お客様インタビュー|株式会社山崎製作所様(板金加工業)
お客様インタビュー 更新日: 2025.02.12
静岡県では、国が推進するJ-クレジット制度の普及を目的に「ふじのくにカーボンクレジット創出支援事業」(本事業)を行っています。この事業の第1号参加企業となったのが、株式会社山崎製作所様です。
株式会社山崎製作所様は、本事業の参加企業としてPPAを活用して太陽光発電設備を設置し、発電した電気の自家消費によって生まれた環境価値は「J-クレジット」として登録されます。
本事業では、一企業では小さい環境価値を複数の企業などにより組織されたコンソーシアムを束ねることで、事務負担や経費負担の削減を行い、クレジット創出拡大を目的にモデル的に実施しています。
スマートブルーは、ふじのくにカーボンクレジット創出支援コンソーシアムにPPA事業者として参画しています。
J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。登録されたJ-クレジットは企業間売買などに活用され、投資回収やさらなる省エネ活用に活用できます。
板金加工の中でも最も精密な板金にあたる精密板金加工を扱っている山崎製作所様。本社工場の移転を機に、新築の工場に自家消費型太陽光発電システムを導入いただきました。
代表取締役の山崎様に、自家消費型太陽光発電システムを導入いただいたきっかけや、工場を新設した経緯やこれからについて伺いました。
事業紹介
(スマートブルー 担当者 以下SB担当者)
本日は、インタビューをお受けいただきありがとうございます。インタビューという形ではありますが、弊社代表と会話形式の形でお伺いできればと思います。
(スマートブルー 代表取締役 塩原太一郎 以下SB塩原)
インタビューの質問を交えつつ、さまざまなお話をお伺いします。
最初に、事業内容と経営理念について教えてください。
(山崎製作所 代表取締役社長 山崎 かおり様 以下山崎様)
精密板金加工という仕事をやっています。
板金というと、自動車板金や建築板金があると思いますが、その中の機械板金という一番精密な分野にあたります。
機械や、BtoC商品としてインテリアといったものを作っています。あとは、医療器具ですね。お医者さんが手に持って使う医療器具の製造も行っています。
経営理念としては、「みんなの会社」を理念として、社員全員が理念を共有しながら取り組める体制を整えています。
社長が一番上にいるピラミッド式という意識の会社ではなく、一人一人が自走・自立していくような組織を目指し、そうした取り組みの1つがこのようなプロジェクトになってます。
インタビュー時、「ファクハク」「ワクワク工場まつり」の開催が予定されていました。
※「ファクハク」は地元産業を紹介するオープンファクトリー型イベント、「ワクワク工場まつり」は地域住民向けの工場見学と交流イベントです
(SB塩原)
こういったプロジェクトは山崎社長が進められるのでしょうか?
(山崎様)
こちら(ファクハク)の方は実行委員会体制になっています。私が実行委員長になっていますが、民間の有志の方や外部の会社さんも入って計9名で運営を行っています。そこに静岡市や静岡商工会議所、ツインメッセさんに加わっていただいている形になります。
私自身も動くことはありますが、皆さんに動いていただくためのファシリテーターのような立ち位置になります。山崎製作所の中でも、ファクハクチームが立ち上がっていて、今年からチームメンバーは新入社員の研修の場として活動してもらっています。
(SB担当者)
自身の会社を知るきっかけになりますね。
(山崎様)
そうですね。それで外部と繋がったり、予算を使いながら自分たちで企画していきます。昨日、一昨日と3日間かけてポスティングや学校に行って宣伝などを行っています。
(SB担当者)
最初から大きなイベントに携われるのも、中々大きな経験になってすごく良いですね。
工場以外の活動や働く環境の改善が採用にも波及
(SB塩原)
そうすると、営業の方はもちろんですが、現場の方の採用は難しいと聞きますが、、
(山崎様)
採用ですか、採用は順調にいってます。こうした取り組みだったり工場を移転して新築したということもあります。
(SB塩原)
働く環境も良くなっているんですか?
(山崎様)
以前の工場では、1人1台スポットクーラーを使ってましたが、新しい工場には、エアコンを入れました。
天井が高いことや、太陽光パネルの遮熱効果の影響もあって体感温度は低く感じますが、今年の夏はとにかく暑くて急遽エアコンの導入を決めました。
エアコンを入れたことで恐れているのは電気代です。業務用エアコンにしたことでどのくらい差が出るかは不安ですね。
(SB塩原)
電気使用実績と自家消費量を見る限り、9月は電力購入量が若干増えていますが、太陽光発電の効果もあって結果的には大きい増額にはなっていないという所ですね。
エアコンの導入が9月中頃ということですので、今後のデータが集まってこないとはっきりとは言えないですが。日中の電力消費であればある程度太陽光でカバーできます。
(山崎様)
そうですね、期待しています。
工場の新築計画のときから太陽光発電の導入はしたかった
(SB塩原)
次に設置された経緯についてお伺いできればと思います。
(山崎様)
工場を新しく建てる計画の時から太陽光発電はいれたかったので、屋根も設置できるような耐久性のあるものにしています。
(SB担当者)
初めてお会いしたのが2022年の3月頃ですね。
(山崎様)
そのときから、太陽光発電についてうちの社員にも調べてもらっていて、そこでスマートブルーさんとやり取りするようになりました。私が元々荒木さん(スマートブルー役員)と同友会で一緒だったご縁もあってお願いすることにしました。
(SB担当者)
太陽光の導入に際して何かポジティブな効果は見込まれていましたか?
(山崎様)
そうですね、やっぱり環境にいいことを自分たちの会社でもやっていきたいという思いもあります。企業ブランディングじゃないですけど、そういったことにも繋げていきたいです。
リサイクルなどそういったものに取り組んでいますし、それ以上で何ができるか考え、太陽光発電の導入に至りました。
専門的な知識がない私に何度も丁寧に説明してもらえた
(SB塩原)
スマートブルーの対応や、提案内容で良かった点や悪かった点はありますか?
(山崎様)
賢いなって思いました。(笑)
知識が豊富な点や、対応が早かった点が良かったです。
よく分かっていない私に対して丁寧に資料を使って説明をしていただいたことですね、他にも何回も同じことを聞いても嫌な顔せず、お答えしてくださったのが良かったと思います。
難しい言葉とか、、、。
(SB担当者)
あまり聞き馴染みのない言葉が多いですよね。
(山崎様)
それを丁寧に説明いただいたおかげで、段々と私なりにわかるように説明していただけた点が良かったです。
(SB塩原)
工事中とかどうですか?停電しなきゃいけないことで結構困ったとか、大変だったこととかありますか?
(山崎様)
急に止めなきゃいけないとなると、工場の生産ラインの計画を組み直す必要があるので社員が神経質になることはありますが、前もって教えていただいていたので大丈夫でした。
(SB担当者)
2022年からずっとご提案させていただいていたので、逆にしつこくなかったかなと思ったのですが、、、、
(山崎様)
そんなことないです。スマートブルーさんと繋がっていて良かったなと思いました。
今回の活用できた補助金も、検討を進める中でご提案いただけて本当にありがたかったなと思います。
(SB塩原・SB担当者)
ありがとうございます。
事業承継で目の当たりにしたものが自社商品開発のきっかけに
(SB塩原)
外から見える家具や創作物は自社ブランドでやられているんですか?
(山崎様)
そうです。インテリアとアクセサリーに関しては自社ブランドのみで販売しています。インテリアはeコマースのみで、アクセサリーは、かんざしを中心に百貨店さんで販売しています。
あまり馴染みがないかんざしですが、髪を止める道具として地方よりも首都圏の方がお仕事の時に使っていただいたりしています。
(SB塩原)
ブランドがあると夢があるというか、自社ブランドがあると急に意識が変わりますよね。
(山崎様)
自社ブランドは儲けるため始めたわけではなくて、職人さんたちに誇りを持ってもらうために始めたんです。
私は16年前に事業承継をして、その時は職人さんたちが誇りを失ってしまっていました。やはり、部品の製造だと社会にどう役に立っているのかわかりにくい点もあったので。そこで一般の人たちに伝わるようなものを作ろうという思いから、インテリア事業を始めました。そうした事業を通じて、職人さんが誇りを持ってもらい、この会社で働いて良かった思ってもらえるような会社にしたいです。
(SB塩原)
これからの未来も楽しいですね、商品企画や今までなかったような仕事も考える人も出てくるわけですし。
(SB担当者)
山崎製作所様にお会いして、工場そのものの印象がガラッと変わりました。以前の工場の印象は暗い世界で作っているイメージが強かったんですが、、、、
(山崎様)
そこから脱却したかったんです。
事務所もガラス張りにして、工場にもアクセントカラーのピンクを入れていて、クレーンやシャッターがピンクだったりします。
(SB担当者)
ぜひ工場の中も写真撮らせていただいてもよろしいですか?
(山崎様)
どうぞ、どうぞ。