お客様インタビュー|千曲精密工業株式会社様(自動車部品製造)|静岡県浜松市
お客様インタビュー 更新日: 2026.01.05

自動車のエンジン周りやブレーキ部品、トランスミッションなどの精密加工を行う千曲精密工業株式会社様。
材料の購入から熱処理、加工、研磨、そして最終検査までを自社内で完結させる「一貫生産体制」を強みに、長年自動車産業のサプライチェーンを支えてきました。
昨今の電気代高騰と、業界全体で加速するカーボンニュートラルへの動きを受け、同社の第二工場(浜松市浜名区)にて自家消費型太陽光発電システムを導入いただきました。
導入の背景や業者選定の決め手、そして特殊な設備を持つ工場ならではの課題と今後の展望について、導入を担当された後藤様にお話を伺いました。
事業紹介:EV化を見据えた「一貫生産」の強み
(スマートブルー担当者、以下SB担当者)
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。まずは、改めて御社の事業内容と強みについてお聞かせいただけますでしょうか。
(千曲精密工業株式会社 後藤様、以下後藤様)
私たちは金属製品の加工を行っており、これまでは主に自動車のエンジン周りの部品を多く手掛けてきました。
最近では電気自動車(EV)へのシフトに伴い、エンジン部品が減少傾向にある中で、ブレーキ周りの電動システムに使われる「ボールねじ」などの加工に注力しています。
当社の最大の強みは、「一貫生産」ができる点です。
通常、金属加工と熱処理は別の会社が行うことが多いのですが、当社では自社工場内に熱処理設備を持っています。これにより、材料の購入から熱処理、切削加工、研磨、そして最終検査までを全て社内で完結させることができます。お客様にとっては、品質管理を一元化でき、リードタイムの短縮にもつながる点がメリットだと自負しています。
(SB担当者)
熱処理まで社内で行うのは珍しいですね。
(後藤様)
そうですね。熱処理は「特殊工程」と呼ばれる分野で、品質管理が非常に難しく、設備投資も高額になります。しかし、あえてその工程を内製化することで、他社との差別化を図ってきました。これからは、この一貫生産のノウハウを活かし、EV化の流れの中で求められる高精度な部品製造にシフトしていきたいと考えています。
導入のきっかけ:電気代高騰と脱炭素の潮流
(SB担当者)
今回、太陽光発電を導入された一番のきっかけは何だったのでしょうか。
(後藤様)
一番大きかったのは、やはり「電気代の高騰」です。
特に2021年頃からの燃料費調整額の高騰、その後のロシア情勢の影響などで、電気代が一気に跳ね上がりました。当社の3工場を合わせると、ピーク時には電気代だけで年間1億円近くかかってしまうような状況になり、経営的にも「これは真剣に取り組まないといけない」という危機感が生まれました。
また、自動車業界全体として「カーボンニュートラル」への取り組みが必須になってきていることも背景にあります。
これまでは大手メーカー様が中心でしたが、最近では私たちのようなサプライヤーに対しても、取り組み状況の調査が来るようになりました。近い将来、脱炭素への取り組みが取引条件(マスト)になってくることは明白ですので、会社としてもしっかりと行動を起こす必要がありました。
(SB担当者)
コスト削減と環境対応、まさに待ったなしの状況だったのですね。
(後藤様)
実は10年近く前にも一度、太陽光発電の導入を検討したことがあったんです。当時は売電単価が高かった時期でしたが、パネルの価格も高く、投資対効果が見合わずに断念しました。
しかし今回は、電気代が上がったことで自家消費が一般的になり、コストメリットが出やすくなったことで導入に踏み切りました。

選定の理由:決め手は「補助金の知識」と「対応力」
(SB担当者)
数ある業者の中で、弊社(スマートブルー)を選んでいただいた理由をお聞かせください。
(後藤様)
ちょうど導入の検討を始めた頃に、スマートブルーさんが開催された「補助金活用セミナー」に参加したことがきっかけです。
当時から国や県の補助金制度について非常に詳しく、情報を持っていらっしゃる印象がありました。今回、本格的に導入を検討するにあたり、補助金を活用して自己資金(自家消費型)で導入したいと考え、改めて相談させていただきました。
比較検討として、大手メーカー系や施工会社など計3社で検討しましたが、スマートブルーさんが一番、こちらの要望に対する提案の幅が広かったです。
(SB担当者)
具体的にどのような点が良かったでしょうか。
(後藤様)
当時はBCP(事業継続計画)の観点から蓄電池の導入も迷っていました。そうした中で、3社から蓄電池を含めたご提案をいただく中で、スマートブルーさんが蓄電池の選定や設計などの提案が丁寧で導入後のイメージがつくような提案をいただきました。
最終的に「今の蓄電池の性能と価格なら、今回は見送って太陽光単体の方が費用対効果が良い」と、私たちの実情に合わせて親身に寄り添っていただきました。
補助金の申請サポートも含め、親身になって相談に乗ってくれた点、そしてレスポンスの早さが決め手になりました。
また、実際に工事に入ってくれた職人さんたちの質も高かったですね。私自身、昔は電気工事の現場にいたことがあるので、施工を見る目は厳しい方だと思うのですが(笑)、配線の処理や作業手順など、非常にきっちりと仕事をされていて安心しました。

導入後の効果と今後の課題
(SB担当者)
稼働から約10ヶ月が経ちますが、効果はいかがでしょうか。
(後藤様)
毎月の発電量と消費量を確認していますが、当初のシミュレーション通りの数字が出ています。自家消費率も高い水準を維持できており、コスト削減効果を実感しています。
ただ、課題もあります。先ほどお話しした「熱処理炉」の電気使用量が非常に大きく、しかも一度稼働させると長時間高い温度を維持しなければなりません。この熱処理炉が稼働する際の最大電力(デマンド)を太陽光だけで抑えるのは、天候に左右されるため難しいというのが現実です。
現在は、炉の稼働時間を調整するなど運用面での工夫をしていますが、今後はさらに効率的なエネルギー運用が必要だと感じています。
社会から求められるものを作り、「本物の技術力」で生き残る
(SB担当者)
脱炭素への取り組みと合わせて、事業そのものの今後の展望や、注力していきたい分野についてもお聞かせください。
(後藤様)
先ほどお話しした「一貫生産」や「熱処理」も、元々は他社との差別化を図るために取り入れたものでした。しかし、ただ設備があれば良いかというと、そうではありません。
今後は、電動油圧ブレーキなどに使われる「ボールねじ」などの製品にシフトしていく方針ですが、これらは等級や精度も幅広く、非常に奥が深い製品です。ここでもやはり、単に作るだけでなく、専門的な知識や経験を積み上げ、質を高めていく必要があります。
昔と違い、大量生産品や簡単な加工品は、コストの安い海外へどんどん流出してしまいます。だからこそ、国内で生き残るためには、一筋縄ではいかないような難しい加工や、高精度な製品を、利益が出る形で作れるようにならなければなりません。
(SB担当者)
難易度の高い製品こそが、国内製造業の活路になるということですね。
(後藤様)
はい。「うちじゃないとできない」「千曲精密工業に頼まないと作れない」と言っていただけるような、代えのきかない技術力が必要です。
社会から求められる高い要求に応え、設備という強みを「本物の力」として身につけていくことが、これからの私たちの課題であり、目標だと考えています。

【企業概要】
千曲精密工業株式会社
静岡県浜松市を中心に、自動車用精密部品の開発・生産を行う。冷間鍛造から切削、研磨、熱処理までの一貫生産体制を確立し、高品質な製品を供給している。
http://chikuma-s.co.jp/






