2025年ソーラーカーポートの補助金情報をわかりやすく解説します

補助金 更新日: 2025.05.13

空き地での太陽光発電設備の導入は進み、未開発適地は減少しています。
また、建物屋根上だけでは十分な再エネ電力を得られない場合があります。そのようななか、駐車場に設置できるソーラーカーポートに注目が集まっています。

この記事では、駐車場を活用した自家消費型の太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入支援を行う環境省から出ている補助金「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業)|設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業」のうち、「建物等における太陽光発電設備の新たな設置手法活用事業」について解説します。

以下では、本補助金をはじめソーラーカーポートをはじめとした太陽光発電の導入に活用できる補助金資料をダウンロードいただけます。設備投資や節税にご活用ください。


以下コラムでは、ソーラーカーポートを含めた法人向け太陽光発電の補助金を総まとめしています。併せてご参考ください。


【最新版】法人向け太陽光発電の補助金総まとめ

【最新版】法人向け太陽光発電の補助金総まとめ

環境省、経済産業省、国土交通省が公表した最新の補助金情報をまとめました。自治体の補助金も代表的なものを紹介しています。


 

ソーラーカーポートとは

ソーラーカーポートとは、カーポートの屋根として太陽光発電パネルを用いるもの(太陽光発電一体型カーポート)あるいは、カーポートの屋根上に太陽光発電パネルを設置するもの(太陽光発電搭載型カーポート)を指します。
カーポートを設置することで、駐車場の駐車スペースを確保したまま、駐車場の上部空間を利用した太陽光発電を実現できます。

太陽光発電一体型カーポート

太陽光発電一体型カーポートとは、太陽光パネルを設置することを考慮して設計されたカーポートのことを指します。一般的なカーポートは曲線を描くアール型の屋根が一般的ですが、太陽光発電一体型ソーラーカーポートは屋根上に無駄なスペースをつくらず平らな屋根になっているのが特徴です。

太陽光発電搭載型カーポート

太陽光パネルとカーポートが別々になったタイプが太陽光発電搭載型カーポートです。太陽光発電一体型カーポートとの違いは、屋根材が金属製の折半屋根といわれる屋根材を使用し、太陽光パネルを設置しなくてもカーポートとして利用できる点が挙げられます。屋根の素材によって太陽光発電パネルを設置できないこともあるので注意が必要です。

ソーラーカーポート導入に利用可能な補助金

ソーラーカーポートの導入に利用可能な補助金として環境省の「建物等における太陽光発電の新たな設置手法活用事業(ソーラーカーポート等)」があります。こちらの補助金についての詳細は以下の通りです。

再生可能エネルギー事業者支援事業費
(駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業)

公募期間

一次公募:令和7年5月8日~令和7年6月5日正午まで (必着)
二次公募:令和7年6月25日~令和7年7月15日正午まで (必着)

補助対象者

本補助事業を確実に遂行するために必要な経営基盤を有し、事業の継続性が認められる者とします(代表事業者が直近の決算において債務超過の場合は、原則として対象外とします。)
・補助金に応募できる者
(1)民間企業
(2)独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人
(3)地方独立行政法人法第21条第3号チに規定される業務を行う地方独立行政法人
(4)国立大学法人、公立大学法人及び学校法人
(5)社会福祉法第22条に規定する社会福祉法人
(6)医療法第39条に規定する医療法人
(7)特別法の規定に基づき設立された協同組合等
(8)一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人
(9)その他環境大臣の承認を経て協会が認める

補助事業期間

補助事業期間は単年度とします。

実施期間は、原則として交付決定を受けた日から令和8年1月31日までとします。その日までに事業完了する必要があります。

募集要件概要

・駐車場を活用したソーラーカーポートであること(太陽光発電搭載型カーポート又は太陽光発電一体型カーポート)や蓄電池の導入を行う事業であること。
発電量の50%以上を導入場所の敷地内で自家消費すること。
・補助金を活用して導入するソーラーカーポートは、自家消費型太陽光発電システムである必要があります。
・太陽光発電設備の費用効率性(CO₂削減コスト)が以下基準を下回ること。
 ・一般地域:57,000円/t-CO₂
 ・強風地域・多雪地域:70,000円/t-CO₂
・PCS(パワーコンディショナー)の最大出力が10kW以上であること。積載率1以上であること。
事業の実施により得られる環境価値を需要家に帰属させること。
FIT制度又はFIP制度による売電を行わないこと。
・停電時に電力供給可能とするシステム構成であること。
・自己託送を行わないものであること。

対象設備

①太陽光発電一体型カーポート:太陽光発電モジュール一体型カーポート、基礎、接続箱、PCS、配線
②太陽光発電搭載型カーポート:太陽光発電モジュール、架台、カーポート(太陽光発電モジュールの土台となるものに限る)、基礎、接続箱、PCS、配線
③定置用蓄電池:目標価格及び蓄電池の条件に適合するもの。(置き基礎不可)
家庭用:20kWh未満 12.5万円/kWh以下(国の補助事業における補助対象機器であること)
産業用:20kWh以上 11.9万円/kWh以下
主な用途が、平時において繰り返し充放電するものに限る。

①車載型蓄電池:電気自動車・プラグインハイブリッド自動車。外部給電が可能なもので、充放電設備と同時に導入する場合に限る。
②車載型蓄電池の充放電設備又は充電設備:条件に適合するものであること。
※補助対象設備の設置に係る工事費も補助対象とする。
③車載型蓄電池の通信・制御機器

補助率

ソーラーカーポート:8万円/kW
①家庭用蓄電池・・・4.1万円/kWh
②産業用蓄電池・・・3.9万円/kWh
③車載型蓄電池・・・2万円/kWh
(上限は「補助対象車両一覧」の車両ごとの補助交付額)
※蓄電池容量に用いるkWhは1台ごとに小数点以下切り捨てとする。
④充放電設備・・・補助率2分の1
(上限はV2H 充放電設備の「補助対象一覧」の設備ごとの補助金交付額)
⑤充電設備・・・補助率2分の1
これらの一覧に入っていない充放電または充電設備は補助の対象外となるので注意が必要です。

評価のポイント

◎事業の実施内容やスキーム等の実施計画が事業目的に合致し、実現可能なものであること。
◎事業に必要な能力及び実施体制を有していること。また、事業を確実に実施できる経理的基礎を有すること、又は、事業実施のために必要な資金調達に係る確実な計画を有していること。
●再生可能エネルギーの自家消費比率が大きいか。
●事業による直接的なCO2削減効果の費用対効果等が高く見込まれているか。
●事業によるCO2削減率が高いか
●車載型蓄電池、充放電設備又は充電設備が設置されているか。
●定置用蓄電池、車載型蓄電池、充放電設備又は充電設備を活用して災害時でも施設で電力を活用できるか。
●(上記に該当する場合)防災協定等が締結され、災害時に太陽光発電の電力が地域で活用できるか。
●RE100、再エネ100宣言REAction、ScienceBasedTargetsの推進に資するものであるか。
●地球温暖化対策推進法に基づき市町村が定める促進区域で実施する事業については、優先採択を行います。
◎は必須、●は加点要素

上限額

1億円

完了実績報告

補助事業完了後30日以内またはその年度の2月10日(今年度の場合は2月9日まで)まで
設置を検討している場所が地方公共団体が作成するハザードマップにて、土砂災害警戒区域、洪水浸水想定区域は対策工事を行う必要があります。
また太陽光発電設備や蓄電池は、自然災害に対処できるようにJIS規格に準拠する。
※土砂災害、浸水災害への対策費は補助対象外です。

詳細につきましては以下のサイトをご参照ください。
一般社団法人 環境技術普及促進協会:https://www.eta.or.jp/offering/2024/solarcarport/index.php
公募要領:https://www.eta.or.jp/offering/2024/solarcarport/files/02_kouboyouryo.pdf

ソーラーカーポートのメリット

土地を有効活用できる

ソーラーカーポートは駐車場の上部空間のみを利用するため、駐車スペースを圧迫せずに発電することが可能です。

自家消費がしやすい

駐車場は電力需要施設に隣接しているため、自家消費を容易にできます。また、自家消費にすることで災害時等においても電力を利用でき 地域や事業等のレジリエンス強化にもつながります。

ソーラーカーポートの注意点

土地に自立して設置する太陽光発電設備は、建築物に該当しないものとされていますが、ソーラーカーポートは建築物に該当するため建築基準法や消防法などの関係法に基づいた設計・施工・申請・監理が必要となります。

 

ソーラーカーポートをはじめとした太陽光発電の導入に活用できる補助金資料を用意しております。設備投資の計画立てにご活用ください。

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