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自家消費型太陽光発電の費用の相場は?導入費用と維持管理費を解説

ブログ 更新日: 2024.01.23

自家消費型太陽光発電の費用の相場とは?導入費用と維持管理費を解説

電気代高騰が続いている影響や脱炭素推進、省エネ対策などにより、自社施設に太陽光発電を導入し電力を自家消費したいと検討する法人が増えています。しかし自家消費型太陽光発電はどうしても高額になるため、担当者としては費用を抑えて賢く導入したいところです。
そこで本記事では、自家消費型太陽光発電の費用相場や、業種・規模別の導入費用と維持管理費について解説します。太陽光発電の導入費用を抑える方法も6つ紹介しますので、併せてぜひご参考にしてみてください。

以下からは、自家消費型太陽光発電システムの概要資料を無料でダウンロードいただけます。システムの仕組みから、いま注目される背景やメリットまで網羅された資料です。

自家消費型太陽光発電概要資料

 

 

自家消費型太陽光発電とは

工場や店舗、事業所など法人の建物や敷地内に太陽光発電を設置し、発電した電気を自社で消費する仕組みが自家消費型太陽光発電です。

自家消費型太陽光発電の仕組み
自家消費には「全量自家消費型」と「余剰売電型」の2種類があります。基本的に法人向けには、太陽光発電の発電で得られる電力をすべて消費する
全量自家消費型がおすすめです。自家消費する電力量が多ければ多いほど、電力会社から購入する電力量が減り、電気料金削減効果が大きくなることがおすすめの理由です。

消費電力量が少ない事務所や小売店などは、余剰売電型も向いています。ただし売電価格よりも電気料金のほうが高いので、経済的メリットがあるか太陽光発電システム導入前に念入りな検討が必要です。

次に、自家消費型太陽光発電システムを導入する際、必要になる費用の種類を見ていきましょう。

 

自家消費型太陽光発電の導入で発生する2種類の費用

自社施設の屋根など敷地内に自家消費型の太陽光発電設備を導入する際、システム費用と設置費用の大きく2つの費用が発生します。以下では、それぞれの導入費用を構成する内訳を紹介します。

システム費用

自家消費型太陽光発電の初期費用の1つである「システム費用」は、設備本体の購入代金を指しています。
システム費用を構成する要素は、主に以下の4つです。

  • 太陽光パネル
  • パワーコンディショナ
  • 架台
  • その他機器(各種ケーブル、モニター、蓄電池、電力機器など)

太陽光発電システムは、これらの機器を現地で組み立てて設置し、実際に発電設備として利用できるように施工されています。

次に太陽光パネルやパワーコンディショナなどの設置にかかる設置費用の内訳を見ていきましょう。

設置費用

自家消費型太陽光発電を導入する際の設置費用内訳には、工事費と設計費が含まれています。
設計費は太陽光発電設備の設置場所や各種条件を考慮して、効率良く発電できる太陽光パネルの配置を決めたり、発電量を消費する建屋等の使用電力量に応じた最適なシステムを設計したりするための図面制作や現地調査に要する作業費です。
工事費は、さらに以下5つの作業に分かれます。

  • 架台設置
  • 太陽光パネルやパワーコンディショナなどの取り付け
  • 各種ケーブルの配線などの電気工事
  • 屋内工事
  • 発電確認

代表的な工事として5つの作業を挙げましたが、太陽光発電設備の規模やシステム構成、需要場所となる建屋の電力契約や電気の使用状況に応じて、さらに追加の工事が発生する場合があります。
また、設備を自社施設の屋根や屋上ではなく、敷地内の空きスペースを利用して地面に設置する場合は、追加で土地造成費が発生する可能性があります。

 

自家消費型太陽光発電の導入費用相場

設置容量10kW以上の産業用太陽光発電の導入にかかる初期費用の相場は、2013年から2022年まで緩やかに減少しています。以下図表は、設置年別の産業用太陽光発電の導入費用相場と費用の構成を表すグラフです。

事業用太陽光発電の資本費における設置年別推移および内訳|資源エネルギー庁(出典)太陽光発電について|経済産業省資源エネルギー庁

導入コストは年々減少していることがわかります。要因としては、太陽光パネルの価格について2013年はkWあたり20.9万円だったものが、2022年にはkWあたり10.2万円と5割近く下がっていることが挙げられます。パワーコンディショナの価格も10年間で36%程度下落しています。
一方で、その他の工事費や架台などの価格には変化が見られていません

では、土地造成を必要としない屋根設置タイプの自家消費型太陽光発電のシステム費用がどれくらいになるのか見ていきましょう。

自家消費型太陽光発電システムの費用相場

設置容量10kW以上で、事業用の太陽光発電を導入する際に発生するシステム費用の相場を、表にまとめました。システム費用には、パネルやパワコンなどの機器・部材のほか、工事、その他諸経費などすべての費用が含まれます。

経済産業省のFIT/FIPの調達価格を算定する会議における、トップランナー(業界内のトップ)水準を参照しています。2022年の報告が対象でパネル容量ベースの費用です。

屋根設置型 50kW以上 10kW以上50kW未満
上位5% 13.13万円/kW 14.85万円/kW
上位10% 14.03万円/kW 16.89万円/kW
上位15% 14.84万円/kW 17.91万円/kW
上位26% 15.00万円/kW 20.76万円/kW
上位50% 17.84万円/kW 26.44万円/kW

業界の上位5%が、50kW以上ではkWあたり13.13万円、10kW以上50kW未満ではkWあたり14.85万円で設備を提供していることを表しています。

経済産業省では、2024年度のシステム費用の想定値に上位26%のkWあたり15万円を採用することとしています。業者から見積りを取得する際は、パネル容量(kW)×15万円が一つの目安となります。
一方で、上位5%とはおよそ2万円の差があり、仮にパネル容量100kWの設備で上位5%と上位26%の業者で見積りを取った場合、約200万円の価格差が生じます。これは上位26%の見積もり金額の13%に相当する金額で大きな差と言えます。

kWあたり15万円を目安としながら、他の業者からも相見積もりを取ったり、値下げができないか交渉すると良いかもしれません。

(参考)地上設置型のトップランナー費用

屋根設置型との対比で地上設置型の費用相場も表にまとめてみます。

地上設置型 50kW以上 10kW以上50kW未満
上位5% 9.77万円/kW 11.83万円/kW
上位10% 10.58万円/kW 13.69万円/kW
上位15% 11.28万円/kW 15.48万円/kW
上位25% 11.97万円/kW 17.58万円/kW
上位50% 15.26万円/kW 22.44万円/kW

全体的に地上設置型の方が20~25%程度、屋根設置型よりも割安な傾向がうかがえます。2024年度のシステム費用の想定値には、上位15%の11.28万円/kWが採用されており、屋根設置型の水準よりもkWあたり3.7円ほど割安な設定をされています。

(参照)太陽光発電について(2022年12月)|経済産業省 資源エネルギー庁

 

自家消費型太陽光発電の業種・規模別の導入費用相場

法人向けの自家消費型太陽光発電は、業種により発電設備の規模に傾向があります。例えば製造業および卸小売業では、製造工場の屋根に設置するので出力は大きめの100kW以上、介護福祉施設では50kWほどなどです。
太陽光発電出力とは発電設備が一定時間あたりで作り出せる電気量を指し、太陽光パネルの枚数やパワーコンディショナの台数で決まります。

以下では法人の業種と発電設備の規模ごとに、屋根設置型太陽光発電の導入コスト相場の目安を紹介します。

製造業の導入費用相場(太陽光発電出力:250kW)

製造業では自社の工場に太陽光発電を導入するケースが多く、太陽光発電の出力は100kW以上が多いです。出力250kWの太陽光発電システムの工場屋根への導入を例とすると、トップランナー基準のkWあたり15万円で3,750万円、より安い業者では3,250万円程度もあり得ます。

250kWのシステムを屋根に設置する場合には、550Wのソーラーパネルが455枚、パネル面積だけで1,100㎡、離隔を考慮して少なくとも1,200㎡以上の屋根スペースが必要です。

卸小売業の導入費用相場(太陽光発電出力:100kW)

卸小売業業ではスーパーなどの店舗あるいは倉庫に、太陽光発電を導入するケースがみられます。店舗の大きさによって設置容量はさまざまですが、比較的大きめを想定して100kWのシステムを例とすると、1,500万円が目安価格で、安いところでは1,300万円も可能性があります。

100kWのシステムを屋根に設置する場合には、550Wのソーラーパネルが180枚、パネル面積だけで435㎡、離隔を考慮して少なくとも480㎡以上の屋根スペースが必要です。

介護福祉業の導入費用相場(太陽光発電出力:50kW)

介護福祉業では、施設の屋根への導入が一般的です。先に取り上げた工場や店舗より発電規模は小さくなり、50kW未満の区分が多いです。50kWの太陽光発電システムを例にすると、kWあたり20.76万円で1,040万円が基準となりそうです。安い業者では740万円程度もあり得ます。

50kWのシステムを屋根に設置する場合には、550Wのソーラーパネルが90枚、パネル面積だけで220㎡、離隔を考慮して少なくとも240㎡以上の屋根スペースが必要です。

 

自家消費型太陽光発電の維持管理費用相場

出力10kW以上の産業用太陽光発電では2024年度の維持管理費用相場は、経済産業省でkWあたり年間0.5万円と想定されています。
自家消費型太陽光発電では発電効率が高い状態を維持して、発電量を確保できないと電力会社から購入した電気を消費する割合が増えるため赤字になりかねません。このため、発電設備の維持管理が重要になります。
自家消費型太陽光発電における維持管理費用の主な項目は、以下の4つです。

  • 定期点検
  • 清掃などのメンテナンス
  • 保険料
  • 機器類の修理や交換

項目ごとに自家消費型太陽光発電の維持管理費用が年間でいくらになるか、見ていきましょう。

(参照)令和5年度以降(2023年度以降)の調達価格等について|経済産業省

定期点検

定期点検に必要な年間の維持管理費用は、0.07万円/kWです。

太陽光発電設備は屋外に設置して利用するため、自然環境からの影響を受けて経年劣化しやすい特徴があります。このため定期的に設備の点検を実施し不具合が発生している箇所がないかのチェックは、自家消費型太陽光発電を維持管理する上での必須事項です。定期点検で不具合を発見して早期に対処すれば、故障による発電停止を未然に防げるだけでなく、発電効率が高い状態を維持して発電量を確保することにもつながります。

時間が経過して発電量が減少し、最終的に赤字にならないよう定期点検費用は必要経費として準備が必要です。

清掃などのメンテナンス

自家消費型太陽光発電の年間のメンテナンス費用相場は、0.12万円/kWです。

太陽光パネルやパワーコンディショナは、黄砂や鳥の糞、土埃などの汚れが付着します。設備の汚れをそのままにしてしまうと、発電効率低下の原因になりかねません。
発電量が減少しないようにするためには、清掃などのこまめな太陽光発電設備のメンテナンスの実施も重要です。建物の屋根や屋上にある設備のメンテナンスは高所での作業となり危険なため、なるべく個人での対応は控えて業者に依頼することをおすすめします。


太陽光発電にメンテナンスが必須なワケを解説

太陽光発電にメンテナンスが必須なワケを解説!

太陽光発電のメンテナンスは法律で義務化されるようになりました。メンテナンスを実施すべき機器や点検項目、頻度、費用を解説します。また機器類の交換費用もわかる内容となっています。


保険料

太陽光発電での一般的な年間の保険料は、0.08万円/kWです。

台風や集中豪雨、地震など自然災害で太陽光発電設備が故障する可能性がありますが、自然災害起因での故障はメーカー保証の対象外です。しかし経済産業省の調査によると事業者の中には以下のような理由から、保険に加入しないケースがあります。

  • 保険料が高い
  • 太陽光発電の保険があると知らなかった
  • 事故が発生しないと考えている
  • 資金に余裕がない
  • メーカー保証がある
  • 自社資金でまかなえる

修繕が必要になるほどの事故が発生しないとは限らず、不測の事態が起きたときに別のことに自社資金が必要になっている可能性も考えられます。
メーカーや設置業者で保証されない不具合は、発電設備の所有者が修理費用を負担することになるので、万が一に備えて保険加入は必須と考えましょう。

(参照)令和2年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(太陽光発電に係る保守点検・保険の動向等に関する調査)報告書|株式会社三菱総合研究所

機器類の修理や交換

太陽光発電の機器類の修理や交換にかかる年間の費用は、0.07万円/kWが相場です。

定期点検で不具合が見つかった場合、状態に応じて機器を修理したり交換したりする対応が必要になります。発電設備の稼働後、すぐに修理や交換が必要になるケースは少ないです。しかし設置から時間が経つと経年劣化などが原因で故障の可能性が高くなるため、万が一に備えて資金を準備しておくことをおすすめします。

 

業種・規模別|維持管理費用

自家消費型太陽光発電の維持管理費用が年間でいくら必要になるかは、発電設備の規模によって異なります。以下では事業者の業種と太陽光発電設備の規模別に、年間の維持管理費用を紹介します。

製造業の維持管理費用相場(太陽光発電出力:250kW)

自社の工場などに自家消費型太陽光発電を導入するケースが多い、製造業の事例を紹介します。

太陽光発電の出力が250kWの場合の年間維持管理費用
維持管理費用項目 年間の費用相場
定期点検 16.7万円/年
清掃などのメンテナンス 30.6万円/年
保険料 19.4万円/年
機器類の修理や交換 16.7万円/年
合計 83.3万円/年

どの項目についても共通して言えることですが、維持管理費用の金額は導入する発電設備の規模や依頼する業者でも金額が変わります。自社で必要な年間の維持管理費用詳細を確認したい場合は、維持管理を依頼する業者や保険会社への問い合わせが必要です。

卸小売業の維持管理費用相場(太陽光発電出力:100kW)

ドラッグストアやスーパーなどの卸小売業では、太陽光発電の出力は100kWが平均的です。

太陽光発電の出力が100kWの場合の年間維持管理費用
維持管理費用項目 年間の費用相場
定期点検 6.7万円/年
清掃などのメンテナンス 12.2万円/年
保険料 7.8万円/年
機器類の修理や交換 6.7万円/年
合計 33.3万円/年

介護福祉業の維持管理費用相場(太陽光発電出力:50kW)

介護福祉業では、出力50kWの自家消費型太陽光発電が導入されるケースが多いです。

太陽光発電の出力が50kWの場合の年間維持管理費用
維持管理費用項目 年間の費用相場
定期点検 3.3万円/年
清掃などのメンテナンス 6.1万円/年
保険料 3.9万円/年
機器類の修理や交換 3.3万円/年
合計 16.7万円/年

 

初期費用を抑える6つの方法

自家消費型太陽光発電設備を自社に導入する際、以下6つのように初期費用を抑える方法があります。

  1. 複数業者から相見積もりを取る
  2. 補助金制度を利用する
  3. PPA・TPOモデルを利用する
  4. リース・割賦方式を活用する
  5. 税制優遇制度を利用する
  6. 経費計上する

以上の6つについて、具体的な手法を紹介していきます。

複数業者から相見積もりを取る

太陽光発電導入の初期費用を抑える方法として、複数の業者から相見積もりを取って比較検討するのも有効です。

太陽光パネルを設置できる敷地面積や施工など、全く同じ条件でも施工店ごとに見積金額が異なります。
可能であれば2~3社から見積もりを取得し、項目ごとに金額を比較しましょう。他社よりも大幅に高額な項目がある場合、その金額になっている理由を施工店に確認するのがおすすめです。ただし見積もりの内訳が秘密情報に触れてしまうなど公表できないケースもあるため、詳細な回答が得られない可能性もあります。

相見積もりを取得して金額を比較することで、見積額が妥当かどうかが分かるため結果として初期費用を抑えられます。

補助金制度を利用する

自家消費型太陽光発電の導入には、政府また全国の自治体から補助金制度が豊富に展開されています。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの導入を加速度的に進めていく必要があり、太陽光発電はその最有力候補として手厚い補助が行われています。以下では、2024年度に法人が導入する太陽光発電で活用できる補助金をまとめています。


自家消費型太陽光発電の導入で活用できる補助金まとめ

自家消費型太陽光発電の導入で活用できる補助金まとめ

自家消費型太陽光発電の導入では、国および各自治体から補助金が用意されています。公募内容とポイントを一挙紹介します。


代表的な補助金には、ストレージパリティ補助金需要家主導補助金ソーラーカーポート補助金があります。
設置場所は屋根上のオンサイト、駐車場、敷地外のオフサイト、農地など様々に対応が可能で、幅広い活用ができます。

最大で3分の2の補助率が出ている補助金もあり、初期費用が高額になりがちな太陽光発電設備でも、初期費用を抑えた導入が可能です。

120kWの設備でストレージパリティ補助金を活用した場合の試算

ストレージパリティ補助金の補助は、定額で太陽光発電設備が4万円/kW(自己所有の場合)、蓄電池が5.3万円/kWh(産業用の場合)です。
太陽光パネル出力で280kW、蓄電池容量が40kWhの自家消費型太陽光発電設備で、ストレージパリティ補助金の活用を想定すると、以下のような試算になります。初期費用を25%削減でき、回収も2~3年早まります。

初期費用
※補助なし
補助額 補助適用後
初期費用
補助率
太陽光発電設備:280kW 4,220万円 1,120万円 3,100万円 26.5%
産業用蓄電池:40kWh 1,000万円 212万円 788万円 21.2%
合計 5,220万円 1,332万円 3,888万円 25.3%
投資回収 9~10年 7年

PPAモデルを利用する

PPAモデルは自社で太陽光発電設備を購入・設置するのではなく、第三者となる事業者の費用で工場や事業所などに太陽光発電を設置し、電力のみを購入するモデルです。発電設備のメンテナンスなど維持管理は、所有者の事業者の責任で行われます。

PPAモデルを利用するメリットとデメリットを表にまとめました。PPAは初期費用0・ランニングコスト0で、電力会社の電気料金よりも安く太陽光発電由来の電力が使えることが最大のメリットです。

メリット デメリット
  • 初期費用と維持管理費用が発生しない
  • 電気代の削減効果がある
  • 補助金制度が活用できる
  • 環境価値の付属も可能
  • 信用度調査の結果、活用できない場合がある
  • 契約期間は最低でも15年からと長期
  • 契約期間中は設備の撤去が難しい
  • 電気代削減効果は自己所有に比べて限定的

出力280kW設備でのPPAモデルと自己所有モデルの比較

初期費用
※補助金あり
ランニングコスト
(年間)
電気代削減効果
(年間)
電気代削減効果
(15年間)
PPA期間
(投資回収)
補助金 税制
優遇
PPA
モデル
なし なし 62万円 924万円 15年
自己
所有
3,888万円 140万円 554万円 8,316万円 7年

PPAは初期費用・ランニングコストが0円という大きなメリットがあるのに対して、電気代削減効果は限定的です。
自己所有モデルは太陽光発電で得られる電力を自社でそのまま活用できるため、発電し消費した分は電力会社から購入する必要がなく、その消費分だけ電気代を削減できます。対してPPAモデルは、PPA事業者から電力を買う手法を取るため、電力会社の電気料金とPPA事業者の電気料金の差分しか電気代削減効果が得られません。

ただ、昨今の電気代高騰下では、長期にわたって電気料金を固定できる点はメリットで、経営戦略上のコストの安定化を図ることができます。PPAを検討する際は初期費用を重視するのか、あるいは実質的なコスト削減を重視するのか、をよく検討することがおすすめです。


PPAとは?0円で太陽光発電システムが導入できる仕組みを解説します

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初期費用・ランニングコストともに0円で太陽光発電システムが設置できるPPAを解説します。PPA、リース、自己所有型と比べた場合のそれぞれの利点についてもご紹介します。


リース・割賦を活用する

リース・割賦方式は基本的に導入時の費用がかからないため、初期費用を抑えられます。太陽光発電のリース事業者負担で電気を利用したい施設に発電設備を設置し、利用者はリース料金として月額利用料を支払う仕組みです。

リース・割賦方式を活用する場合のメリットとデメリットは、以下のようになります。

メリット デメリット
  • 初期費用が発生しない
  • 月額のリース料を経費計上できる
  • 余剰電力を売電できる
  • 再エネ賦課金がかからない
  • リース契約が長期間になる
  • リース資産としての経理業務が発生する
  • 資産が増えるため総資産利益率が下がる
  • PPAと同じく与信調査がある

自己所有・PPA・リース/割賦の比較

自己所有 PPA リース/割賦
設備の所有 自社 PPA事業者 自社
初期投資 あり なし なし
毎月支払額 なし あり あり
補助金活用
税制優遇活用
メンテナンス 自社 PPA事業者 自社
電気代削減効果
対外的な環境価値

リース・割賦は自己所有とPPAの中間ポジションのような活用法で、PPAと同じく初期費用を抑えながらも、発電した電力は自社でそのまま使えるので、初期費用を抑えながら自己所有と同等の電気代削減効果が期待できます。リース料の支払いがあるため、事業全体での利益率は自己所有ほどではありませんが、費用を抑えるという点で有力な選択肢と言えます。

税制優遇制度を利用する

自家消費型太陽光発電を導入する際に、税制優遇制度を利用して初期費用を実質的に抑える方法があります。
2つの税制優遇制度について、概要を表にまとめました。

中小企業経営強化税制 中小企業投資促進税制 カーボンニュートラル投資促進税制
対象の法人 中小企業と青色申告個人事業主 全法人
税制措置 即時償却または税額控除10% 特別償却30%または税額控除7% 中小企業(炭素生産性17%):特別償却50%または14%税額控除
中小企業(炭素生産性10%):特別償却50%または10%税額控除
大企業(炭素生産性20%):特別償却50%または税額控除10%
大企業(炭素生産性15%):特別償却50%または税額控除5%

1,500万円の太陽光発電設備を即時償却した例

太陽光発電設備の取得に税制優遇制度を利用する

中小企業経営強化税制の即時償却を例に挙げています。活用しない場合、法人税は4,000万円の課税対象利益に対してかかりますが、活用することで太陽光発電設備の取得額を一括損金計上できるため、課税対象利益を2,500万円まで圧縮できます。結果、525万円の節税効果となります。

一点注意点としては、一括償却は本来耐用年数によって定められた減価償却費を、設備取得の初年度に一括して計上しているだけなため、節税効果を前借りしているだけで現実的な節税にはなりません。
対して、税額控除は法人税から直接控除でき、この例だと1,500万円の10%にあたる150万円を法人税から直接差し引くことができます。

活用方法としては、当期に大きな利益を上げ、例年よりも大きな法人税を納める必要がある場合は即時償却、安定して利益を上げている場合は税額控除がおすすめです。


中小企業経営強化税制が2024年度まで延長!太陽光発電の税制優遇

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即時償却と10%税額控除が使える最強の税制優遇制度、中小企業経営強化税制を解説します。具体的な節税額や申請スケジュールなどをまとめています。


経費計上する

自家消費型太陽光発電では、以下の費用を経費として計上できます。

  • 設備の維持管理費用
  • 機器を稼働させるための電気代

また太陽光発電は国税庁で償却資産と定めているため、最大で17年間減価償却費としての経費計上が可能です。経費計上した減価償却の金額が所得から差し引かれることで、課税額を抑えられるため節税になります。

 

自家消費型太陽光発電のメリット・デメリット

自家消費型太陽光発電の導入には電気代削減や節税対策のほか、様々なメリットがありますが、デメリットとなる要素もあります。以下では、自家消費型太陽光発電導入におけるメリットとデメリットを紹介します。

自家消費型太陽光発電のメリット

自家消費型太陽光発電を導入することで得られるメリットは、主に4つあります。

電気代削減効果がある

発電した電気を利用することで、電力会社から購入する電気量を減らし電気代を削減できます。近年では電気代削減のために、自家消費型太陽光発電を導入する法人が増加しています。

節税対策になる

太陽光発電設備は、減価償却や維持管理にかかるランニングコストを経費計上できます。経費計上すれば、課税対象となる所得を減額できるため節税対策になります。税制優遇制度も活用でき、併せてさらに節税効果が見込めます。

脱炭素推進に貢献できる

脱炭素の推進は地球環境保護のために、世界中が取り組んでいる大きな課題です。太陽光発電設備の導入で再生可能エネルギーの使用量が増えれば、CO₂の排出削減につながり脱炭素推進に貢献できます。

企業のイメージ向上につながる

太陽光発電を自社設備に導入することで、環境問題に取り組んでいる企業として外部へのアピールポイントになります。地球環境の保護が重視されているため、社会的責任を果たしている企業のイメージが付けば営業活動が有利になるなど、利益向上も期待できるでしょう。

自家消費型太陽光発電のデメリット

自家消費型太陽光発電のデメリットとしては、以下の3つを取り上げます。

設置スペースが必要

太陽光発電で得られる発電量は、太陽光パネルの枚数で決まります。自家消費する電力消費量が多くても、太陽光パネルを設置できるスペースがなければ、十分な発電量を確保できません。太陽光発電の設置に利用できる面積が小さいと、発電量が少ないというデメリットがあります。

天候に左右されやすい

太陽光発電は太陽の光エネルギーを電気に変える仕組みです。夜間および雨天時は発電できず、曇天など日が射していない天候では発電量が減少します。蓄電池を併設するなどの対応策はありますが、天候によって運用状況が変わってしまう点はデメリットと言えます。

ランニングコストがかかる

太陽光発電設備を発電効率が高い状態に保つためには、定期点検やメンテナンスが欠かせません。また万が一の故障に備えた保険加入もマストと言え、設備を長期間にわたって効率的に運用するための維持管理費用がかかります。

 

まとめ

自家消費型太陽光発電の業種・規模別の初期費用と維持管理費用の相場を、おさらいします。

業種・規模 初期費用 維持管理費用
製造業(太陽光発電出力:250kW) 3,250万円~3,700万円 83.3万円/年
卸小売り業(太陽光発電出力:100kW) 1,300万円~1,500万円 33.3万円/年
介護福祉業(太陽光発電出力:50kW) 740万円~1,040万円 16.7万円/年

上記の金額は一例で、自社の設置環境や発電設備の規模によって発生する費用が変わります。
自社への自家消費型太陽光発電導入を検討するために、初期費用がいくらになるか確認されてみてはいかがでしょうか。

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