オフサイトPPAとは?コーポレートPPAの仕組みやメリット・デメリットを解説

太陽光発電 更新日: 2026.02.17

オフサイトPPAとは?コーポレートPPAの仕組みやメリット・デメリットを解説

近年、企業が太陽光発電の新たな導入方法として活用しているオフサイトPPAをご存知でしょうか。

オフサイトPPAは、コストを抑えつつ太陽光発電の電力を自社に導入できる手法として、注目され始めています。現在の主流であるオンサイトPPAや自己所有型の太陽光発電、また自己託送との違いに触れながらオフサイトPPAの仕組みについて解説していきます。

 

オフサイトPPAとは?仕組みを解説

オフサイトPPAとは、電力の需要場所から離れた土地(オフサイト:Off-site)に太陽光発電所を所有する発電事業者が、発電された電力を需要家に供給する契約形態です。供給される電力は電力会社の料金よりも安く設定されることが多く、需要家は電力の自家消費により電気代削減効果と再エネによるCO₂削減効果が見込めます

現在の主流であるオンサイトPPAや自己所有型の太陽光発電システムは屋根上設置が基本ですが、オフサイトPPAは土地に設置する形態が主です。そのため、太陽光発電システムを設置するだけの十分な屋根スペースがない企業や、自社の敷地内だけでは消費エネルギー量を賄い切れない大規模需要家での導入事例が増加しています。

オフサイトPPAスキーム図【エネマネX】スマートブルー株式会社オフサイトPPAのスキーム図

オフサイトコーポレートPPAとは

オフサイトコーポレートPPAは、PPAモデルの一種です。「オフサイト」には「現地から離れた場所」「遠隔地」という意味があり、「コーポレート」を取って「オフサイトPPA」と呼称されることが多いです。

PPAモデルとは、太陽光発電を0円で導入できる仕組みで、詳細は以下の記事で解説しています。本記事と併せて読むことで、オフサイトコーポレートPPAへの理解をより深められます。


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PPAは「Power Purchase Agreement」の略で、日本語の直訳は「電力購入契約」です。また、発電事業者側から見た場合は「電力販売契約」と訳されます。PPAの元々の意味合いは、電力会社と発電事業者間での電力の卸売り契約ですが、最近では一般企業間での電力契約も増えてきました。これら2種類のPPA契約を区別するために一般企業間でのPPAを「コーポレートPPA」と呼称しています。

(参考)オフサイトコーポレートPPAの概要|環境省

 

オフサイトPPAが注目される背景

コーポレートPPAは、太陽光発電の導入形態で「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」に大別されます。現在の主流は比較的導入と仕組み作りが容易なオンサイトPPAですが、オフサイトPPAも増加傾向にあり、今後の主流はオフサイトPPAになっていくだろうと予想されています。オフサイトPPAが注目され始めている背景は以下のような理由があります。

  • 環境価値付きの電力を大規模に調達できる
  • 追加性がある

なぜオフサイトPPAが注目されるのか、1つずつ説明していきます。

環境価値付きの電力を大規模に調達できる

現在、オフサイトPPAを活用している企業には大企業が多く、そのほとんどがRE100に加盟しています。RE100とは、企業が自社の事業活動で最終的に消費するエネルギーの100%を再生可能エネルギー由来の電力で賄うという国際環境イニシアチブです。
日本ではパナソニックやイオン、楽天などが、世界的にはGoogle、Apple、Facebookなどの大企業が加盟しています。こうした大企業は、自社で消費するエネルギーを再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるために、大規模なオフサイトPPAを活用しています。

(参考)工場のCO₂削減-環境への取り組み-サステナビリティ|パナソニックホールディングス
(参考)イオンと丸紅新電力 リユースパネルを一部活用した200MWの太陽光発電由来の再エネオフサイトPPA導入に関する包括契約を締結|イオン

オフサイトPPAで供給される電力は、発電所から一般の電力系統を通って需要場所に供給されるまでの過程を最初から最後までトラッキングすることで、需要家が消費する電力を再生可能エネルギー由来の電力だと証明できるようになっており、この環境価値付きの電力という証明がRE100の達成には不可欠です。
ただ、オンサイトPPAでも環境価値の証明は可能となっています。屋根上に太陽光発電を設置して直接自社の工場や倉庫で自家消費するため、トラッキングという面倒な手間がなくオフサイトPPAよりも証明は容易です。

しかしオフサイトPPAの利点は、需要場所敷地内という制限なく、大規模な再生可能エネルギー発電所からの電力供給を受けられるという点です。
RE100に加盟しているような大企業は消費するエネルギー量も莫大で、屋根上のオンサイトPPAだけでは限界があります。オフサイトPPAであれば、発電所やその土地が自社所有であるかの如何を問わずオンサイトPPAよりも大規模な電力を調達できることから、世界各地に拠点や事業所を有し大きなエネルギーを消費する大企業を中心に事例が増加しています。

追加性がある

追加性とは、新設の再生可能エネルギー設備の導入によって、さらに新たな再エネ設備への投資を促すことを指します。
企業が消費エネルギーを再エネ由来に切り替える方策は、例えば以下の3つが挙げられます。

  • 再エネ発電所の建設やコーポレートPPAなど
  • 電力会社の再エネ電力プランへの切り替え
  • 環境価値や非化石証書を証明する証書の購入

このうち条件なしで追加性がある方策は再エネ発電所の建設やコーポレートPPAの2つです。
理由としては、再エネ発電所を新規に建設することで、それまで世界に存在しなかった再生可能エネルギーや非化石価値を新たに生み出せるためです。

一方で、電力プランの切り替えや証書の購入は、トラッキングの条件付きで追加性が認められます。トラッキングとは、その電力がどの発電所で得られた電力なのかを証明する仕組みで、トラッキングによって新設再エネ発電所で得られた電力だと証明できれば、追加性のある施策として活用できます。

RE100ではこの追加性を重要視しており、加盟する企業は追加性のあるコーポレートPPAを優先して活用しています。


追加性のある再エネの定義とは?RE100準拠の調達法【動画解説】

追加性のある再エネの定義とは?RE100準拠の調達法【動画解説】

「追加性」は英語では「additionality」と表現される概念。新たな再生可能エネルギー設備への投資を促す効果を表しています。
“それまで世界に存在していなかった、新たな再エネを生み出す”とも言い換えられます。自社の脱炭素経営やCO₂削減に取り組めることはもちろん、社会全体に再生可能エネルギーの導入を促す効果が期待されています。


 

オフサイトPPAを活用する需要家のメリット7選

オフサイトPPAで太陽光発電の電力を自社で消費する際、需要家が得られるメリットは以下の7つです。

  • 土地がなくても再エネの電力を使用できる
  • 太陽光発電導入の初期費用が0円
  • 契約によってはメンテナンス費用がかからない
  • 発電設備を維持管理する手間がかからない
  • 電力価格の変動リスクを軽減できる
  • CO₂排出削減で環境問題に貢献できる
  • 複数の事業所に送電できる

なぜメリットと言えるのか、順に説明していきます。

土地がなくても再エネの電力を導入できる

オンサイトPPAや自己託送では、太陽光発電システムを設置するための屋根スペースや広い土地が必要です。設備を設置できるスペースを確保できなければ、太陽光発電は導入できません。

オフサイトPPAは第三者である発電事業者が所有する太陽光発電所から、電力会社の送配電網を経由して電力の供給を受ける仕組みです。消費電力量を賄えるだけの発電設備を設置できる土地を所有していなくても、再エネの電力を導入できる点がオフサイトPPAのメリットといえます。

太陽光発電導入の初期費用が0円

自己所有で太陽光発電システムを自社に導入する際、高額な初期費用がかかる点がデメリットといわれています。オフサイトPPAは、発電事業者の太陽光発電所の電気を購入する契約のため、需要家は初期費用の自己負担は発生しません

電気代の節約などで太陽光発電を取り入れたくても、費用負担を懸念して導入できずにいる企業にとって、オフサイトPPAの活用は大きなメリットです。

契約によってはメンテナンスの負担がかからない

オフサイトPPAにおいて、メンテナンスは発電事業者の負担とする契約が一般的です。電力の需要家は初期費用だけでなく、メンテナンス費用の負担もない点がメリットとなります。

可能な限り費用を抑えて太陽光発電の電力を自社に導入したい場合に、オフサイトPPAスキームが向いています。ただし、発電事業者がメンテナンス費用を負担しないケースもあるため、契約合意前に内容の確認を怠らないようにしましょう。

発電設備を維持管理する手間がかからない

メンテナンス費用を発電事業者が負担する契約の場合、発電設備の維持管理も需要家での対応は不要となります。太陽光発電システムのメンテナンスに関して、費用を含めて発電事業者の責任で実施する取り決めとなるためです。

維持管理のためのメンテナンス業者を選定したり、定期点検を依頼したりするなどの工数が、需要家には発生しません。ただし、メンテナンスを発電事業者が実施しない契約の場合は、需要家の責任で維持管理が必要です。

電力価格の変動リスクを軽減できる

発電事業者と需要家の間で締結されるオフサイトPPAの契約では、供給される再エネ電力の料金は、通常電力会社から購入するよりも安く設定され、契約期間は15年~25年と中長期です。これにより、以下のようなメリットがあります。

  • (需要家)環境価値付きの電力を安く調達できる
  • (需要家)電気代を削減できる
  • (双 方)電力価格の変動リスクを軽減できる

オフサイトPPAでの電力購入・供給契約は、中長期にわたって固定価格で交わされるため、電力調達また環境価値調達のキャッシュフローを長期間に固定することになります。電力のコストが固定化されることで、市場価格の変動が激しい電力卸売市場からの電力調達リスクを軽減し、安定して再エネ電力を調達できるでしょう。

CO₂排出削減で環境問題に貢献できる

オフサイトPPAを活用した太陽光発電の電力導入により、需要家はCO2の排出量を削減できます。脱炭素化の推進によるカーボンニュートラル実現のために、企業の環境への対策は今後も注目されていく見込みです。

オフサイトPPAで再生可能エネルギー由来の電力を消費できるようにすれば、発電設備を自社で所有せずともRE100などで求められている再エネ比率の目標達成に貢献できます。

複数の事業所に送電できる

需要家の複数の事業所に太陽光発電の電力を送電できる点が、オフサイトPPAを活用するメリットです。また、複数の発電事業者から、再生可能エネルギー由来の電力供給を受けることも可能です。

自社の電力消費状況と太陽光発電の発電量に応じて複数契約を選択できるため、オフサイトPPAでは大規模な発電所の電力を、無駄なく有効に消費できます。

 

オフサイトPPAを活用する需要家のデメリット4選

企業がオフサイトPPAを活用して太陽光発電の電力を導入するには、以下4つのようなデメリットがあります。

  • 再エネ賦課金・託送料金・インバランス費用がかかる
  • 与信調査の結果によっては契約できない
  • 契約期間が長い
  • 非常用の電源は別で確保が必要

どのような点がデメリットなのか、順に見ていきましょう。

再エネ賦課金・託送料金・インバランス費用がかかる

PPA契約価格の電力料金のほかに、以下3つの費用が発生する点がオフサイトPPAのデメリットです。

再エネ賦課金 再生可能エネルギーの普及のためにFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)で再エネ電力を買い取る金額を国民全体で負担する費用
託送料金 電力会社の送配電網を利用するための費用
インバランス費用 契約で取り決めた電力量を確保できなかった場合、電力会社への支払いが発生する費用

消費した電力の料金のみを発電事業者に支払うオンサイトPPAと比較すると、上記の上乗せされる費用の分、オフサイトPPAは電気料金が高めとなります。しかし、オフサイトPPAで長期にわたって電気料金を固定していれば、電気料金が変動しても影響を受けにくくできる点は、大きなメリットです。

与信調査の結果によっては契約できない

万が一、電力の購入者である需要家が債務を履行できない状況になった場合、発電事業者に弁済義務が発生しかねません。このため、オンサイトPPAの契約を締結する際、需要家は発電事業者による与信調査を受けることになります。

発電事業者は長期間の契約中に自身の不利益にならないよう、需要家の経営状況などを審査するため、場合によってはオフサイトPPAの契約に至らないこともあります。与信調査の基準や判断は発電事業者によって異なるので、複数の事業者と交渉することでオフサイトPPA活用の可能性を高められるでしょう。

契約期間が長い

一般的にオフサイトPPAの契約期間は、15〜25年程度といわれています。オフサイトPPAの契約によって電力価格が固定されるため、電力の市場価格が高騰している時期は、電気代削減のメリットがあります。

反対に、電力の市場価格が下落した場合でも、契約期間中は電力価格が固定される点はデメリットです。市場価格が落ち着いても安い電力を購入できないと、損失となりかねません。ただし、太陽光発電の電力を消費することで環境価値を得られるメリットもあるため、電気代削減以外の価値を持たせることで、契約期間に関するデメリットを解消できるでしょう。

非常用の電源は別で確保が必要

オフサイトPPAでは電力会社の送配電網を経由して、発電事業者の太陽光発電から電力の供給を受けるため、停電などの非常時には電気を使用できません。このため、停電に備えるためには、別で非常用電源の用意が必要です。

太陽光発電の電力を非常時に活用できるオンサイトPPAと比較すると、非常用電源を確保するためのコストが発生する点が、オフサイトPPAのデメリットといえます。

 

オフサイトPPAとオンサイトPPAの違い

オフサイトPPAとオンサイトPPAの仕組みの違いを解説します。

オンサイトPPAとは

オンサイトPPAのスキーム図【エネマネX】スマートブルー株式会社

オンサイトは「現地で・現場で」という意味合いがあり、「現地から離れた場所」「遠隔地」という意味合いのあるオフサイトとは、真逆の概念同士となります。

基本的なPPAの契約形態はオンサイトもオフサイトも同じで、発電事業者が所有する発電所で発電された電力を需要家が使用する、というものです。
大きな違いは発電所の設置場所で、オンサイトPPAでは発電所の設置場所は需要家が所有する事務所や工場、倉庫の屋根や敷地内の空き地であるのに対して、オフサイトPPAでは遠隔地の土地であるケースがほとんどです。オフサイトPPAにおける土地は、必ずしも需要家の持ち物である必要はなく、多くの場合発電事業者が所有する土地です。発電所だけでなく設置される場所も発電事業者の所有物という点が、オフサイトPPAの利便性を向上させています。

また、発電した電力は需要家が消費しますが、その過程にも違いがあります。

オンサイトPPAでは需要家が所有する建屋の屋根で発電されるため、基本的に直接その建屋で自家消費します。オフサイトPPAでは需要場所が遠隔地であるため、発電された電力は電力会社が運営する電力系統を通って需要場所に供給され消費する仕組みです。

この違いから、オンサイトPPAでは電力のトラッキングなしで発電された電力でも環境価値付きと証明できます。オフサイトPPAにおいては、一度電力系統を通じてほかの火力発電や原子力発電由来などの電力と混ざってしまうため、オフサイトPPAによって得られる環境価値をRE100などで使用する場合は、発電された電力のトラッキングが不可欠です。


オンサイトPPAとは?オフサイトPPAとの比較やメリット・デメリットは?

オンサイトPPAとは?オフサイトPPAとの比較やメリット・デメリットは?

オンサイトPPAは初期費用0円で太陽光発電を設置でき、近年では太陽光発電導入のトレンドになりつつあります。オンサイトPPAの仕組みやメリット・デメリットを解説します。


オフサイトPPAとのスキームの違い

オンサイトPPAとオフサイトPPAのスキームの違いは、以下の表のとおりです。

オンサイトPPA オフサイトPPA
設置場所 需要家の屋根や敷地内の空き地 所有先を問わない遠隔の土地
供給方法 直接 電力系統を通る間接供給
環境価値 トラッキング不要 トラッキング必須
発電規模 小~中 中~大
導入の難易度 比較的容易 ハードル高

日本国内ではオンサイトが、海外ではオフサイトが主流

ここまで触れてきたように、日本ではオンサイトPPAが主流です。理由としては、オフサイトに比べ仕組み作りが容易であることと、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)を活用することで20年という長期にわたって安定した売電収入が得られることで、土地に設置する太陽光発電の多くがFITを活用していることが挙げられます。
逆に世界ではオフサイトが主流で、特にアメリカではFITがないことから、太陽光発電の普及はオフサイトPPAによって為されてきた背景があります。そして、昨今のカーボンニュートラル、脱炭素の世界的な潮流を受け、企業においてもオフサイトPPAを活用した太陽光発電の導入が加速している状況です。

日本においては、そもそもコーポレートPPAがここ数年で注目され始めた導入方法であり、これから本格的に普及していくと予想されています。オフサイトPPAは設置場所の要件が幅広く、発電規模も大きいことから、現在は大企業を中心に導入事例が増えており、次第に中堅、中小企業まで広がっていく見込みです。今後は、FITの売電期間が終了する発電所も市場に出てくることから、そうした発電所の電力の新たな供給方法としてオフサイトPPAは有力な選択肢になり得ます。

オフサイトPPAはオンサイトPPAに比べ物理的な制約が少ないことから、その利便性を活かした仕組み作りさえできれば、再エネ導入の主流となっていくといえるでしょう。

(参考)コーポレートPPA 日本の最新動向 2025年版|自然エネルギー財団

 

オフサイトPPAと自己託送の違い

オフサイトPPAと似た太陽光発電の導入手法である、自己託送との違いを紹介します。

自己託送とは

自社が所有する太陽光発電所から、系統を通して電力を需要場所に供給する仕組みが自己託送です。オフサイトPPAと自己託送は、遠隔地の発電所で発電された電力を電力系統を使って需要場所に供給する、という点で似た導入方法と言えます。

仕組みの違い

自己託送とオフサイトPPAの大きな違いは、契約形態です。
オフサイトPPAでは発電事業者とPPA契約を締結しますが、自己託送では発電事業者も自社であるため発電事業者とのPPAは締結しません

ただ、電力系統を介することから需要と供給が30分ごとに一致していないとならないという「同時同量の原則(インバランス)」をオフサイトPPA同様に負う必要があり、同時同量が達成されない場合にはペナルティが発生するインバランスリスクが生じます。このリスクを回避するために、オフサイトPPAと同様にアグリゲーションサービスを提供する小売電気事業者などと契約する必要があります。

そのほかの違いには、太陽光発電導入時の初期投資の有無と電気料金が挙げられます。

初期投資コストと電気料金の違い

自己託送では太陽光発電所は自社の所有物であるため、導入時には設備の取得費がかかります。オフサイトPPAでは、発電所の所有者は発電事業者であり、発電所の導入費は発電事業者が負担することから、需要家に初期投資費用はかかりません

また、電気料金については、オフサイトPPAが発電事業者と結んだ固定価格であるのに対し、自己託送では発電所の所有者は自社であるため、発電所から供給される電力分は電気料金が発生しません。この電力分を電力会社から購入する電気料金と照らし合わせ、削減できた電気料金で初期投資を回収します。電気料金は発生しませんが、電力系統の使用量として託送料金、同時同量の需給違反があった場合のインバランス料金は、オフサイトPPA同様に別途発生します。

 

オフサイトPPAで活用できる補助金

本記事の公開・更新日時点において、オフサイトPPAで活用できる補助金はありません

他サイトの記事ではストレージパリティ補助金が使えるとの記述が見受けられますが、当該補助金はオンサイト設備を補助対象とした事業で、オフサイトPPAは対象外であるため誤りです。

ストレージパリティ補助金 公募要領 ページ17抜粋

5.補助対象設備の要件
5.2.太陽光発電設備
b. 対象施設におけるオンサイト(on-site)での自家消費を目的とした太陽光発電設備であること。自家消費率は50%以上であること。
◇ オフサイト(off-site)型の太陽光発電設備は本補助金の対象外となります。

また、2022年から2024年までは経済産業省から「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」という補助事業で、オフサイトPPAの導入に補助金が活用できました。弊社でも過去に採択を受けた実績がございますが、こちらの補助金も2024年を最後に新規受付の予算組みは為されていません

 

オフサイトPPA利用までの流れ

オフサイトPPAの検討から利用開始までは、「PPA事業者の比較・検討」→「PPA締結」→「設備の施工」→「利用開始」の4ステップの流れとなります。期間としては、PPA事業者の決定以降は早ければ2~3ヶ月程度で完工、利用開始できます。

PPA利用までの流れPPA利用までの流れ

オフサイトPPAの利用に向けては「事業計画の策定」と「PPA事業者の選定」が重要です。

事業計画の策定

オフサイトPPAを利用する主な目的はインパクトのあるCO₂削減なのか、電気料金の変動リスクヘッジなのか、複数拠点での再エネ利用なのかなど、オフサイトPPAによってまず解決したい・成し遂げたいゴールを明確にする必要があります。
多くの場合、大きなCO₂削減効果だと思いますが、かといって割高なPPA単価の契約で電気代が増大してしまうことは、できるだけ避けたいはずです。PPAによるCO₂削減効果を単年、ターゲット年、契約期間全体で想定し、その便益と電気代の上昇リスクを比較することで、自社にとってバランスの取れた計画値を試算することがおすすめです。

PPA事業者の選定

次に、事業で失敗しないためには適切なPPA事業者の選定も欠かせません。試算した事業計画に対応できる事業者か、長期契約になることから信頼を置ける会社か、実績は十分なのかなど、情報収集や複数社との面談を重ねて自社の計画に合ったPPA事業者を選定しましょう。

PPA事業者の選ぶ方のコツは、以下コラムでも解説しています。PPAご検討の際はあわせてご参考ください。


PPA事業者を選ぶコツとは?

PPA事業者を選ぶコツとは5選|失敗しない業者選びを伝授します

数あるPPA事業者の中から、自社に合ったPPA事業者の選び方を解説いたします。基本情報から選定のポイントをご紹介し、長期間にわたるPPAだからこそ失敗しないためのコツを伝授いたします。