事例インタビュー|芝原工業株式会社様(板金メーカー)|静岡県磐田市

事例インタビュー 更新日: 2024.05.20


お客様とのモノづくりを通して
お客様の価値観に共感し
常に新しい取り組みに挑戦し続ける


代表取締役 芝原 利幸 様

レーザー加工や溶接を得意とする板金メーカーの芝原工業株式会社様。お取引先様から脱炭素への要望が高まっている中、業界に先駆けて環境問題に取り組むべく、自家消費型太陽光発電システムを導入いただきました。
代表取締役の芝原様に、自家消費型太陽光発電システムの導入検討に至ったきっかけや今後の方針をうかがいました。

 

事業紹介

(スマートブルー 担当者 以下SB担当者)
この度は弊社から太陽光発電設備を導入いただきまして、誠にありがとうございます。導入後のインタビューにもご協力いただけるということで、初めに事業についておうかがいできればと思います。

(芝原工業 代表取締役 芝原利幸様 以下芝原様)
はい、こちらこそありがとうございます。
弊社は金属の板を切断したり折り曲げたり、まるで折り紙を折るように金属を加工する板金メーカーです。金属の板は曲げると伸びる性質があり、工夫せずに製作したパーツを組立てると、最後の部品が取り付けられないことがあります。そうした事態にならないように、設計から組立まで一貫した生産体制を構築しています。

芝原工業 事業所外観(芝原工業様提供)事業所外観

お客様は半導体メーカーや表面実装装置メーカー、工作機械メーカーがほとんどです。お客様から提供された3Dあるいは2DのCADで作成した図面を基に、実際にどうやったら形にできるか等についてのご相談を受けています。
図面を見ながらどの作り方なら形にできて、どうしたらコストを抑えられるのか、こうしたらもっと精度が上がるのではといったご提案をしながら、お客様と一緒にモノづくりを進めているイメージです。

板金設計の専門家としてサポートできる点が強み

(スマートブルー 代表取締役 塩原太一郎 以下SB塩原)
お客様の要望に合わせて都度なかったものを作られているんでしょうか?結構ニッチなニーズに応えていくような。

(芝原様)
そうですね。その都度ではないのですが、2,3年に1度のサイクルで新機種ですとか、特別な機能を付けた製品を販売するタイミングでお客様と一緒に試作品を作っています。

塗装のことも聞かれたり、メッキのことや電気配線のこともあったり、そうした単純な板金加工以外のことも含めてご提案をしています。ニーズに合わせて設計段階から、お客様と一緒に作り上げていくことを得意としています。

芝原工業 溶接組付けの様子(芝原工業様提供)溶接組付けの様子

 

太陽光発電の検討のきっかけはお客様

(SB担当者)
今回、太陽光発電を導入されたきっかけとして、当初は環境施設(注:工場立地法で一定以上の敷地面積を有する事業場に設置が義務付けられている緑化設備等)を増やすためとお聞きしていましたが、この辺りはいかがでしょうか。

(芝原様)
お客様の9割が上場メーカーであるという点が大きいですね。カーボンニュートラルだったりSDGsだったり、そのような取り組みに関するアンケートが多く届いていて、世情の変化への適応が求められるようになりました。

加えて電気代も高くなりました。レーザー切断機で相当量の電気を消費しており、今のまま電気料金が高止まりするとコスト競争力が無くなってしまいます。また、お客様のカーボンオフセットのニーズにも対応していく必要性を感じています。

(SB担当者)
電気代が高くなったということですが、どれくらい上がりましたか?

(芝原様)
実際にはそこまで上がってはいないです。
電力自由化が始まってから1年か2年に1回のスパンで相見積もりを行って、その都度料金が安い電力会社と契約しています。ただ、安かった料金が高くなったとは感じています。

夏場に暑い日が増えている関係で、エアコンの使用量が増加しています。材料や製品の錆対策のために工場の空調も欠かせませんので、太陽光発電の電気をうまく利用していきたいと考えています。

芝原工業 代表取締役 芝原様芝原様

太陽光発電の導入は環境への取り組みのPRにもなる

(SB塩原)
これから太陽光設備の稼働でお客様にもアピールできるとも思うのですが、期待されていることはありますか?

(芝原様)
実はすでに着手していて、PRも開始しています。

最近はお客様が環境監査を行っています。その監査でアピールとは少し違いますが、会社として太陽光発電を導入して環境にも配慮しているという点はチェックされると思います。

(SB塩原)
同業他社さんは県内や近隣県にいらっしゃいますか?というのも、同じお客様を抱える同業他社があったときに、最近実際にあったのですが、脱炭素の進捗度合いをパーセンテージで表すということがありました。
自動車メーカーでは動きが早くて、何年までに脱炭素を何パーセントまで達成していないと取引きを停止するということが、今後一般化していくとみています。

太陽光発電の導入は、他社に先行する意味でも意義のある取り組みだと思っています。

(芝原様)
全く同じ強みを持つ同業、競合はありません。板金に強いですとか、設計に強いという特定の分野での強みはそれぞれあると思いますが、そこはある程度棲み分けがされています。

脱炭素についてはお客様がグループとして取り組んでおられるので、弊社としてはSBT認証も今後は検討していく必要がありそうです。

(SB塩原)
そのうちTCFDも、というお話も出てくるかなと思います。上場していれば当然なんですけれども、上場していなくても、おそらくは一定の情報開示を求められる可能性はあります。上場企業にはTCFDとして温室効果ガス排出量の開示義務が始まっていて、取引先に上場企業様が多くいらっしゃるということですので、サプライヤー企業にも何らかの影響が出てくると思います。

今回の太陽光設備の導入で、エネルギー使用で全体の18%が太陽光発電で賄えるという試算ですが、もっと脱炭素化を図りたいと思われた際には、例えば隣地の空き地に導入してみてそこから電気を送るということもできるので、また検討されてみると良いかもしれません。

 

決め手は価格の妥当性と要望への対応力

(SB担当者)
次に弊社をお選びいただいた理由をお聞きできればと思うのですが、いくつか相見積もりを取られていたとうかかがっています。

(芝原様)
スマートブルーさん含めて3社に見積もりを依頼しました。価格が1番安いのは他社でしたが、事業所が遠く、金額も他社と比較して非常に安価な点をむしろ不安視していました。この点で言うと、スマートブルーさんの金額は妥当性があると判断しました。

一番の決め手になったのは、電気主任技術者の件です。長年お願いしている方がいるのですが、太陽光関連のことも含めて今の主任技術者さんから変更することなく、話をまとめていただいたことが良かったです。
太陽光特有の点検や申請手続きもあると思いますが、他の2社は主任技術者さんができなければ、こちらで手配しますよという提案でした。今頼んでいる方を解約したいわけではなく、長年お願いしているので、スマートブルーさんにはその点を汲み取っていただきました。
主任技術者さんに太陽光関連のことも詳しく説明していただいたということを聞いていて、主任技術者さんができない点検についてはスマートブルーさんが担当していただけるという形で、話をまとめていただいたことが一番大きかったです。

弊社は構内で電力の区分が違って、南側が落ちることがあり、そういったトラブルが起きているときに隣県から駆け付けるとなるとスピード感がなくなってしまいます。リスクを避けたい気持ちもあり、現在の主任技術者さんに変わらず依頼したいというのが要望でした。

※注:太陽光発電の導入に際して、必ずしも現在の電気主任技術者様を解約して、新たに別の方を選任する必要はありません。キュービクルなどを保守点検する既存の主任技術者様に加えて、太陽光発電に詳しい主任技術者様と新規契約する場合もあれば、芝原工業様のように現在の主任技術者様に太陽光発電に関してもお願いすることも可能です。

(SB担当者)
主任技術者様とは申請の進め方を含め、何度かお打ち合わせをさせていただきました。

(芝原様)
そこが一番で、そういったことをしてくださったので、おそらく工事も問題ないだろうなと思いました。

(SB塩原)
ありがとうございます。

定期的な連絡で工事中も不安はなかった

(SB担当者)
工事の際はいかがでしたか?工事の進捗状況はメールで写真を送らせていただいていましたが、業者が敷地内に入って工事をすることに、不安に思われることもあったのではないかなと思います。他にこういう対応があればよかった、といったことがありましたらお聞かせください。

(芝原様)
特になかったですね。メールは定期的にいただいていましたし、予定表も事前にもらって予定通り進んでいることも把握できていました。工場の敷地内で工事をしているので、目視での確認もしていましたので、不安はありませんでした。

太陽光パネル 芝原工業太陽光パネル

 

蓄電池はBCP対策に今後の検討もあり得る

(SB担当者)
今回、蓄電池の導入は見送られました。蓄電池について一定のご興味ですとか、考察と言いますか、お考えになられていることは現時点でございますか?

(芝原様)
弊社では動力の機械が多い関係で、それを動かすことのできる蓄電池となると、コスパがまだ合わないという理由で今回は見送りました。ただ、BCPの観点から蓄電池があったほうが良いのではとも考えています。
台風などで停電が起きて、関係各所に連絡しようにも事務所機能が動いていないと連絡も取れません。今回は事務所建屋の消費電力が少なく導入していませんが、小規模でも採算が取れるような方法があれば、バックオフィス用途で蓄電池導入の検討はあり得ると考えています。

(SB塩原)
バックオフィスへは家庭用に近い容量の蓄電池を置くだけでも、十分機能するかなと思っています。大型の方はたしかにおっしゃる通りでコストはまだ高めですが、いずれは安くなっていきます。
ほかにはEVやコンテナ型も出てきて、今後はバッテリー部分をマガジン形式で交換していくというサービスも出てくると思います。

 

今後もお客様と価値観を共有しながら挑戦し続ける

対談|芝原工業CEO芝原様とスマートブルーCEO塩原(左奥)SB塩原・(左手前)SB担当者・(右)芝原様

(SB担当者2)
いまお話しをお聞きしていて、太陽光発電導入のきっかけとして脱炭素を、またBCPもご検討されていて、製造業様の中でも先進的なお考えをお持ちだと感じています。そうした企業経営をされているきっかけが何だったのかお聞きしたいです。
きっとこれからも新しいことに取り組んでいかれると思うのですが、そうした企業精神やスピリッツをおうかがいしたいです。

(芝原様)
繰り返しになりますが、お客様の9割が上場企業様で、いただく図面の通りに製作してもお客様にご満足いただくことはできません。そのため、設計の段階から入って関係性を構築していくことを先代から続けてきました。そこでwin-winの関係ができて、その関係を継続していくためには、お客様の価値観ともある程度近いものを共有する必要もあります。例えば、お客様がRPAを導入されたら、すぐに訪問して教えていただいたこともあります。追随していかないとならないという気持ちです。

私たちが恐れていることは、お客様の間に商社が入ってサプライヤーが入って、という商流の中に組み込まれてしまうことです。図面通りに作って価格での勝負を強いられることは避けたいので、差別化を図る上で常に新しい取り組みに挑戦し続ける関係性を構築し続けることは重要だと考えています。

採用の面でも、先進的なことをやっていないと学生に振り向いてもらえません。「中小企業だからやらなくてもいい」ではなくて、やれることはなるべくやっていこうとしています。ほかの中小企業がやっていない中で、「先行しています」と言えることを心がけています。社員のモチベーションを上げるという面でも、今回の太陽光発電もそうですし、業界の中でも常に先行していくことは意識しています。

(SB塩原)
素晴らしいですね。こういう風に言っていただける中小企業の経営者様が少なくて、お付き合いのある経営者様で地元の名士と呼ばれる会社様も多いのですが、社長様が65歳、70歳で社員の平均年齢も60代で新入社員は30年入ってきていないと。ご自身が退いたらどうするんですか?とお聞きすると、孫達がいらないのなら売却してしまうのも選択肢だとおっしゃるんですね。

そのお話しを聞いて、半世紀以上続く会社でここまで大きくしてきたのに売却してしまうのもあり得るということが、すごく寂しくなってしまいました。
それだけ長く続いている会社なら、きっと違った方法もあったと思いますし、40代50代の時に未来志向でいたなら、違った未来もあったのではないかなと思うんですね。事業を会社を終わらせないということは、経営者が未来を見て若者を採用していくことだと思っています。

(芝原様)
そうですね、そうした会社様が多いことは実感しています。弊社はグループ会社が3社あるのですが、特に若手にもグループを通して新規事業を立ち上げる時に手を上げて欲しいという話をしています。
当然簡単ではないのですが、一人二人くらい成功事例が出てくると、社員の中からそうした想いが生まれてくるはずです。難しいですけれど、そうした抜擢をしていかないと、先程のお話しのように、今の役員陣が退陣すると会社が続いていかない結果になると思います。

(SB塩原)
やはり秘密はそこにありますね。未来志向ですよね。

弊社は、今日もここに訪問させていただいているように若手の営業マンが本当に多く在籍しています。最初は心配もありまして、どれだけ続くのかなとも思ったんですが、すごく知識をしっかり付けようという意識の強い子ばかりが集まっています。
知識は自分を裏切らないという言葉通り、毎日一所懸命、われわれも含めて精進しておりますので、ぜひまたご相談ごとがありましたら、お気軽にお声掛けください。

本日はお忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました。

(芝原様)
こちらこそありがとうございました。引き続き宜しくお願いいたします。

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