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電気代が高い!2022年のいま高騰する原因を解説します

ブログ 2022.05.12

2021年から電気代が高い状態が続いています。いま現在、一般家庭や会社を問わず直面している電気代が高い原因は「燃料費調整単価の値上がり」「電気料金プランの単価上昇」「市場価格の高騰」の3つが考えられます。これらの解説とおすすめの対策方法もご紹介しますので、原因を知った上でご自分の状況に適した対策方法を試してみてください。

以下リンクから、企業が取り組める電気代削減の手法をまとめたハンドブック資料をダウンロードいただけます。今後も電気代は上昇が予想されますので、早めの対処でリスクの軽減を図ることが肝要です。

高騰する電気代に対して企業が取り得る電気代削減手法をまとめたハンドブック資料

 

 

電気代の何が高い?まずは電気料金の仕組みを知る

電気代が高い原因を探るためには、まず電気料金の仕組みを知る必要があります。
電気料金は、

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金

の大きく3つで構成されています。

基本料金は電力会社と契約しているプラン・契約容量によって、毎月定額が請求されます。電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下再エネ賦課金)は、その月の使用した電力量によって請求される従量制です。

一般的に使用電力量に応じて請求される電力量料金が電気代の多くを占める傾向にあり、電気代が高い原因も使用した電力量が多いから、あるいは電力量料金を構成する電力量料金単価と燃料費調整単価が値上がりしたからと考えられます。

電気料金の仕組み出典:資源エネルギー庁

電気料金の仕組みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。併せていかがでしょうか。

今さら聞けない「電気代の仕組み」と今後の推移

 

2022年のいま、電気代が高い3大原因

電気代が高い原因は、冒頭でもご紹介したように「燃料費調整単価の値上がり」「電力会社の料金プランの単価上昇」「市場価格の高騰」の3つが考えられます。いま取り沙汰されている電気代の高騰は、全世帯、全企業に及んでいますので、電気の使い方だけによるものではなく社会情勢による影響が大きいです。

1.燃料費調整単価の値上がり

燃料費調整単価は日本のエネルギーの大半を占める原油・LNG(液化天然ガス)・石炭といった火力燃料の価格変動を、電気料金に反映させるために存在します。日本は火力燃料のほとんどを輸入に頼っており、その価格は市場動向や世界情勢、為替レートによって絶えず変動しています。電力会社としては、こうした価格変動リスクを抑制するために、調達コストを電気料金に反映させることで調整する意図があります。

燃料費調整単価は電力量料金の構成要素で、その月の使用した電力分に応じて請求されますが、長い間マイナスでした。つまり、実質的に電気料金を割り引いてきました。ところが2021年9月から各社値上がりし続け、東京電力エナジーパートナーでは2022年2月分からプラスに転じています。

電力会社各社の燃料費調整単価の推移

それでは各電力会社の燃料費調整単価がどのように推移してきたか、東京電力(東京電力エナジーパートナー)と中部電力(中部電力ミライズ)を例に見てみましょう。

東京電力と中部電力の2014年からの燃料費調整単価の推移出所:電力会社各社資料より作成

燃料費調整単価は長い間マイナスだったと触れたように、中部電力は2015年5月から、東京電力は2015年7月からマイナスになって以降、2022年2・3月まで実に7年近くマイナスが続いていました。2021年の1・2月にはマイナス5円~マイナス6円前半まで値下がりしていましたが、この期間を底値に値上がりし続けていることがわかります。

この一年間の燃料費調整単価の値上がりによる電気代の上昇

4人世帯の月間の電気使用量は、総務省統計局の調査によると400kWhが平均値のようです。これを参考に燃料費調整額だけで、この一年間にどれだけ電気代の上昇があったのか計算してみます。

4人世帯
東京電力
電気使用量 燃料費
調整単価
燃料費
調整額
月間負担 年間負担
2021年4月 400kWh -4.32円/kWh -1,728円 +2,636円 +31,632円
2022年4月 2.27円/kWh 908円

季節の違いによる電気使用量の変化は考慮していない点に留意が必要ですが、この一年間で使用電力量が同じでも月間2,600円、年間では3万円を超える電気代の高騰が発生しています。ライフスタイルが大きく変わったわけではないのに電気代が高くなったと感じる方は、電力会社からの電気料金の検針票・領収証、またWEB上でも閲覧が可能ですので、電気の使用量と乗算されている単価を確認してみてください。

電力会社5社で燃料費調整単価が上限に達する

2022年4月時点で、北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の5社で燃料費調整単価が上限に達しました。燃料価格が今後も高騰するようであれば、その分のコストは電力会社自らが負担することとなります。消費者にとっては、これ以上の値上がりは一応止まったと言えますが、今後高止まりの可能性もあるため安心はできません。
6月からは東北電力も上限に達するとしています。

燃料費調整単価はなぜ値上がりしている?

前述のとおり燃料費調整単価は、原油・LNG・石炭の取引価格や為替レートによって変動します。2022年4月時点での原油価格は1バレルあたり$100を超えており、ここ数年における最高値、直近10年間でも最高値の水準にあります。ここ数年の原油価格は2020年4月を底値に現在まで値上がりが続いており、2022年1月からは値上がり率が上昇していることから、燃料費調整単価も連動して値上がりが続いています。

原油価格の高騰は世界経済にコロナパンデミックからの立ち直りがみられること、主要産油国が限定的な増産に留めていることが挙げられています。

2003年から現在までのOPECバスケット価格の推移|原油価格推移

出所:経済産業省資料より作成

※OPECバスケット:OPEC諸国の代表的な原油価格を加重平均した値

 

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2.電力会社の料金プラン

2つ目の原因には、電力会社の電気料金プランの値上げが考えられます。前述のように、電気料金は定額制の基本料金と従量制の電力量料金、再エネ賦課金で構成されています。電力会社が基本料金単価と従量料金単価を値上げすると、電気代にダイレクトに反映されます。

2016年の電力小売全面自由化により、一般家庭でも大手電力会社以外の新電力と電力契約を結べるようになりました。新電力各社は大手電力会社よりも安い料金プランや市場連動型のプランを展開することで顧客を獲得してきましたが、昨今の電力市場の混乱やウクライナ情勢を受けた火力燃料調達コストの上昇により、料金プランの値上げ、サービスの停止、また電力事業から撤退する新電力も相次いでいます。

新電力だけでなく、大手電力会社各社も2021年下半期頃から時間帯別料金プランの従量料金単価を調整することで、実質的な値上げに踏み切っています。

電力会社各社の料金プラン値上げ状況

Looopでんき

Looopでんきは基本料金が無料という画期的な料金プランで、競争の激しい電力業界でも着実にシェアを伸ばしています。
2022年4月末の公式ウェブサイトでのお知らせによると、基本料金0円は変わりませんが、一般家庭向けのプランでは従量料金が1.50円/kWh~4.20円/kWh、企業向けのプランでは1.30円/kWh~3.60円/kWhの範囲で値上げされます(供給エリアによって異なる)。この料金改定は2022年6月1日から実施されます。

楽天でんき

IT大手の楽天グループが運営する楽天でんきも、基本料金が無料の料金プランを展開し、自社サービスで使用できる楽天ポイントが還元される点が魅力の新電力です。
2022年3月末の公式ウェブサイトでのリリースによると、Looopでんき同様、基本料金0円およびポイント還元率に変更はないものの、従量料金が値上がりします。一般家庭向けのプランでは1.20円/kWh~4.20円/kWh、企業オフィス向けのプランでは1.30円/kWh~3.20円/kWの範囲で値上げされます(供給エリアによって異なる)。この料金改定は2022年6月1日から実施されます。

テプコカスタマーサービス

テプコカスタマーサービスは東京電力エナジーパートナーの子会社で、公式ウェブサイト等では具体的な料金プラン値上げの情報はありませんが、同社と契約している企業には4月上旬に、2022年7月に大幅値上げする旨を書面で通知したようです。

企業向け契約プランのほとんどが新規受付停止

上記で取り上げたのはほんの一例で、すでに数多くの新電力が値上げを実施、あるいは実施することを契約者に通達しています。これを受け、電力会社を乗り換えようとする消費者が現在も後を絶ちませんが、電力供給が厳しいのはどこの電力会社も同じであるため、契約内容によっては新規の受付を停止する電力会社も出始めています

企業向けの契約では2022年1月に中部電力ミライズが新規受付を停止したことを皮切りに、新電力各社も相次いで新規法人契約の受付を停止しており、2022年4月末時点で新電力の電力供給量の80%を担う全54社が停止しています。新電力だけでなく北海道電力と沖縄電力を除く大手電力会社7社も停止しています

こうした状況から、電力会社を乗り換えたくても乗り換えられず高額な電気料金を支払い続ける「電力難民」という言葉まで生まれてしまっています。新規受付が停止されているのは高圧・特別高圧の法人契約ですが、状況が長引くようであれば一般家庭が契約する低圧にまで影響が及びかねません。

市場連動型の料金プラン

一般的な電気料金プランでは従量料金単価は定額で、その月の電気の使用量に乗算して請求されます。しかし、新電力の中には、従量料金単価が卸電力市場(JEPX)の取引価格に応じて変動する料金プランを採用している会社もあり、このプランは「市場連動型プラン」と呼ばれています。

市場連動型プランのメリットは、JEPXの取引価格が低額であったりライフスタイルを工夫したりすることで、一般的な定額プランよりも電気料金を安く抑えることができる点にあります。逆にデメリットは、電気料金がJEPXの取引価格に大きく依存しているため、取引価格を定期的にチェックしなければならない点と、取引価格が高騰すると、高額な取引価格が電気料金にそのまま反映されてしまう点です。

後者のデメリットは、2021年の初頭にJEPXの取引価格が異常な高騰を見せたために、世間一般にも広く知られることとなりました。ニュースでも連日報道されていましたので、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

現在は当時ほどではありませんが、以前はkWhあたり10円未満で取引きされていたものが、現在は10円後半から20円前半、時間帯によっては30円を超えることもあり、依然として高い水準での取引が続いています。この状況では市場連動型プランのメリットはありませんので、可能であれば定額プランへの切り替えを強くおすすめします。

3.市場価格の高騰

3つ目の原因は卸電力市場(JEPX)の取引価格の高騰です。
新電力を含めた電力会社が電力を調達するための方法には、①自前の発電所を所有する②市場で購入する、の2つが挙げられます。東京電力エナジーパートナーなどの大手電力会社(旧一般送配電事業者)は自前の火力発電所や原子力発電所、水力発電所、メガソーラーなどを所有しており、自社で安定して電力を生み出すことができます。新電力でもこれら発電所を所有している会社はありますが、契約者の総電力需要を補えるほどの生産能力を持っている新電力はなく、新電力各社は必要な電力のほとんどを市場取引で購入しています。

となると、前述のように、以前は10円未満で取引されていた電力が、現在では10円後半から20円、30円と高額で取引されているため、新電力各社の電力調達コストは倍以上に膨れ上がっていることとなります。コストの大幅増に耐え切れずサービスを停止したり、事業から撤退したりする新電力が相次いでおり、何とか踏みとどまってサービスを提供し続けている新電力であっても、コスト増を回収するために電気料金プランの値上げを実施せざるを得ないのが現状です。

JEPX取引価格の推移

電力の市場取引価格の推移をグラフでご紹介します。

JEPXの2020年4月から2022年4月までのスポット日平均価格推移出所:JEPX市場取引結果より作成

市場での電力の取引は30分単位で行われており、一日で48回の取引が行われています(スポット取引)。上図は2020年4月1日から2022年4月30日までの各大手電力会社のスポット価格を一日に均し、日単位でグラフ化したものです。

真っ先に目が行くのは2021年1月期の価格で、市場連動型プランの項でも触れたように、取引価格が異常な高騰を見せた時期です。約2か月間にわたった高騰は2月に入ると沈静化しましたが、2021年9月下旬からは現在まで続く長期間の市場価格の高騰が発生しています。2021年の年末年始を除けば、比較的安定していた電力の卸価格が高騰しているだけでなく、日によって変動が激しいことがわかります。

 

日本卸電力取引所(JEPX)については、以下の記事でも詳しく解説しています。JEPXの取引の仕組みや役割をご紹介しています。

日本卸電力取引所「JEPX」とは?電力市場の仕組みがわかる!

 

電気料金は今後も上昇傾向にある

ここまで電気代が高い原因をご紹介してきましたが、残念ながら電気料金は今後もしばらく高騰あるいは高止まりしていく可能性が高いと予想されます。その背景には「再エネ賦課金単価の上昇」「ウクライナ情勢」「高止まりするJEPXスポット市場」があります。

再エネ賦課金単価の上昇

太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーは、導入を促進させるために大手電力会社が発電された電力を買い取っており、この買い取りに要している費用を、日本国内すべての電気の需要家が再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)として負担しています。再エネ賦課金は毎年単価が決まっており、その月の使用電力量に乗算されて請求されます。

再エネ賦課金は2012年に導入されて以降、毎年上昇し続け、2022年5月からはkWhあたり3.45円となっています。

再エネ賦課金単価は年々値上がりしてきたことから、これまでも電気代が高い原因の1つでしたが、今後も再生可能エネルギーの導入は進んでいくことから、再エネ賦課金単価は上昇していくと予想されます。

2022年までの再エネ賦課金単価の推移のグラフ出所:資源エネルギー庁資料より作成

ウクライナ情勢

2022年2月下旬に勃発したウクライナ危機は、世界のエネルギー事情にも大きな影響を及ぼしています。ウクライナに攻め入っているロシアは、火力燃料の世界的な産出・輸出国で、地続きの欧州とは天然ガスのパイプラインが網の目のように張り巡らされ、欧州にとってロシアは重要な火力燃料の供給源でした。しかし、2022年3月以降は西側の欧州各国が足並みを揃えてロシア産のエネルギーを締め出したため、世界的なエネルギー供給の混乱に発展し、火力燃料の価格が高騰しています。

日本は国民生活や事業活動への影響を最小化するために、時間をかけて段階的にロシア産火力燃料を廃止していくとしていますが、ウクライナ危機を起因とする火力燃料価格の高騰は、すでに燃料費調整単価の値上がりとして電気料金の高騰に影響を及ぼしています

原油価格と燃料費調整単価の相関関係グラフ出所:経済産業省および電力会社各社資料より作成

上図は、原油価格(OPECバスケット)と東京電力および中部電力の燃料費調整単価の相関関係をグラフ化した図です。原油価格が下落すれば燃料費調整単価も下落し、原油価格が上昇すれば燃料費調整単価も上昇していることがわかります。下落には3か月から6か月強のタイムラグがあるのに対し、上昇には3か月未満、とりわけ2021年12月からの原油価格の上昇にはどちらの電力会社の燃料費調整単価もほぼ同じタイミングで上昇している点は興味深いです。

2020年5月以降続いていた原油価格の上昇は、2021年12月に一度下落しその後の2022年1月にも下落していましたが、翌2月のウクライナ危機を受けて再度跳ね上がり現在まで高騰しているように、ウクライナ情勢の影響が目に見えて受け取れます。ウクライナ情勢は今後も先が見通せず、国際社会からのロシアの締め出しも終わりが見えないことから、不透明な情勢による市場の混乱は続いていくと予想されます。

高止まりするJEPXスポット市場

JEPXの高騰は、国際的な資源価格の高騰が最初の要因となり、そこにウクライナ情勢が追い打ちをかけている状況です。資源価格の高騰とウクライナ情勢のどちらも先行きが不透明であるため、JEPXの高騰についても今後の動向は不透明です。

加えて状況を難しくしているのは、自前の発電所を所有する大手電力会社と発電所を持たない新電力との間にある歪んだパワーバランスだとされています。大手電力会社は調達コストが高騰していても、自社で発電した電力を市場に供給できるため、収益を確保するための手段がありますが、新電力はその手段がなく調達コスト高騰の影響を抑制する手段がありません。電力自由化といえど、地力があり体力もある大手電力会社が市場を牛耳っている状況に変わりはなく、開けた自由な競争は存在しません。市場における大手電力会社の影響力が相対的に小さくならないと、今の状況を乗り越えたとしても、元の10円台後半の取引価格に落ち着くかは不透明なままです。

 

おすすめの電気代節約方法|太陽光発電で自家消費

最後に、高い電気代を節約するおすすめの方法をご紹介します。
エアコンや冷暖房器具などの消費電力が大きい家電を、より省エネ効果の大きい製品に買い替えたり、設定温度を抑えたりすることももちろん効果的でおすすめなのですが、電気代が高いなら電気を買わなければいいのです。

太陽光発電を設置して発電した電気を自家消費すれば、その自家消費分は電力会社から電気を購入しないで済み、電気代を節約できます。蓄電池も併設すれば、昼間に使い切れなかった電力を貯めておき、夕方以降に放電することでさらに電気代を節約できるのでおすすめです。夜間の安い電力を貯めておき、昼間に放電するという使い方もおすすめです。

ご紹介した自家消費型太陽光発電については、以下から概要資料を無料でダウンロードいただけます。よろしければご参考ください。

自家消費型太陽光発電システム概要資料

また、企業が導入する場合には、設備費を補助する補助金と節税に使える税制優遇制度が設けられています。令和4年度に使える補助金・税制優遇をまとめた資料も、以下から無料でダウンロードいただけます。

令和4年度補助金・税制優遇活用資料

【令和4年度補助金】太陽光発電導入で活用できる補助金

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