流を読み、菅元首相の2050年カーボンニュートラル宣言以前から脱炭素に取り組んでいます。日本よりも先行する欧州では2015年のパリ協定SDGsRE100SBTなど世界的な枠組みの中で脱炭素化を推進してきました。ESG投資も以前から活発に行われ、グローバルな日本企業は透明性や環境への配慮を重視する世界市場において脱炭素の取り組みを進めてきました。

2050年カーボンニュートラル宣言以前から脱炭素に取り組んでいる企業はほとんどが大企業ですが、宣言以降は中小企業の取り組みも着実に増加しており、脱炭素推進の裾野は年々広がっています。中小企業や自治体が消費するエネルギーの100%を再生可能エネルギーで賄おうとする「再エネ100宣言 RE Action」は日本で立ち上がった民間のイニシアチブで、加盟する団体は272に上ります(2022年6月13日時点)。

脱炭素の背景【世界】

欧米では、日本よりも先行して脱炭素化を進めています。大きな契機となったのは2015年のパリ協定の合意です。パリ協定では、産業革命以前と比較して世界の平均気温の上昇を2℃ないし1.5℃に抑える「2℃目標」「1.5℃目標」が定められたり、今世紀後半に温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとること、つまりカーボンニュートラルを実現することが定められたりしています。日本の2050年カーボンニュートラル宣言より5年も前に、脱炭素への取り組みが定められていたことになります。
同じく2015年にはSDGsも合意に至っています。SDGsは脱炭素の実現だけを目標にしているわけではありませんが、気候変動への対策・クリーンなエネルギー・陸の豊かさなど、脱炭素に共通する目標も多いです。

企業における取り組みも活発で、企業で最終消費するエネルギーをすべて再生可能エネルギーにするRE100、パリ協定の2℃目標を達成するために企業が科学的に裏付けされた温室効果ガス排出削減目標を設定し、その実現を目指すSBT、投資家や金融機関に向けて気候変動リスクへの対応に関する財務情報を開示するタスクフォースであるTCFDといった国際的な枠組みの中で、欧米を中心に数多くの企業が脱炭素社会の実現に取り組んでいます。

 

脱炭素における企業の取り組み事例

脱炭素の基本概念と取り組みの背景に続いて、実際に脱炭素に取り組んでいる企業の事例をご紹介します。脱炭素に取り組む企業は前述したRE100・RE Action・SBT・TCFDなど何かしらのイニシアチブに加盟・賛同しているケースがほとんどで、加盟・賛同しているイニシアチブの目標に沿った取り組みを展開しています。

株式会社リコー

  • 業種:製造業
  • 事業内容:電子計算機や同附属装置の製造等
  • 資本金:1,353憶円(2022年3月31日現在)
  • 従業員数:78,360名(2022年3月31日現在)
  • 加盟・賛同枠組み:RE100・SBT・TCFD・JCI・JCLP
  • 使用電力再エネ化目標
    • 2030年:50%(2021年3月に30%から引き上げ)
    • 2050年:100%
  • 温室効果ガス排出削減目標:2050年排出ゼロ
  • 再エネ率実績:17.6%(2020年)
  • 脱炭素取り組み例
    • 海上輸送コンテナへの積載を、異なる仕向け地の製品や未完成品、部品などを1つのコンテナに混載することで積載率を10%向上。年間約3,000万円以上のコストダウンおよびCO₂換算で約700トン以上を削減。
    • アメリカにある生産関連会社本部の社屋に太陽光発電システムを導入。当該社屋の消費電力10%にあたる年間約350,000kWhを再生可能エネルギーで賄う。CO₂換算で年間98.1トン、電力コストでは年間56,000ドル以上の削減を見込む。
    • 国の補助金であるESCO事業を活用し、クリーンルーム・オフィス建屋の空調省エネ化工事を実施。補助金を活用したことで工事費全体の3分の1を補助金で賄え、省エネ効果を改善できた。

複合機やレーザープリンターなどを製造・販売する株式会社リコーは、日本で初めてRE100に加盟した企業で、日本の脱炭素推進の先駆け的存在です。自社やグループの脱炭素化に留まらず、サプライチェーンに対してもESGの徹底を求めており、サプライヤーに対してはクリーンな電力への切り替え支援も行っています。

(参考)RICOH Group ESG Data Book 2021
(参考)環境経営の推進 脱炭素社会の実現 - 会社ウェブサイト

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

  • 業種:卸売業・小売業
  • 事業内容:百貨店や総合スーパー、コンビニエンスストア等での小売り
  • 資本金:500億円(2022年4月時点)
  • 従業員数:170,757名(2022年4月時点)
  • 加盟・賛同枠組み:RE100・SBT・TCFD・JCI・JCLP
  • グループの店舗運営におけるCO₂排出削減目標
    • 2030年:30%
    • 2050年:実質ゼロ
  • 脱炭素取り組み例
    • NTTとオフサイトPPAによる再生可能エネルギーの調達に関する20年間の長期固定契約を締結。太陽光発電所の規模は約800kWで、年間発電量は886MWh。発電された電力はセブン-イレブン40店舗などに供給され、NTTグループが別途所有するグリーン発電所からの電力供給と合わせ、再生可能エネルギー100%の店舗運営を実現します。オフサイトPPAによる電力調達は国内初です。
    • 配送車両にクリーンディーゼル車、CNG車、ハイブリッド車、EV、FCVを導入し、CO₂排出削減を目指しています。配送車両6,244台のうち、これら環境に配慮した車両は3,926台が導入されています(2021年2月末現在)。
    • セブン-イレブン・ジャパンの配送センターにおいて、デマンドコントローラーを163センターあるうちの65センターで導入。各設備の使用電力量を監視し、自動で制御をかけることにより、センター内の余計な電力使用を削減しています。

コンビニ最大手のセブン-イレブンを運営する株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、PPAや店舗屋根への太陽光発電設備の導入で、使用電力の再エネ化を図っています。このほか、低炭素車の導入やデマンドコントロールによってCO₂排出量を削減しています。サプライチェーンに対してのCO₂排出量の目標も算定しており、サプライチェーン全体を通してのCO₂排出削減に取り組んでいます。

(参考)サプライチェーンマネジメント(環境)- 会社ウェブサイト
(参考)国内初の「オフサイトPPA」太陽光発電所完成披露会を実施!

株式会社二川工業製作所

  • 業種:製造業
  • 事業内容:建設機械・鉱山用機械器具等の製造
  • 資本金:1,000万円
  • 加盟・賛同枠組み:RE Action・GPN
  • 再エネ率100%目標
    • 2030年:10%
    • 2040年:50%
    • 2050年:100%
  • 再エネ率実績:100%
  • 脱炭素取り組み例
    • 自社保有の再エネ発電所を41カ所所有し、2020年12月に全拠点における使用電力量約600万kWhをすべて再エネ電力に切り替える再エネ100%を達成しました。
    • ため池ソーラーを積極的に開発し45MWにおよぶ太陽光発電所を保有。2MWの風力発電所と200kW、500kWのバイオマス発電所の開発を進めています。
    • ため池ソーラーで発電した電力をトラッキング付き非化石証書として購入することで、再エネ100%を達成しました。

建設機械製造の株式会社二川工業製作所は、2020年に「再エネ100宣言 RE Action」に加盟し、同年中に再エネ100%を達成しました。自社の次は部材の調達から製造・販売までを担うサプライチェーン全体の再エネ100%を目指し、サプライヤー向けに保有する太陽光発電所で得られる再エネ電力の販売も展開しています。製造業は産業部門の中でもとりわけ多くのCO₂を排出しており脱炭素化が求められておりますが、中小企業の動きはまだ鈍いと言わざるを得ない状況です。二川工業製作所が中小の製造業として先陣を切り再エネ100%を達成、現在は自社だけに留まらずサプライチェーンにまで脱炭素化支援を広げています。

(参考)会社ウェブサイト
(参考)再エネ100へ【事例紹介】- 再エネ100宣言 Re Actionウェブサイト

 

脱炭素経営に関するご相談をまずは30分で気軽に

 

株式会社大川印刷

  • 業種:製造業
  • 事業内容:出版物等の印刷事業
  • 資本金:2,000万円
  • 従業員数:40名(2022年3月現在)
  • 加盟・賛同枠組み:RE Action・GPN・JCI・JCLP
  • 再エネ率100%目標
    • 2019年:100%
  • 再エネ率実績:100%
  • 脱炭素取り組み例
    • 日本で初となるPPAモデルで初期費用0円太陽光発電設備を取得。90kWのパネル出力で2019年4月より運転を開始、発電された電力を自社の社屋で自家消費しています。
    • 本社工場の使用電力量の20%を太陽光発電、残りの80%を新電力から再エネ電力を購入することで、2019年に再エネ率100%を達成しました。
    • 横浜市とも連携し、地域・自治体の脱炭素推進にも力を入れています。

明治14年(1881年)創業の株式会社大川印刷は、2019年にPPAにより設置した太陽光発電設備の電力の自家消費および再エネ電力の購入で、再エネ率100%を達成しました。大川印刷は脱炭素への取り組みのほかにも、SDGsなど環境への取り組みに非常に積極的で、これまで「ジャパンSDGsアワード|SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」、横浜市のSDGs認証制度「Y-SDGs|最上位Supreme」、環境大臣表彰などの受賞・認定実績があります。印刷事業により排出されるCO₂を算定し、そのすべてを再エネ電力で相殺するカーボン・オフセットによる「ゼロカーボンプリント」は、自社で排出・調達するCO₂を削減できるとして多くの企業から引き合いがあるサービスです。

(参考)会社ウェブサイト
(参考)再エネ100へ【事例紹介】- 再エネ100宣言 Re Actionウェブサイト

Apple

iPhoneなどの電子通信デバイスを製造・販売するAppleは、すでに企業運営においてカーボンニュートラルを達成していますが、2030年までに事業全体、サプライチェーン、製品ライフサイクルのすべてを通じてカーボンニュートラルを達成するという野心的な目標も掲げています。
Appleの脱炭素への取り組みは再エネ発電所の保有、再エネ由来電力の購入、非化石証書の購入、廃棄デバイス内の主要素材の効率的なリサイクル、100%再生材料で構成された製品の製造・販売、サプライヤー企業への省エネプロジェクトの推進、炭素を含まないアルミニウム精錬プロセスの開発支援など多岐にわたります。
Appleのサプライヤーで、2030年までに再エネ率100%に取り組む目標を掲げる企業は175社に上り、世界全体で9GWh以上のクリーンな電力を生み出し、年間1,800万トンのCO₂排出が削減されます。(2021年10月時点)

(参考)Apple、2030年までにサプライチェーンの 100%カーボンニュートラル達成を約束
(参考)Apple、2030年までの脱炭素達成へ前進クリーン電力を9ギガワット増やし、サプライヤーの取り組みを2倍に

NIKE

スポーツ用品メーカーまた衣料品の製造・販売を手掛けるNIKEは、2030年までに再エネ率100%を達成し、同じく2030年までに自社所有および運営拠点における温室効果ガスの排出を65%、サプライチェーン全体で30%削減することを目標にしています。
NIKEのCO₂排出の70%は素材に由来しており、製品の生産、製造および仕上げといった工程における脱炭素化が重要です。そのために、環境持続性の高い素材の研究開発に注力し、低炭素排出の代替素材の採用を進めています。このほか、サプライチェーンに対しても、太陽光発電や代替燃料などへの投資を展開し、脱炭素への取り組みを加速させています。

NIKEの今後5年間におけるフォーカス(2021年4月時点)

  • 低炭素素材:環境に配慮された素材の使用率を50%にまで高め、温室効果ガスの排出を50万トン削減する。
  • サプライチェーンにおける脱炭素化:再生可能エネルギー、省エネ、代替燃料の活用などによって、ビジネスを成長させながら主要なサプライヤーの稼働による温室効果ガス排出を2020年レベルもしくはそれ以下に抑える。
  • 再エネ率100%:再生可能な電力の比率を100%にまで高め、配送車両の電気化を通して、自社所有および運営施設での温室効果ガス排出の絶対量を70%削減する。

(参考)二酸化炭素排出量削減および、これからのステップについて

 

脱炭素における企業の関係性、脱炭素時代で変わる企業について、以下ブログ記事でも紹介しています。どうぞ併せてご参考ください。
 

 

企業が取り組める脱炭素経営の手法

日本における脱炭素は世界の取り組みを企業が輸入あるいは参加する形で始まり、それに遅ればせながら2050年カーボンニュートラル宣言によって、政府が推進する形で現在まで至っています。脱炭素社会の実現のためには、企業・政府・自治体・個人が一体となって統率の取れた取り組みを展開する必要があります。
日本においても脱炭素化が加速する中、企業が取り組める脱炭素手法の事例をご紹介します。

太陽光発電の導入

前述の脱炭素で先行する企業の取り組み事例でも触れたように、脱炭素化を進める企業のほとんどが再生可能エネルギーの導入、とりわけ太陽光発電設備を導入しています。企業活動で消費するエネルギーを太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーに切り替えれば、その分だけCO₂の排出を削減でき脱炭素が実現できます。太陽光発電は風力発電やバイオマス発電に比べ、発電量は劣りますが導入が比較的容易という利点があり、事務所や工場の屋根に設置し、発電した再エネ電力を自家消費することで確実にCO₂の排出を削減できます。

また、太陽光発電の設置には、設置費用を助成する補助金や税制優遇制度が政府から複数用意されており、それらを活用することでコストを抑えられます。
 


 
導入方法も自己所有だけでなく、PPAによる初期費用0円での導入も可能で、近年の太陽光発電は豊富な助成制度と導入方法で取り組みやすい脱炭素手法として広く認識されています。
 


 

再エネ電力の購入

電力会社の中には通常の料金プランのほかに、再エネに特化したプランを用意している会社があります。通常のプランで供給される電力は火力由来や原子力由来、再エネ由来のものが混在しています。再エネプランは電力会社が所有する再エネ発電所から得られる再エネ電力、また他から購入してきた再エネ電力などで構成されており、再エネプランに切り替えることで、そのプランの再エネ率に応じた再エネ電力の供給を受けられます。プランの切り替えだけですので、それ自体には費用が発生しないことも利点です。

注意点は、供給される再エネ電力が本当に再エネ発電所で発電された電力かどうか、という点です。火力由来であろうが原子力由来であろうが再エネ由来であろうが、電線に入ってしまえば電力は全くの同質のものであるため、本当に再エネ発電所で発電されたかどうかという点の証明がない場合は、再エネプランの電力は再エネ由来という表現はできません。再エネ由来であると証明するためには、次項でご紹介するトラッキングという技術を使ったサービスが必要です。

トラッキング付き非化石証書の購入

まず非化石証書は、再生可能エネルギーで発電された再エネ電力を、単純な電力と再エネ(非化石)価値の2つに切り離して考え、このうち非化石価値を証書として購入することを言います。非化石証書を購入すれば、たとえ火力電力を使用していても、証書の発電量分だけ再エネ率を高められます。しかしながら、これには「お金で脱炭素を買っている」「すでに世界に存在している再エネ価値を買っているだけで、実質的に脱炭素は進んでいない」といった一定の批判も存在し、RE100などのイニシアチブも単純な非化石証書による再エネ化は認めていません。

そこでトラッキングが重要になってきます。トラッキングとは、その電力が再エネ発電所で発電されたものであることを証明する技術で、再エネ発電所で発電し系統に流れた瞬間から、消費場所に至るまでの経路を追跡し続けます。トラッキングを付与することではじめて、再エネ電力と証書は再エネ化・脱炭素化に貢献しているとみなされます。

省エネの推進

使用電力の再エネへの切り替えは、現在の使用電力量を維持したままの脱炭素化を前提としますが、使用電力量を削減する省エネ活動と併せて取り組むことで、脱炭素の効果をより高められます。省エネの方法には、高効率な空調設備への切り替え、LED照明への切り替え、EMS(エネルギーマネジメントシステム)を活用した事務所や工場などでのエネルギーの効率的な利用、製造・生産工程などの見直しなどが考えられます。

設備やシステムの導入には費用がかかりますが、太陽光発電と同様に補助金が出ていたり、導入前と導入後の使用電力量の差分から経済効果を見込めたりするので、積極的に取り組んでいきましょう。
 


 

低炭素車の導入

2020年度の日本国内におけるCO₂排出のうち、自動車や船舶の利用(運輸部門)が約18%を占めています。この数字には企業だけでない個人利用も含みますが、自動車のEV化が世界的に進む中、企業も対応を迫られています。企業によって事業内容や都合はそれぞれですので、すべての社用車をEVにすることは現実的ではないとして、候補としては、走行時にCO₂を一切排出しないEV、FCVのほか、CO₂の排出が少ないハイブリッド車、クリーンディーゼル車、天然ガス車などが挙げられます。

EV、FCVについては、充電スタンドの数、航続距離、充電時間など改善すべき課題は山積みで、本格的な普及はこれからとなりますが、いずれ主流となることは政府の方針からもメーカーの動向からも明白なので、早い段階から検討を進めることをおすすめします。

 

2050年カーボンニュートラル宣言以降、日本も本格的に脱炭素時代に突入しました。脱炭素への取り組みで後れを取る企業はやがて淘汰されていき、脱炭素に真剣な企業のみが成長する社会がすぐにやってきます。新しい時流に確実に乗り、今後もさらに発展していくために脱炭素への取り組みをぜひ強化していってください。

以下では、今回ご紹介した脱炭素の背景や企業が取り組める脱炭素手法をまとめたハンドブックをダウンロードいただけます。脱炭素の取り組みのご検討にいかがでしょうか。

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また、脱炭素に関するお悩みや相談事がございましたら、30分程度のお時間でお気軽にお話しいただけるミーティングを実施しております。ご入用でしたら、以下からご都合のよろしい日程をご選択ください。

 

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