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蓄電池の寿命は何年?蓄電池を長持ちさせる方法もご紹介!

ブログ 2022.08.31

蓄電池

太陽光発電に併せて普及が進んでいる蓄電池は、電気代削減、環境貢献、災害対策面で大きなメリットをもたらします。蓄電池の導入を考えている方の中には、蓄電池の寿命がどれくらいか気になる方もいるのではないでしょうか。

蓄電池を導入するメリットに関してはこちらの記事をご覧ください。

この記事では、蓄電池の寿命について目安となるサイクル数から、寿命を過ぎてしまった蓄電池は使い続けられるか、長持ちさせる方法についてご紹介します。
蓄電池を検討する際にお役立てください。

蓄電池の寿命は何年?

現在主流となっている家庭用蓄電池で使用されているリチウムイオン電池の寿命は10年から15年が目安といわれています。
蓄電池の寿命には、蓄電池の種類や容量、サイクル数が関係します。蓄電池の種類にもよりますが、容量もサイクル回数も多い方が蓄電池の寿命が長くなる傾向にあります。
また、「蓄電池 寿命」と検索すると法定耐用年数の6年という数字をみかけます。これは、税制上価値がなくなるまでの期間を示しており、実際の寿命とは大きく異なるため注意が必要です。
法定耐用年数とは、国税庁が機械などの固定資産の価値が消失する期間として、固定資産税を計算するために法的に定められた年数のことを指します。

蓄電池の寿命は「サイクル数」で決まる

蓄電池の寿命は「サイクル数」が1つの目安となります。

サイクル数とは

サイクル数とは、充電と放電を1セットとして、何回充放電を繰り返すことができるかを表す単位を指します。1サイクルのカウント方法は、蓄電池が空の状態からフル充電を行い、そこから空になるまで使用すると1サイクルとしてカウントされます。つまり、蓄電池の残容量が0%の状態から100%まで充電し、そこから0%になるまで放電するという1往復が1サイクルとなります。
このサイクル回数が多い蓄電池ほど長い期間使用することができます。
蓄電池は充電と放電を繰り返し行いますが、一般的に残量0%の完全放電を行うことはありません。完全放電をしてしまうとそのバッテリーは機能しなくなってしまうため、残容量は30%〜50%のあらかじめ蓄電池に設定された残量までしか放電されません。つまり、使用していく上で充放電1回行っても1サイクルには達することはなく、充放電を繰り返した積み上げによってカウントされます。
蓄電池の1サイクル

蓄電池容量とサイクルの関係

サイクル数の他に、蓄電池の寿命には容量も関係します。蓄電池によって賄う電力量にもよりますが、容量が小さいもので1日2サイクル使用するよりも容量が大きいもので1サイクルで使用した方が規定のサイクル数に達するまで時間を要するため長寿命であることがわかります。
家庭用蓄電池で使用されているリチウムイオンバッテリーのサイクル数はメーカーや機種によって大きく異なりますが、一般的な蓄電池で4,000〜8,000サイクルとなっています。
一般的にスマートフォンの小型の蓄電池が約500サイクルなので、8倍から16倍以上の寿命であることがわかります。

蓄電池メーカーの保証年数が寿命の目安

各蓄電池メーカーによって同じ容量・性能だったとしても寿命の計測方法が異なる他、パワーコンディショナーがハイブリット型・単機能型かによってもサイクル数が変わります。そこで、蓄電池の寿命の目安となっているものが、メーカー保証年数です。
一般的に蓄電池の寿命というと、このメーカー保証年数を思い浮かべるでしょう指します。
実際に保証年数がどのようになっているのか、いくつか蓄電池メーカーの設定値をみてみましょう。

メーカー HUAWEI シャープ ニチコン オムロン
型番 LUNA2000-10-NHS0 JH-WB2021 ESS-U4M1 KP-BU98B-S
充放電サイクル 12,000 12,000 非公表 11,000
保証年数 10年無償・15年有償 10年無償・15年有償 10年無償・15年有償 15年無償
保証容量 50%以上 60%以上 50%以上 60%以上

表からわかるように、無償・有償の違いはあれど、どの蓄電池メーカーも10年もしくは15年を保証年数として設定しています。
つまり、蓄電池の寿命は、10年・15年が1つの目安といえるでしょう。

蓄電池の種類によって寿命が異なる

電池の原材料によってサイクル回数が異なり、目安となる寿命も異なります。

鉛蓄電池

鉛蓄電池とは、日本で最も古い蓄電池です。現在でも主力の蓄電池として自動車のバッテリーやバックアップ電源として使用されています。
鉛蓄電池のサイクル数は3,150回、寿命の目安は17年と長期に渡ります。
鉛蓄電池は、他の蓄電池に比べて高い電圧を取り出すことができ、原料の鉛が安定した価格で入手できるため本体価格を抑えられます。他の蓄電池よりも大型になっているため一般家庭への設置は困難となっています。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、スマートフォンやノートPCに使用され、家庭用蓄電池の内蔵電池の中で最も使われている電池です。
蓄電池は容量を大きくすると蓄電池本体も大きくなりますが、リチウムイオン電池はエネルギー密度が高いため、軽量かつコンパクトで大容量な蓄電池として活用されています。
しかし、原料となるレアメタル(マンガン・ニッケル・リチウム)の価格が高いことや、長時間、高温にさらされると運転効率が落ちるほか、極めて稀ですが発火・爆発するリスクもあります。

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、リチウムイオン電池の登場によって活躍の場は大きく減りましたが、今でも乾電池タイプの蓄電池として活用されています。
ニッケル水素電池のサイクル数は2,000回、寿命の目安は5年から7年と蓄電池の中では最も短い寿命となります。

NAS電池

NAS電池とは、ナトリウム硫黄電池の原理に注目し、株式会社日本ガイシと東京電力が共同で開発し、世界で初めて実用化した大容量蓄電システムを指します。産業用蓄電池として大型施設や工場などの停電対策として導入されています。
その特長は大容量、高エネルギー密度、長寿命が特徴で、鉛蓄電池と遜色ない長寿命に加えて、必要な体積は約3分の1とコンパクトさにも優れています。
このNAS電池のサイクル数は4,500回で寿命は15年とされています。この性能から注目度の高い蓄電池とされていますが、原材料のナトリウムや硫黄が危険物に指定されている上、作業温度を300度に維持する必要があるなど取り扱いに注意が必要です。

全固体電池

全固体電池とは、電流を発生させるために必要な「電解質」を液体から固体にした仕組みの電池のことです。この全固体電池は、構造や形状が自由で柔軟な電池が可能な他、電池が固体のため丈夫で熱や環境変化に強いなどの特長が挙げられます。エネルギー密度はリチウムイオン電池の3倍で、充電にかかる時間は3分の1に短縮できると見込まれています。

蓄電池が寿命を過ぎたらどうなるのか

メーカーが提示している蓄電池の保証期間は、機能を失うまでの期間ではなく蓄電容量が減少するまでの目安となっているため、メーカー保証期間を超えても使えなくなる訳ではありません。蓄電池に異常がなければ使用し続けることは可能ですが、蓄電池の充電可能な最大容量が減ったり、使える時間が短くなるなどの性能が低下する症状が出てきます。
蓄電池は使用するにつれてバッテリーの最大容量が徐々に減少していきます。減少率はメーカーや製品、設備の周辺環境や使い方により異なりますが、保証期間を過ぎる頃には蓄電池の容量は50%〜70%程度まで減少します。50%〜70%の容量があれば蓄電池としての機能は十分果たされますが、利用効率が悪化して当初のような効果は期待できなくなります。さらに、電子部品の多い蓄電池は、内部の基盤や周辺機器が先に寿命を迎える可能性があります。
蓄電池を長く利用するためには、定期点検やメンテナンスを行って蓄電池の状態を把握しておく必要があります。

蓄電池の寿命を延ばす5つのポイント

高温・低温の環境下での利用を避ける

蓄電池は、電解液の化学反応を利用して電流を発生させているため、高温下・低温下を苦手とします。
家庭用蓄電池で利用されているリチウムイオン電池の最高許容周囲温度は、約45℃といわれています。高温の環境下に置くと、電解液の化学反応速度が上がります。反応速度が上がると電池容量は一時的に増加しますがサイクルを繰り返すと一般的なサイクルよりも早く蓄電容量がなくなってしまいます。
一方、低温の環境下での蓄電池は、容量が低下する傾向にあります。リチウムイオン電池の電解液の温度が下がるほど化学反応速度が下がります。反応速度が下がることで容量が低下します。

その他にも、湿度が高いと内部結露によって蓄電池の故障や不具合に繋がるため、湿気のこもりやすい場所も避ける必要があります。
メーカーは正常動作する温度や湿度範囲を設定していますので、その範囲を遵守した場所に設置することが大事です。蓄電池を選ぶ際は、信頼できる設置業者と緻密に打ち合わせることが大切です。

過充電や過放電を避ける

過充電とは、容量を超えるような充電を指します。過放電は放電した状態で長時間放置することをいいます。現在販売されている蓄電池は、バッテリーマネジメントシステム(BMS)によって最適化されて制御されているため、常に充電の残量があるように制御を行ってくれます。しかし、この充電残量が任意で設定できる場合は注意が必要です。
リチウムイオン蓄電池の特性として、0%まで使い切ってから100%充電する使い方よりも、常に30〜50%程度の残量を残した方が劣化スピードが小さくなります。充電がない状態で長時間放置すると完全放電の状態になり、寿命前でも再利用ができない状態になります。

1日2サイクルを避ける

蓄電池は1日1サイクルで充放電するものと、1日2サイクルで充放電をするものでは、蓄電池の寿命は変わります。蓄電池のサイクル回数は蓄電池の寿命の目安にもなるため、単純計算で寿命が半分になることが想定されます。蓄電池の容量が賄う電力量よりも小さいと1日2サイクルで充放電されます。蓄電池を1日1サイクルで使うには、使用予定の電力量よりも蓄電容量が大きい製品を選ぶとよいでしょう。

蓄電池対応の太陽光発電と接続する

太陽光発電と蓄電池を併設する際には必ず蓄電池対応の太陽光発電と接続する必要があります。蓄電池のメーカーや型式によって、対応している太陽光パネルやパワーコンディショナーのメーカーが異なります。必ずしもメーカーを合わせる必要はありませんが、設置前に機器同士の正常の動作が確認されたものを選ぶ方が良いでしょう。

まとめ

今回の記事では蓄電池の寿命に関してご紹介しました。
蓄電池の寿命にはサイクル数が関係し、メーカー保証期間が目安の1つになります。寿命が過ぎても異常がなければ使用し続けることができますが、性能が低下していくなどの症状があらわれます。
また、蓄電池にもさまざまな種類があり、家庭用蓄電池としておもに使用されているのはリチウムイオン電池が用いられています。蓄電池を最適な動作環境で、正しい利用方法で使うことが蓄電池の長持ちにつながります。

蓄電池を導入する際は、蓄電池の容量から設置場所の選定まで信頼できる業者に依頼しましょう。弊社ではさまざまな方法で電気代削減方法や脱炭素化の提案を行っております。蓄電池のご相談、電気代削減、BCP対策などぜひご相談ください。

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