お客様インタビュー|株式会社中島製作所様(金属部品加工)|愛知県安城市
お客様インタビュー 更新日: 2024.10.24
時代の変化とお客様のご要望に
独自の技術で柔軟に応えていく
脱炭素もその選択のうちの一つ
(代表取締役)中島 守彦 様 ・(取締役営業部長)中島 慎悟 様
電子部品実装ロボットの部品製造や工作機械部品の製造などの金属部品加工を得意とされている株式会社中島製作所様。お取引様がカーボンニュートラルの取り組みを進められる中、CO₂削減とあわせて電気代の削減を目的に太陽光発電システムを導入いただきました。
中島社長と中島取締役のお二方に、自家消費型太陽光発電システムの導入検討に至ったきっかけや今後の方針をうかがいました。
事業紹介
(スマートブルー 担当者 以下、SB担当者)
この度は弊社から太陽光発電設備を導入いただきまして、誠にありがとうございます。導入後のインタビューにもご協力いただけるということで、初めに事業についておうかがいできればと思います。
(中島製作所 取締役営業部長 中島慎悟様 以下、中島取締役)
はい、こちらこそありがとうございます。
弊社は金属部品加工を得意としているモノづくりの会社で、創業55年になります。受け継いできた技術の追求と、お客様にご満足いただけるモノづくりをモットーとしています。
時代の移り変わりに合わせて、やっていることは変わっています。立ち止まらずに、もっと良いものを作れないかと、いつの時代も追及してきました。

独自技術によるほかにない高精度な製品づくりが強み
(SB担当者)
製品の移り変わりといいますと?
(中島取締役)
昔は手のひらサイズのどこでも作れるような製品を作っていたのですが、最近はより手のかかるもので、高精度な製品を手掛けるように、独自の技術を活かしたモノづくりに変わってきています。
どこでもできるものだと、コスト面で海外製に負けてしまいますので、独自性への特化を強化しています。


次世代への責任と電気代削減が導入のきっかけ
(SB担当者)
太陽光発電を導入されたきっかけをおうかがいできますでしょうか。
(中島取締役)
今回は工場の新設にあわせて導入をしました。お客様からカーボンニュートラルのお話しをいただく機会が増えてきまして、炭素税ですとか、われわれ世代だけでなくこれからの世代に関わる問題で、良い環境を整えてあげたいという思いがありました。
ほかにも、経営的な判断で電気代を削減したいという思いも当然ありました。
(SB担当者)
電気代高騰の影響はいかがでしたか?
(中島取締役)
大きかったですね〜。kWh13〜14円くらい上がっていたので、非常に大きな影響がありました。機械はずっと動いていますので、作れば作るほど影響を受けることになってしまいます。
そこで太陽光発電というのは、現実的な解決策になってくれていると思います。

CO₂排出のScopeも算出|今後はより精度を上げ社内への浸透も図っていく
(SB担当者)
脱炭素に取り組む企業ばかりではない、というのが実情としてあるとは思うのですが、そうした中でもカーボンニュートラルを目的とされて導入された背景をさらにうかがえれば・・・
(中島取締役)
東証プライムの事業者にTCFDの開示義務が求められるようになって、そういったお客様は海外を見据えた視点で見てきますので、その視点に合わせていく必要があります。そこで取り組んだ方がいいなと感じていました。
CO₂の排出量はScope1と2を算出しています。3は複雑でお客様と一緒にやっていますが、複雑なので擦り合わせながらやっていく必要があると思っています。
現状、CO₂の排出量は売上を基準で出していて、売上×原単価=CO₂排出量としていますが、これがどこまで正しいのか。ざっくりとしすぎているので、正しい数値を出すために、もう少し違う形で、省エネとかガソリンの節約とか、コスト面での経営への良い点も踏まえながら同時にCO₂削減も図っていきます。
(SB担当者)
素晴らしいお取り組みだと思います。Scopeまで出されている企業様はそう多くないと思います。脱炭素はいつ頃から始められたのでしょうか?
(中島取締役)
2年くらい前から、お客様からの働きかけがあってからですね。Scopeは初めて一年くらいです。こちらもお客様からのご要望ですね。
お客様が求められているレベルを満たしつつ、社員にも浸透させていくことが大事ですよね。前向きな人も、あまりそうではない人もいる中で、理解を深めてもらうための活動も同じく取り組んでいきます。
担当者の頑張りが一番の決め手だった
(SB担当者)
次に弊社をお選びいただいた理由をお聞きできればと思っています。
(中島取締役)
担当者の方の頑張りが一番の決め手ですね。新設工場への設置ということもあって、長い時間がかかった中で、スマートブルーさん以外にもお話しを聞いていたんですが、ずっとアプローチをしていただいたのがスマートブルーさんでした。説明も丁寧でわかりやすかったです。
費用の面も当然ですが、長く付き合っていただいたのが一番良かったですね。
(SB担当者)
ありがとうございます。担当者として嬉しい限りです。補助金の申請をご自身でやってくださったことは、私としても助かった点でした。
設置後の感想や効果
(SB担当者)
設置後1ヶ月くらいですが、いかがでしょうか。何か効果など実感されていることはありますか?
(中島取締役)
思っていたよりは、日中は太陽光の電気だけで賄えていると思います。エアコンは温度を下げていますが、これをどこまで上げられるかは今後の検証かなと。
太陽光では賄えない夕方から夜間にかけても電気を使っているので、そこをどうするかは今後の課題ですね。あとは、曇りの日でも多少発電はあるんだなと知りました。
(SB担当者)
従来のパネルよりも低照度でも発電するモデルのものを採用しています。現状の数値を見ると、使用電力量のうち40%以上を自給しているようです。
(中島取締役)
電気のグラフを見ていると、電気使用量が突然跳ね上がる時があるんですが、それは・・・
(SB担当者)
そのタイミングで機械の始動があって、瞬間的に大きな電気が流れたのだと思います。
(中島取締役)
そこの跳ねるところを抑えることができれば、電気代を下げられるんですよね。でも何の機械かわからないからなあ・・・
(SB担当者)
EMSを入れるとおそらくできるので、今後もし需要がありましたら。

今と将来にいいものであること・一種の博打でもある
(スマートブルー 代表取締役 塩原太一郎 以下、SB塩原)
いろいろな経営者さんと意見を交換する中で、欲しい時に人を採用できない、人は本当に大きいというお話をよくします。学生の採用を頑張っているが、学生は実態よりもイメージを優先する傾向にあると思っています。
そうした中で、御社が取り組んでいらっしゃる健康経営、そして脱炭素はイメージ戦略の一つになり得ると思います。
採用の面で、同じ製造業でも積極的に取り組んでいるところとそうでないところ、その差が求職者にとって選択理由になるはずです。社屋も新しくてすごい綺麗ですし、今はすごい良い流れに乗っているのではないかなと思っています。
(中島製作所 代表取締役 中島守彦様 以下、中島社長)
今後はそういった流れに乗っていかないと生き残っていけないと思っています。
前の古い社屋では設備の拡張の余地がなく、現状以上の売上の向上が難しい事情がありました。維持はできるかもしれませんが、今後数十年やっていくことを考えた際に、現状維持の可能性はありませんでした。
今回の太陽光は脱炭素ももちろんありますが、まず第一に経営にとっていいものかどうかが一番です。将来展望を見据えることは大事ですが、同時に足元も見ないとなりません。その足元にもいいもので、将来的にもいいものであること、それが大事です。なので、まだ割高な印象のある蓄電池は今回は見送りました。
言い方は悪いですが、一種の博打でもあると思っています。やるかやらないかを考えた際に、生き残っていくためには何かやらないとならないので、今と将来にいいものであることを意識しています。博打を打たないと勝てず、その博打にも勝っていく必要があります。
今のまま続けていく現状維持は現状維持ではないので、そこに大きな投資を打つのか、小さくまとまっていくのか、そこは経営者の判断ですよね。M&Aでボンと売ってしまった方が楽ですし、すぐお金になりますが、それは経営者としてやっぱり選択できません。
(SB担当者)
今年で3年目なんですが、就活の時はずっと同じやり方ではなくて、時代とともに変わっていく会社がいいと思っていました。個人的にそういった姿勢はすごい大事に感じます。
(中島社長)
変わるというのは色々あると思います。経営者がどんな変化を求めるのか。
弊社は創業当初はシリンダーという製品を作っていましたが、その後部品加工に移り変わっていきました。そこである程度の成長があって、少し時間が経って、また違う製品を作っての繰り返しで、山と谷の浮き沈みがある中で、ずっと同じ製品を作っているのではダメで、お客様の要望にどこまで応えられるか、その変化で製品も柔軟に変えていくことが求められます。

働きやすさも担保しつつ生産性も上げていくことへの挑戦
(SB塩原)
最後に、製造業全体として、良い方向に動いているという感覚はございますか?
(中島社長)
特にありませんね。
(SB塩原)
業界全体で感じていることは何でしょうか?
(中島社長)
これだけ円安を進めている中で、政府主導で国内の製造業をもう一度再構築しようという機運があるように思います。弊社としても資金を投下していますが、もう一つは人です。
時間がモノに変わるのが製造業で、働き方改革と言われている中、短時間で成果を出すということに取り組んでいますが、時間が短くなればその分が単純に作れなくなるのが製造業です。そこを突破していくのが生産性ということになると思いますが、個人的には製造業に関しては少し考え方の視点が違うかなと感じています。
(SB塩原)
私もよくわかる部分がありまして、創業当初は街の電気屋さんみたいな会社で、社員も私含め数名程度で平日はエアコン工事をしたり、エコキュートを売ったりして、土日はIHの営業でメーカーさんのイベントでスーツを着てパンケーキを焼くみたいな、当時はほんとに体が資本の働き方をしていました。
(中島社長)
休む時は休む、やるべき時はやるというメリハリが大事で、そこは政府ではなく企業の裁量です。会社の体制やいろんなツールを使って、社員の働きやすさを担保した上で、結果も出していくことは当然目指すべきところですが、そこを高いレベルで実践できる中小企業はすごい少ないのではないかと感じますね。
(SB塩原)
私もすごく共感するところですね。数年前から新卒採用に力を入れ始めて、今回ご担当させていただいたように若手の営業が頑張ってくれています。仕事とプライベートの両立という点で非常に感度が高くて、仕事ももちろん頑張るけどプライベートも同じように充実させたいという思いが、私たちの頃よりも強いと感じています。経営者として、そこをどういった仕組みで実現していくのか、仕事とプライベートのいい距離感を見出すきっかけを作って上げられればなと思っています。
弊社は脱炭素関連のCO₂削減ですとか、太陽光発電以外にも色々とやっていますので、お手伝いできることが多いと思います。EVの導入についても、EV3~4台くらいで定置用蓄電池と同じ規模のバッテリーとして使えます。
電力プランは市場連動型に次第に変わっていくことが予想されます。これを活用して、有利な業態は市場連動型プランの方がメリットが大きいということもあり得ます。特に製造業はいい効果が出る可能性が高いと思います、今後、電力会社からそういったご案内があるかもしれません。そこに蓄電池をうまく使って夜間に放電するなどで大きな削減効果を出すこともできるのないかと思います。
またご相談ごとがございましたら、お気軽にお声掛けください。本日はお忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました。
(中島社長)
こちらこそありがとうございました。