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オフサイトコーポレートPPAとは?オンサイトPPAや自己託送との違い

ブログ 2022.02.22

オフサイトコーポレートPPAとは?オンサイトPPAとの違いや自己託送との違い

近年、企業が太陽光発電の新たな導入方法として活用しているオフサイトコーポレートPPAをご存知でしょうか。現在の主流であるオンサイトPPAや自己所有型の太陽光発電、また自己託送との違いに触れながら解説していきます。

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オフサイトコーポレートPPAとは

オフサイトコーポレートPPAとは、電力の需要場所から離れた土地に太陽光発電所を所有する発電事業者が、太陽光発電所で発電された電力を需要家が所有する遠隔の需要場所に供給する契約形態です。供給される電力は電力会社から購入する電気よりも安く設定することで、需要家は電力の自家消費により電気代削減効果が見込めます
「オフサイト」には「現地から離れた場所」「遠隔地」という意味合いがあり、「コーポレート」を取って「オフサイトPPA」と呼称されることもあります。

現在の主流であるオンサイトPPAや自己所有型の太陽光発電システムは屋根上設置が基本ですが、オフサイトコーポレートPPAは土地に設置する形態が主です。そのため、太陽光発電システムを設置するだけの十分な屋根スペースがない企業や、屋根スペースだけでは消費エネルギー量を賄い切れない大規模需要家での導入事例が増加しています。

コーポレートPPAとは

オフサイトコーポレートPPAはPPAモデルの一種です。PPAモデルとは0円で太陽光発電システムを導入できる仕組みで、以下の記事で紹介しています。本記事と併せて読むことで、オフサイトコーポレートPPAの理解がより深まります。

PPAとは?0円で太陽光発電システムが導入できる仕組みを解説します

PPAは「Power Purchase Agreement」の略で、日本語では「電力購入契約」と直訳されます。また、発電事業者側から見た場合の「電力販売契約」とも訳されます。PPAの元々の意味合いは、電力会社と発電事業者間での電力の卸売り契約ですが、最近では一般企業間での電力契約も増えてきました。これら2種類のPPA契約を区別するために一般企業間でのPPAを「コーポレートPPA」と呼称しています。

 

オフサイトコーポレートPPAが注目される背景

コーポレートPPAは太陽光発電の導入形態で「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」に大別されます。現在の主流は比較的導入と仕組み作りが容易なオンサイトPPAですが、オフサイトPPAの事例も増加傾向にあり、業界では、今後の主流はオフサイトPPAになっていくだろうと予想されています。オフサイトPPAが注目される背景には以下のような事柄、メリットがあるためです。

環境価値付きの電力を大規模に調達できる

現在、オフサイトコーポレートPPAを活用している企業には誰でも知っているような大企業が多く、その多くがRE100に加盟している企業です。RE100とは、企業が自社の事業活動で最終的に消費するエネルギーの100%を再生可能エネルギー由来の電力で賄うという国際環境イニシアチブで、日本ではパナソニックやイオン、楽天などが、世界的にはGoogle、Apple、Facebookなどの大企業が加盟しています。こうした大企業は、自社で消費するエネルギーを再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるために、大規模なオフサイトコーポレートPPAを活用しています。

オフサイトコーポレートPPAで供給される電力は、発電所から一般の電力系統を通って需要場所に供給されるまでの過程を最初から最後までトラッキングすることで、需要家が消費する電力を再生可能エネルギー由来の電力だと証明できるようになっており、この環境価値付きの電力という証明がRE100の達成には不可欠です。ただ、環境価値という点ではオンサイトPPAも同じく証明が可能で、さらに屋根上に太陽光発電を設置して直接自社の工場や倉庫で自家消費するため、トラッキングという面倒な手間がなくオフサイトコーポレートPPAよりも証明は容易です。

しかしオフサイトコーポレートPPAの利点は、屋根ではなく土地に設置するため、大規模な再生可能エネルギー発電所を建設できるという点です。RE100に加盟しているような大企業は消費するエネルギー量も莫大で、屋根上のオンサイトPPAだけでは限界があります。オフサイトコーポレートPPAであれば、発電所やその土地が自社所有であるかの如何を問わずオンサイトPPAよりも大規模な電力を調達できることから、世界各地に拠点や事業所を有し大きなエネルギーを消費する大企業を中心に事例が増加しています。

電力価格の変動リスクを軽減できる

発電事業者と需要家の間で締結されるオフサイトコーポレートPPAの契約では、発電事業者が需要家に供給する再エネ電力の料金は、通常電力会社から購入する電気料金よりも安く設定され、その契約期間は10年以上と中長期です。これにより、以下のようなメリットがあります。

  • (需要家)環境価値付きの電力を安く調達できる
  • (需要家)電気代を削減できる
  • (双方)電力価格の変動リスクを軽減できる

オフサイトコーポレートPPAでの電力購入・供給契約は、中長期にわたって固定価格で交わされるため、電力調達また環境価値調達のキャッシュフローを中長期に固定することになります。電力調達のコストが固定化されることで、近年、市場価格の変動が激しい電力卸売市場からの電力調達リスクを軽減し、安定して再エネ電力を調達できます。

追加性がある

追加性とは、非化石価値や環境価値、再生可能エネルギーを完全に新規で生み出すことを指します。企業が消費エネルギーを再エネ由来に切り替える方策には、再エネ発電所の建設やコーポレートPPAなどのほかに、電力会社の再エネ電力プランへの切り替えや環境価値や非化石価値を証明する証書の購入などがありますが、このうち追加性がある方策は前者の再エネ発電所の建設やコーポレートPPAです。再エネ発電所を新規で建設することで、それまで世界に存在しなかった再生可能エネルギーや非化石価値を新たに生み出せるためです。後者の電力プランの切り替えや証書の購入は、すでに存在する再エネ発電所から得られるものであるため追加性があるとはみなされません。

RE100ではこの追加性を重要視しており、RE100に加盟する企業は追加性のあるコーポレートPPAを優先して活用しています。

 

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オンサイトPPAとの違い

コーポレートPPAの概要スキーム図
基本的なオンサイトPPAのスキーム図

コーポレートPPAはオンサイトPPAとオフサイトPPAに分けられること、現在の主流はオンサイトPPAであることを紹介してきました。オンサイトは「現地で・現場で」という意味合いがあり、「現地から離れた場所」「遠隔地」という意味合いのあるオフサイトとは真逆の概念同士であることがわかります。

基本的なPPAの契約形態はオンサイトもオフサイトも同じで、発電事業者が所有する発電所で発電された電力を需要家が使用する、というものです。
大きな違いは発電所の設置場所で、オンサイトPPAでは発電所の設置場所は需要家が所有する事務所や工場、倉庫の屋根や敷地内の空き地であるのに対して、オフサイトPPAでは遠隔地の土地であるケースが多いです。オフサイトPPAにおける土地は、需要家の持ち物である必要はなく、多くの場合発電事業者の土地です。発電所だけでなく設置される場所も発電事業者の所有物という点が、オフサイトPPAの利便性を向上させています

また、発電した電力は需要家が消費しますが、その過程にも違いがあります。
オンサイトPPAでは需要家が所有する建屋の屋根で発電されるため、基本的に直接その建屋で自家消費します。オフサイトPPAでは需要場所が遠隔地であるため、発電された電力は電力会社が運営する電力系統を通って需要場所に供給され消費します。
この違いから、オンサイトPPAでは電力のトラッキングなしで発電された電力は環境価値付きと証明できますが、オフサイトPPAにおいては、一度電力系統を通りほかの火力発電由来の電力と混ざってしまうため、オフサイトPPAを使って脱炭素化や再エネ化を達成する場合には、発電された電力のトラッキングが不可欠です。

オンサイトPPA オフサイトPPA
設置場所 需要家の屋根や敷地内の空き地 所有元を問わない遠隔の土地
供給方法 直接 電力系統を通る間接供給
環境価値 トラッキング不要 トラッキング必須
発電規模 小~中 中~大
導入の難易度 比較的容易 現状大企業のみ

日本ではオンサイトが、世界ではオフサイトが主流

ここまで触れてきたように日本ではオンサイトPPAが主流です。理由としては、オフサイトに比べ仕組み作りが容易であることと、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)を活用することで20年という長期にわたって安定した売電収入が得られることで、土地に設置する太陽光発電の多くがFITを活用していることが挙げられます。逆に世界ではオフサイトが主流で、特にアメリカではFITがないことから、太陽光発電の普及はオフサイトPPAによって為されてきた背景があります。そして、昨今のカーボンニュートラル、脱炭素の世界的な潮流を受け、企業においてもオフサイトPPAを活用した太陽光発電の導入が加速しています。

日本においては、そもそもコーポレートPPAがここ数年で注目され始めた導入方法であり、オンサイトを含めこれから本格的に普及していくと予想されています。オフサイトPPAは設置場所の要件が幅広く、発電規模も大きいことから、初めは大企業を中心に広がっていき、次第に中堅、中小企業まで広がっていくと考えられます。今後は、FITの売電期間が終了する発電所も市場に出てくることから、そうした発電所の電力の新たな供給方法としてオフサイトPPAは有力な選択肢になり得ます。

オフサイトPPAはオンサイトPPAに比べ物理的な制約が少ないことから、その利便性を活かした仕組み作りさえできれば、再エネ導入の主流となっていくはずです。

 

自己託送との違い

最後に、オフサイトコーポレートPPAと似た太陽光発電の導入方法である自己託送との違いを紹介します。オフサイトコーポレートPPAと自己託送は、遠隔地の発電所で発電された電力を電力系統を使って需要場所に供給する、という点で似た導入方法と言えます。

大きな違いは、契約形態です。
オフサイトコーポレートPPAでは発電事業者とPPA契約を締結しますが、自己託送は他者との契約はなく、電力の供給は自社内で完結します。需要場所となる事務所や工場は当然自社の所有で、遠隔地の発電所も自社の所有であり、自社の発電所から発電された電力を、電力系統を通して遠隔の自社の需要場所に供給する太陽光発電の導入方法が自己託送です。

そのほかの違いには、太陽光発電導入時の初期投資の有無と電気料金が挙げられます。

自己託送では太陽光発電所は自社の所有物であるため、導入時には設備の取得費がかかります。オフサイトコーポレートPPAでは、発電所の所有者は発電事業者であり、発電所の導入費は発電事業者が負担することから、需要家に初期投資費用はかかりません。また、電気料金については、オフサイトコーポレートPPAが発電事業者と結んだ固定価格であるのに対し、自己託送では発電所の所有者自社であるため、発電所から供給される電力分は電気料金が発生しません。この電力分を電力会社から購入する電気料金と照らし合わせ、削減できた電気料金で初期投資を回収します。電気料金は発生しませんが、電力系統の使用量として託送料金、同時同量の需給違反があった場合のインバランス料金は、オフサイトコーポレートPPA同様に別途発生します。

 

今回ご紹介したオフサイトコーポレートPPAはPPAモデルの一種です。PPAモデルについては、以下の記事で解説していますので併せてご覧いただければより理解が深まります。

PPAとは?初期費用・ランニングコスト0円で太陽光発電システムが導入できる仕組みを解説します

以下では自家消費型太陽光発電システムの概要資料がダウンロードいただけます。こちらもぜひご参考ください。


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