お客様インタビュー|ケンテック株式会社様(鋼材メーカー)
お客様インタビュー 更新日: 2024.11.14
スーパーフェローデッキを代表とする工業化製品を製造するケンテック株式会社様。鉄筋や鋼材の製造を行っているケンテック市原加工センターにて、CO2削減と電気代削減を目的に隣接のケンテック様所有の土地に太陽光発電システムを導入いただきました。
スーパーフェローデッキは、オフィスビルや商業施設、多層駐車場などの大規模な建物で広く使用される床材です。建設過程では、建物の骨組みである梁などの構造が組み上がった後に、スーパーフェローデッキが使用されます。スーパーフェローデッキ設置後、コンクリートを流し込むことで床が完成します。
ケンテック市原加工センター(ケンテック様ご提供)
導入の経緯|屋根設置から隣接の敷地でオフサイトを
(スマートブルー コーポレートビジネス部担当役員 瀬野博之 以下SB瀬野)
改めてになってしまうんですが、今回、太陽光を地上設置いただいた経緯について教えていただければと思います。
(ケンテック株式会社 代表取締役社長 矢口慎也様 以下、矢口社長)
ゴルフ場自体は開業から35年程経っていたので、何か新しい活用方法がないか考えていたところ、5000平米程あるショートコースの活用をご提案いただきました。
屋根面積は2000平米もなかったため、(弊社の電力使用状況的には)大きな効果が見込めないということで、検討を進めました。
2020年あたりから検討を進めたタイミングで、電気代もかなり高騰してきたことも重なり購入のきっかけになりました。もちろん、太陽光発電を通じた再エネ電力の対外的なアピールも狙いとしてはありましたが、設置後の反響は予想以上に大きく、導入して良かったなと思います。
(SB瀬野)
やはり業界的にも、SDGsやカーボンニュートラルの動きはかなり強くなってきていますよね。
(矢口社長)
そうですね、数年前までは全て電炉材を積極的に使⽤していくという事は中々考えられませんでしたが、ここ1年〜2年ぐらいで電炉材=環境に優しい鋼材というものも広く知られるようになりました。
(SB瀬野)
私どもの部署も製造業のお客様が多く、特に静岡を中心に活動しているので自動車関係のお客様ではそうしたカーボンニュートラルの流れは強くありますね。
(矢口社長)
そうした面で太陽光発電が企業のイメージアップに繋がっていますね。
製造からメーカーへ転身、スーパーフェローデッキの先駆者
(SB瀬野)
御社の事業についてPRポイントといいますか差別化に繋がっている点について教えていただければと思います。
(矢口社長)
従来の施⼯⽅法では、型枠⼤⼯が型枠を設置(型枠作業)〜鉄筋⼯が2⽅向配筋を施⼯(鉄筋作業)〜コンクリート打設という⼯程になり、型枠⼤⼯と鉄筋⼯でそれぞれ⼯数がかかっていたのですが、弊社の製品(デッキ)を利⽤すると、デッキ(型枠作業)を敷設した時点で、鉄筋作業の50%以上は終わっている状態になります。
これによって、省⼒化や⼯期の短縮ができる点が魅⼒となっています。
現場の⽅の⼈⼿不⾜が進んでいる中で、少ない⼈⼿でもできると⾔う点ですね。
スーパーフェローデッキ(ケンテック様ご提供)
特に物流倉庫は⾯積も広⼤なので、弊社の製品を利⽤していただくだけでより効果が出やすく⼯事の負担を軽減できます。そういう意味では時代にマッチしていると思います。
同様な商品を製造しているメーカーさんは何社かありライバルが増える中ではありますが、弊社はこの製品を作りはじめて30 年以上の実績による知⾒やノウハウも差別化できる1つかと思います。
(SB瀬野)
結構初期からやってらっしゃるんですか?
(矢口社長)
そうですね。
(ケンテック株式会社 常務取締役 勝川祐二様 以下、勝川常務)
メーカーとしては開発から始まっています。当時は営業を行わず、OEMの供給を中心に行っていましたが、20年程前から自社で営業という形に切り替えました。
(矢口社長)
ちょうど私と専務の⼩関が⼊社24 年⽬で勝川が22 年⽬になりますが、我々⼊社後に徐々に⾃社営業を始めたのがきっかけになります。
(SB瀬野)
そうなんですね、名刺にある市原加⼯センター相談役としか知らなかったんですが、勝川さんって営業畑だったんですね。
(勝川常務)
元々営業で入ってきてます。
(矢口社長)
一時期は工場長もやっていただきました。
(勝川常務)
もっと前は現場上がりでした。それでメーカー(ケンテック様)に入りました。
(矢口社長)
大工もやって、板金、屋根なんかもやってましたね。
(SB瀬野)
すごいですね。社長さんも最初は営業だったんですか?
(矢口社長)
⼊社時は営業配属でしたが、建築のことを知らなかったのでわからない点などは勝川に教えてもらいながらやっていました。⾃社営業をする前は顧客先からの指定⼨法・枚数など指定されたものだけを製造していたのですが、⾃社営業するようになってからは提案から製図〜発注〜⼯程管理〜納品までを担当させていただきました。
なので⼈⼿不⾜ということもあったのですが、⼀通りの経験ができたことはある意味貴重な経験をさせてもらいました。
(SB瀬野)
逆にそれを知っているからこそ営業外にも強みになりますよね。
導入後の故障の不安|メンテナンス体制と保険と保証
(SB瀬野)
導入に際して不安に思った点や、スマートブルーの対応で気になった点などあれば教えていただければと思います。
(矢口社長)
そうですね、メンテナンスもしっかりやっていただいていますが、特に最初に不安に思っていた点は品質的にどれくらい持つのかという点ですね。使⽤している中で品質的に低下していくことはしょうがないことですが、それが例えば5年持つのか、3年で駄⽬になったりしないかといった不安はありましたね。
電気代コストの⽅は環境状況により上下するものなので、将来に向けての経済効果の上下はしょうがないという形で割り切って導⼊しましたが、やはり品質的なものですよね。
(SB瀬野)
そこについては、まず施工の品質という点で、各所の確認を行っていますし、御社の設備に関しては、去年の3月から法令で定められた使用前自己確認という検査を通しているという点でも一定の品質は担保できていると思います。
ただ、万が一機械に何かが起こる可能性は0ではないので、そちらの方は保証の方で、トランスで10年、パネルで30年、パワコンで20年の保証がつきますので、製品不具合に関しては問題なく対応できるような状態になっています。(※保証年数はメーカーによってことなります)
メンテナンスにもご加入いただいているので、半年に一回は現場をしっかり確認して何かあれば対応できるというとこですね。
一番何かあるとすれば、自然災害ですね。
(勝川常務)
そうですよね。
(SB瀬野)
今年は(千葉県)市原で地震が起きていたこともありますし、台風や線状降水帯が発生したりで、、、
(勝川常務)
単純にでっかい雹が降った場合はどうなるんですか?
(SB瀬野)
その場合は損害保険の雹災に当たるので、そこでご請求いただいて、我々の方はお見積りさせていただいた上で修理させていただくことになります。
(ケンテック株式会社 日下真様 総務・経理部部長 以下日下部長)
自然災害が一番怖いですね。あとは人的な配線盗られちゃうこととか。最近ニュースでもよく聞きますからね。
(SB塩原)
盗難については、かなり深刻になっていて、保険会社さんは防犯システムをちゃんとつけないと加入できない・更新できないといった状況になってきています。
加入できたとしても、免責金額が500万であったり、防犯システムがない場合は盗難の補償はないという形が今では標準になってきています。
(日下部長)
成立しないですよね。
(SB塩原)
我々も色々なメーカーさんの精査をしているところなので、防犯システムはいずれ必要になる可能性がありますね。
(矢口社長)
工場内に常時録画の防犯カメラを全て入れて、センサーライトもあって社宅も近いので、目立つとは思うんですね。保険も入っているんですけど、気をつけてかなきゃいけないですね。
(SB瀬野)
防犯対策できそうなものがあればまたご提案させていただければと思います。
スマートブルーの提案時の資料の作り込みが信頼にも繋がった
(SB瀬野)
検討を開始された当初は、他の会社さんの見積りをとられたという話をお聞きしたことがあるのですが、そういった中で我々を選んでいただいた理由が、もし何かあればそちらも教えていただきたいです。率直に、価格がとかでもいいんですが(笑)
(矢口社長)
本当にいろんなご提案をいただいた中で、資料が一番充実していたのが御社だったと思います。削減率もそうですし、現地も見ていただいて、、。何より一歩先にご提案いただいていたことも大きいですね。
金額感はそこまで変わらなかった気がします。
(勝川常務)
やっぱり信頼関係も大事ですからね。どれだけ資料を緻密に作っていただけるかという所ですね。
(矢口社長)
最初は屋根に設置ということで話が進んでいましたが、そこからゴルフ練習場脇のショートコースに設置するとなってからも対応が⼀番早かったですね。
(SB瀬野)
私も当時伺っていて、屋根を見せていただいた時にちらっと見せていただいたことが始まりだったなと思います。
環境配慮商品の「スーパーグリーンデッキ」の発売を予定
(SB瀬野)
その他、これから御社としてカーボンニュートラルの進め方とかありましたら教えていただければと思います。
(矢口社長)
弊社はスーパーフェローデッキをメイン商品でやっているんですけども、スーパーフェローデッキから派⽣したスーパーグリーンデッキという商品を発売する予定(11⽉5⽇発売)になっています。
グリーン鋼材の⾛りのようなもので、他メーカーさんではできないスペックの電炉材で、尚且つ、再⽣可能エネルギー100%使⽤を⽬指したスーパーグリーンデッキの発売を予定しています。
再⽣エネルギー100%については、御社が設置していただいた太陽光発電所の発電量が製造で使⽤する電気量の3割から4割であれば、あと6割〜7割は再エネ証明書を発⾏してもらいなどし、再⽣可能エネルギー100%での製造をしていくなど考えております。ゆくゆくは100.%を⽬指し太陽光発電を拡⼤していきたいですね。
今後はそうした企業アピールもどんどんやっていこうと思っています。
スーパーグリーンデッキを使っていただける顧客様としても、従来の導⼊コストと同等程度で新築の建物の床に「この建物の床はすべてクリーンな鋼材でできています」という事は環境意識に対するPRになってくると思います。
(SB瀬野)
面白いですね。今回の太陽光発電の導入をきっかけにさらに進めていけそうですね。
色々とお話し聞かせていただきまして、ありがとうございました。
<左から小関専務・矢口社長・勝川常務>