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蓄電池の導入は企業にとって必要?導入のメリットと注意点

ブログ 更新日: 2022.10.27

太陽光発電を導入している、または導入を検討されている方の中には蓄電池の導入を併せて考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、企業が太陽光発電を導入する際の蓄電池の必要性を検討する指標の一つとして蓄電池を導入することのメリットや注意点、活用例についてご紹介したいと思います。

 

 

蓄電池の役割

蓄電池とはその名の通り充電を行うことで電気を蓄え、繰り返し使用することができる電池のことを指します。
太陽光発電と一緒に利用する蓄電池には以下のような役割があります。
・余った電気を貯めておく
・ピークカット・ピークシフトに役立てる
・防災に役立てる

太陽光発電によって発電された電気は「自家消費」か「売電」の二択となりますが、蓄電池を導入することで利用したいタイミングで放電、蓄電の切り替えができます。

蓄電池を企業に設置するメリット

企業が太陽光発電に併せて蓄電池を導入するメリットは以下のような例が挙げられます。

電気代削減につながる

ピークカット

ピークカットとは、一日のうちで最も電力使用量が多いピーク時に、太陽光発電で発電した電力や蓄電池で貯めた電力を使用することで、最大デマンド値を下げ電気の基本料金削減につながる場合があります。
電気代のピークカット

ピークシフト

ピークシフトとは、電力使用量が少ない時間帯に電気を貯めておき、使用量が多くなる時間帯に使うことです。
企業や工場のような日中に電気使用量が多い会社の場合、電気使用量の少ない夜間や早朝に蓄電池へ電気を蓄えておき、日中に放電して利用することでピークカットと同様の効果を得られます。

太陽光発電設備だけでもピークカットの効果は得られますが、太陽光発電は発電量が天候に左右されるため雨天時に最大デマンド値が更新される恐れがあります。最大デマンド値が更新されると電気代の基本料金が翌月から上がってしまう恐れがあります。
また、充放電を繰り返して電力使用量を均一化するピークシフトは蓄電池のみに限られた効果ですので、太陽光発電と蓄電池をセットで導入することでさらに電気代削減効果の期待値を高めることができます。

BCP対策につながる

蓄電池を設置することでBCP対策につながります。
近年は毎年のように大雨や台風による記録的な災害が発生し、大規模停電などによりインフラが途絶える事態に発展しています。停電などの災害時に重要業務が中断しないこと、また万一事業活動が中断した場合に、いかに早期復旧できるかは企業の存続や顧客や取引先との信頼と信用にも関わります。
蓄電池は太陽光発電であらかじめ発電した電力や、電力会社から購入した電力を貯めておくことで、停電時にも電気を使用することができます。電気が使えることで重要な生産ラインや、製品の品質を保つための機器を稼働させるほかスマホやパソコンでの情報収集、連絡などができ緊急事態からいち早い事業復旧に役立ちます。

BCPの策定方法についてはこちらの記事で解説しています。併せて参照いただくとBCP対策の理解が深まります。



BCPとは?BCPに取り組むメリットや策定手順について解説!

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蓄電池を企業が導入する際の注意点

これから蓄電池の導入を予定している方は、設置前に注意点を把握する必要があります。蓄電池を導入する際にあらかじめ抑えておきたい注意点をご紹介します。

設備費用がかかる

太陽光発電と蓄電池の導入により経済的なメリットが得られる一方で、国や自治体の補助金を活用できたとしても、初期費用やメンテナンス・部品交換の費用が高いことが注意点の一つといえます。国の調査によると2019年度における家庭用蓄電システム価格+工事費は18.7万円/kWhと発表されています。一般的に産業用蓄電池と呼ばれる17kWh以上の蓄電池は容量にもよりますが、数百万円から数千万円となるため計画的な検討が必要です。蓄電池をより導入しやすくするためにはさらなる価格の低減が求められます。

設置スペースが必要

蓄電池本体は容量に応じてサイズも大きくなり、設置スペースの確保が必要となります。設置スペースのみならず、メンテナンススペースを考慮する必要があるので、導入前にどのくらいのスペースが必要なのかメーカーや業者に問い合わせておきましょう。

充電回数が有限

蓄電池は充放電を繰り返して稼働し続ける仕組みです。充放電を無限に繰り返すことはできず、初期容量に比べて蓄電可能な容量は徐々に減っていきます。
蓄電池の寿命は10年から15年が目安とされており、その間にも点検やメンテナンス、部品交換が必要となってきます。蓄電池の点検などを怠ると、性能が低下する可能性が高く故障や不具合を招く場合があるため定期点検が必要です。
また、蓄電池はメーカーごとで保証が用意されており、保証期間内は定格容量内の一定量を保証や有償保証にすることでさらに保証期間を伸ばすことができる場合があります。こちらも導入前に確認が必要となります。

蓄電池の活用方法

蓄電池の活用には「電気代削減」「BCP対策」といった企業内での活用のほかに、CSRの取り組みとして以下のような活用例が挙げられます。

脱炭素への取り組み

脱炭素の取り組みはいまや大企業のみならず中小企業にも求められます。太陽光発電と蓄電池を用いた電気の再エネ化は脱炭素経営の実践につながり、脱炭素の実現を推し進める企業と新たに取引を始める機会を得られるかもしれません。さらにESGの観点を考慮した経営が投資家や金融機関が行う投資判断において優位性を獲得できます。
脱炭素と企業の関係についてはこちらの記事をご覧いただくと理解が深まります。



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2020年10月に当時の菅首相が表明した「2050年カーボンニュートラル宣言」により、諸外国に遅れながらも日本も「脱炭素化」に大きく舵を切りました。脱炭素社会の実現のためには、温室効果ガス排出量の8割以上を占める産業部門の削減が不可欠で、企業の取り組みが重要視されています。


SDGsの取り組みの発信として

社会的にSDGsへの関心が高まっている現在、SDGsに取り組むだけでなく発信することも必要となります。SDGsへの取り組みは企業価値の向上のみならず、企業としての信頼の獲得や優秀な人材の確保にもつながります。
太陽光発電だけでなく、蓄電池も導入することで消費電力における再エネ比率を高めることができるため、SDGsに関心の高い人材や企業、自治体に対しての訴求力の向上につながります。

地域の避難場所として

災害や電力不足などで停電が発生した場合、蓄電池に電気が貯められていれば自律的に電気を賄うほか、日中に太陽光発電で発電した電力を蓄えることができるので、非常用電源として使うことができます。
あらかじめ自治体や住民団体との地域防災協定を締結し、実際に台風被災時などに地域の防災拠点として活用すれば地域貢献にもつながります。防災協定の締結は企業名や団体名とともにその旨が広く広報されることが多いことから、企業のイメージアップにつながります。

蓄電池の必要性が高い企業とは?

蓄電池を導入する目的が「BCP対策」または「CSRとしての取り組み」であれば導入するべきでしょう。
BCP対策を進める上で、蓄電池は停電時にインフラ環境を支える重要な役割を果たします。
停電時に自社の電力をどの程度まで蓄電池で賄うかにより、家庭用蓄電池か産業用蓄電池かが異なります。台風などの災害によって停電が起こった際に蓄電池で賄う範囲を決めた上でメーカーや業者に相談してみましょう。

CSRの取り組みとして蓄電池を導入する企業も増えています。昨今の脱炭素推進の潮流と台風や大雨などによる自然災害の頻発により、施設に再生可能エネルギーに加え蓄電池を持つことは脱炭素に取り組むだけでなく、エネルギー供給機能を備えた防災拠点として地域にも貢献することができます。

まとめ

いかがでしょうか?
蓄電池を導入することは電気代削減だけでなく、脱炭素への取り組みやBCP対策などさまざまなメリットをもたらします。環境や社会に配慮した経営が求められる中で太陽光発電と蓄電池を導入することは企業のイメージアップにつながります。
蓄電池は導入費用の課題を抱えていますが、産業用蓄電池と太陽光発電の導入費用を支援する補助金が利用できる場合があります。検討の際は補助金も併せてご確認いただくと良いかもしれません。太陽光発電の導入に利用可能な補助金についてはこちらの記事で解説しています。ぜひご覧ください。



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