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  • 改正温対法を解説します

    2021年改正温対法の3つのポイントを解説|地球温暖化対策の切り札

    国内における地球温暖化対策を推進する地球温暖化対策推進法(通称温対法)の改正案が2021年3月2日に閣議決定され、同年5月26日に参議院において可決、これにより改正温対法が成立しました。2020年10月に菅首相が宣言した「2050年までのカーボンニュートラルの実現」を初めて法律に明記したことで、政府目標の裏付けができた形です。今後、地球温暖化対策の政策継続性が一層高まり、国や自治体、企業、個人が一体となって脱炭素化、地球温暖化対策を推進していくこととなります。

    施行は基本理念の新設が公布日である2021年6月2日と同日、地方自治体や企業の地球温暖化対策の推進策の策定に関わる条文については公布日から起算して1年以内とされています。

     

     

    改正温対法の3つのポイント

    今回の改正は大きく3つのポイントに分けられます。「基本理念の新設」「地域の脱炭素化の促進」「企業の脱炭素化の促進」です。法律として明確な目標が定められ、地球温暖化対策のための脱炭素社会の実現や温室効果ガスの排出削減といった政策の確実性が担保されたという点において意義のある改正です。

    1.パリ協定およびカーボンニュートラル宣言を反映した基本理念の新設

    前回の法改正(2016年5月公布)以降、世界ではパリ協定の締結やIPCCによる1.5度特別報告書の公表、そして国内における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策をめぐる状況が大きく変化してきています。こうした世界の潮流に適合しつつ国だけでなく地方自治体や事業者、企業、個人が連携した地球温暖化対策および脱炭素化への取り組みを促進するために、以下の条文が新たに加えられました。

    地球温暖化対策の推進は、パリ協定第二条1(a)において世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏二度高い水準を十分に下回るものに抑えること及び世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏一・五度高い水準までのものに制限するための努力を継続することとされていることを踏まえ、環境の保全と経済及び社会の発展を統合的に推進しつつ、我が国における二千五十年までの脱炭素社会(人の活動に伴って発生する温室効果ガスの排出量と吸収作用の保全及び強化により吸収される温室効果ガスの吸収量との間の均衡が保たれた社会をいう。)の実現を旨として、国民並びに国、地方公共団体、事業者及び民間の団体等の密接な連携の下に行われなければならないものとすること
    1. パリ協定の2℃および1.5℃目標を踏まえた環境の保全と経済および社会の発展の統合的推進
    2. 2050年までの脱炭素社会の実現
    3. 国民・国・地方公共団体・事業者・民間団体等の密接な連携

    パリ協定およびカーボンニュートラル宣言を法律に明記することにより、政権交代による政策の一貫性欠如が防止できます。地球温暖化対策は全世界規模のオペレーションであり、国だけのオペレーションによって達成できるものではありません。地方自治体や民間の事業者、企業、そして個人が相互に連携して取り組んでいく必要があり、今回の改正温対法によって法律上の確実性を得られたことにより、各々が主体となるオペレーションに見通しが立てられ、その取り組みとイノベーションが加速していくと予想されます。

    2.地域の脱炭素化を推進する事業促進計画・認定制度の創設

    地方公共団体は温対法に基づき地域における地球温暖化対策を推進するために「地方公共団体実行計画」を策定するものとされています。しかしながら、実行計画で定める再エネの利用促進などの施策についてはその実施目標の設定までは求められていません。今後、ゼロカーボンシティを含めた地域の脱炭素化を実現していくためには、再エネの活用が需要であり、その施策実施の目標を追加するなどの実行計画制度の拡充が図られます。また、再エネの導入に際した地域の合意形成を円滑化し、地域脱炭素化促進事業を推進する仕組みを創設します。

    これらが法律に明記されたことで、地方自治体も実効性を伴った脱炭素化や地球温暖化対策の計画を策定し、その目標達成に責任を持ってチャレンジする必要性が生まれました。

    また、2025年度までに地方公共団体実行計画の策定率を100%となるように目指します(2019年度で約30%)。全国1,718自治体で期限を設けて脱炭素宣言をしている自治体は420で、全体の約24%です(2021年7月9日時点)。

    1.都道府県の実行計画制度の拡充

    1. 実行計画の実効性を高めるため、都道府県・政令市・中核市の実行計画において、再エネ利用促進等の施策(①再エネの利用促進②事業者・住民の削減活動促進③地域環境の整備④循環型社会の形成)に関する事項に加え、施策の実施に関する目標を追加する(第21条第3項)。
    2. 都道府県の実行計画において、地域の自然的社会的条件に応じた環境の保全に配慮し、省令で定めるところにより、(地域脱炭素化促進事業について市町村が定める)促進区域の設定に関する基準を定めることができる。(第21条第6項及び第7項

    2.市町村による実行計画の策定

    1. 市町村(指定都市等は除く。)は、実行計画において、その区域の自然的社会的条件に応じて再エネ利用促進等の施策と、施策の実施目標を定めるよう努めることとする(第21条第4項)。
    2. 市町村は1.の場合において、協議会も活用しつつ、地域脱炭素化促進事業の促進に関する事項として、促進区域地域の環境の保全のための取組地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組等を定めるよう努めることとする(第21条第5項)。

    3.地域脱炭素化促進事業の認定

    1. 地域脱炭素化促進事業を行おうとする者は、事業計画を作成し、地方公共団体実行計画に適合すること等について市町村の認定を受けることができる(第22条の2)。
    2. 1.の認定を受けた認定事業者が認定事業計画に従って行う地域脱炭素化促進施設の整備に関しては、関係許可等手続のワンストップ化や、環境影響評価法に基づく事業計画の立案段階における配慮書手続の省略も可能といった特例を受けることができる。(第22条の5〜第22条の11)。

    以上の条文にあるように、各自治体が目標や実施施策を設定しその達成と取り組みに努めることが求められます。また、既存の地方公共団体実行計画制度を拡充する形で地域脱炭素化促進事業計画の認定制度が導入され、この認定を受け地域脱炭素化促進事業を行う事業者は、自然公園法・温泉法・廃棄物処理法・農地法・森林法・河川法の関連手続きをワンストップで受けられ、手続きの円滑化と効率化を図れます。

    3.企業の温室効果ガス排出量情報のデジタル化とオープンデータベース化

    今回の改正以前から、全ての事業所の原油換算エネルギー使用量合計が年間1,500kl以上となる事業者、また温室効果ガスごとに全ての事業所の排出量合計が年間3,000t以上となる事業者について、事業者自身が温室効果ガスの排出量を算定し報告する義務があります。しかし、現状は紙媒体中心の報告であるため、報告から公表まで約2年を要し、公表される情報も企業単位であり、事業所単位の情報は開示請求手続きを踏まなければ開示されない仕組みです。

    日本全体での脱炭素化の実現のために、地域企業の脱炭素経営の支援を推進していくことも併せて重要で、企業の脱炭素化に向けた取り組み状況の見える化や、地域企業への支援策を講じることで企業の脱炭素経営を促進していきます。

    1.温室効果ガス排出量の算定報告公表制度のデジタル化

    今回の改正により、企業の温室効果ガス排出量削減に向けた取り組み状況は、原則として電子システムによって報告するものとし、これにより報告から公表までの期間が短縮されるだけでなく開示請求なしで情報を閲覧でき、企業の排出量などの情報がより迅速かつ透明性の高い形で見える化されることが期待されます。ESG評価の上でも極めて重要な要素であり、迅速かつ透明性のある情報開示がステークホルダーや投資家からの信用と信頼を獲得することにつながります。

    2.事業者向けの啓発・広報活動の明記

    また、地域地球温暖化防止活動推進センターの事務として、温室効果ガスの排出量削減のための事業者向け啓発・広報活動が追加されます。

     

     

    改正温対法の背景

    今回の2021年度改正の背景には、ここまで触れてきたようにパリ協定の2℃・1.5℃目標および2020年10月の「2050年カーボンニュートラル宣言」が挙げられます。世界の潮流が数年前から環境保全やサステナビリティに流れていく中、日本はパリ協定の批准に遅れ、カーボンニュートラルの宣言にも遅れ、エネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの比率も低いまま、国としての国際的な競争力の維持・強化とイニシアチブの形成に後手を踏んできました。2020年のカーボンニュートラルの宣言でようやく土俵に上がり、今回の改正温対法で達成への道筋を示したと言えます。

    地域においては、国のカーボンニュートラル宣言に先立って「ゼロカーボンシティ」を宣言する自治体が現れ、早くからカーボンニュートラルに取り組む自治体も存在しました。こうした自治体は増加傾向にあり、実効性を伴った形でさらに促進させるべく、今回の改正では地方自治体に対する目標と目標を達成するための施策の設定に重きが置かれた印象です。

    企業においては、ESGの観点から気候変動に関する事業活動の情報開示や目標設定などの重要性が高まっているだけでなく、SBTTCFDRE100などといった国際イニシアチブに参画する企業数が日本は世界的にも高い水準にあり、企業での取り組みでは世界をリードしています。

    TCFD賛同機関数 ※2021年6月25日時点

    気候関連の財務情報を開示するタスクフォース。

    世界2,271機関(うち日本428機関)
    →世界第1位(アジア第1位)

    SBT認定企業数 ※2021年5月31日時点

    パリ協定が求める水準と科学的に適合した、5年〜15年先を目標年として企業が設定する温室効果ガス排出削減目標。

    世界729社(うち日本102社)
    →世界第2位(アジア第1位)

    RE100参加企業数 ※2021年7月21日時点

    企業の事業活動におけるエネルギーをすべて再生可能エネルギーで賄うとする国際イニシアチブ。

    世界320社(うち日本58社)
    →世界第2位(アジア第1位)

    RE Action参加団体数 ※2021年7月27日時点

    日本独自のRE100プラットフォーム。中小企業や地方自治体などが参加でき、RE100同様に再エネ100%を目指す。

    157団体

    改正温対法の意義

    パリ協定および2050年カーボンニュートラル宣言を法律の基本理念に新設したことは画期的で、今後、政権交代によって政治動向が変化した場合でも、政策レベルでの影響を緩和し、温室効果ガス排出削減という政策が継続していくという確実性が高まりました。企業や地方自治体にとっては、政権交代や政府の方針転換が事業収益や自治体運営に決して小さくない影響を及ぼすため、今回の改正で地球温暖化対策という点においては今後の予見可能性を得られ、大胆な事業拡大や新規事業開拓、イノベーションの促進が期待できます。

    また、地方自治体レベルに再エネ促進の目標と目標達成の施策を設けることを課したことも重要です。これまでは、全国の地方公共団体のうち30%しか実行計画を策定していないことからもわかるように実効性に欠ける計画でした。目標達成にコミットする必要性と再エネ推進策の裁量を拡大したことで、自治体の実効性ある施策が期待されます。

    新設された基本理念に「国民」が含まれたことも前例のないことです。国や地方自治体、企業だけでなく、一個人としても脱炭素社会の実現に向けて連携して取り組んでいくことを求めています。

    環境省は、基本理念の創設は、政策の方向性や継続性を明確に示すことで、あらゆる主体(国民、地方協団体、事業者等)に対し、予見可能性を与え、取り組みやイノベーションを促進するとしています。地球温暖化という難題に総力を挙げて取り組む政府の意思を示しました。我々もすでに傍観者ではなく、当事者として向き合っていかなければなりません。

  • 締切迫る!【補助率2/3】工場・事務所の省エネ化を補助する令和3年度省エネ促進補助金

    今月6月30日に締め切りが迫った「令和3年度先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の公募要領と採択されるコツをご紹介します。

    対象事業

    先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、法人および個人事業主の省エネ対策を補助する補助金制度です。対象となる事業は以下の4つです。

    A.先進事業

    高い技術力や省エネ性能を有し、今後、導入ポテンシャルの拡大等が見込める先進的な省エネ設備等の導入を行う省エネ投資への支援

    B.オーダーメイド型事業

    個別に設計が必要な設備等の導入を含む設備更新や、プロセス改修による省エネ取り組みに対しての支援

    C.指定設備導入事業

    省エネ性能の高い特定のユーティリティ設備、生産設備等への更新の支援(より多くの事業者を採択するために定額補助性をとる)

    D.エネマネ事業

    エネマネ事業者とエネルギー管理支援サービスを締結し、EMSの制御効果と運用改善効果による、より効果的な省エネ取り組みについての支援

    補助対象者

    企業規模を問わない日本国内の法人(規模により補助率の違い有り)および青色申告をしている個人事業主

    申請手順

    手順1.導入予定設備の確認と省エネ計画作成

    対象設備aは対象事業A、bはBのように、対象設備は同じアルファベットの対象事業の申請要件を満たして申請します。設備は単独が基本ですが、複数設備を組み合わせて申請することもできます。

    a.先進設備・システム

    SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ:事務局)がホームページで先進設備・システムとして公表した補助対象設備

    b.オーダーメイド型設備

    機械設計を伴う設備または事業者の使用目的に合わせて設計・製造する設備等で、設計図書等の納品物があるもの

    c.指定設備

    SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが補助対象設備として登録および公表したもの
    ユーティリティ設備:高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、冷凍冷蔵設備 等計10設備
    生産設備:工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン

    d.EMS機器

    SIIが補助対象設備として公表したエネルギーマネジメントシステム

     


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    手順2.省エネ効果の合算

    dを除くa~cの省エネ効果を合算します。

    手順3.省エネ効果の該当要件確認・事業区分選択

    「事業要件」および手順2で算出した省エネ効果がA・B・Cのどの「省エネルギー効果の要件」を満たすか確認し、申請する事業区分を選択します。

    事業区分 A.先進事業 B.オーダーメイド型事業 C.指定設備導入事業
    事業要件 資源エネルギー庁に設置された「先進的省エネルギー技術等に係る技術評価委員会」において決定した審査項目に則り、SIIが設置した外部審査委員会で審査・採択した先進設備・システムを導入する事業 機会設計が伴う設備または事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備等(オーダーメイド型設備)を導入する事業 SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが補助対象設備として登録および公表した指定設備を導入する事業
    省エネルギー効果の要件 申請単位において、原油換算量ベースで以下いずれかの要件を満たす事業
    ①省エネ率:30%以上
    ②省エネ量:1,000kj以上
    ③エネルギー消費原単位改善率:15%以上
    申請単位において、原油換算量ベースで以下いずれかの要件を満たす事業
    ①省エネ率:10%以上
    ②省エネ量:700kj以上
    ③エネルギー消費原単位改善率:7%以上
    SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たす設備を導入すること
    補助対象経費 設計費、設備費、工事費 設計費、設備費、工事費 設備
    補助率 中小企業者・個人事業主 2/3以内 1/2以内
    ※投資回収年数7年未満の事業は1/3以内
    設備種別・性能(能力等)毎に設定する定額の補助
    大企業 1/2以内 1/3以内
    ※投資回収年数7年未満の事業は1/4以内
    補助金限度額 【上限額】15億円/年度
    【下限額】100万円/年度
    【上限額】15億円/年度
    【下限額】100万円/年度
    【上限額】1億円/年度
    【下限額】30万円/年度
    D.エネマネ事業
    SIIに登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、SIIに登録されたEMSを用いて、より効果的に省エネルギー化を図る事業
    申請単位で、「EMSの制御効果と省エネ診断等による運用改善効果」により、原油換算量ベースで省エネルギー率2%以上を達成する事業
    設計費、設備費、工事費
    1/2以内
    1/3以内
    【上限額】1億円/年度
    【下限額】100万円/年度

    スケジュール

    公募期間

    2021年5月26日(水)~2021年6月30日(水)

    申請は、申請に必要となる証憑書類を準備し、WEB上の補助事業ポータルへ入力します。その後、申請書類等の必要書類を提出します。

    交付決定

    2021年8月下旬(予定)

    事業期間

    交付決定日~2022年1月31日(月)

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    (参考)

    • SII告知ページ:https://sii.or.jp/cutback03/overview.html
    • 事業概要パンフレット:https://sii.or.jp/cutback03/uploads/k01_panflet_gaiyou.pdf
    • 公募要領:https://sii.or.jp/cutback03/uploads/k05_kouboyouryou.pdf
    • 交付規程:https://sii.or.jp/cutback03/uploads/k06_koufukitei.pdf

  • 工場立地法とは?太陽光発電施設は環境施設として見なされる

    工場立地法の意外な対策方法とは?太陽光発電は「環境施設」として認められる!

    工場経営者であれば遵守しなければならない「工場立地法」について、その概略と対策方法としての「太陽光発電施設」の活用を解説します。

     

     

    工場立地法とは

    「工場立地法」は、工場立地が環境の保全を図りつつ適正に行われるよう、工場立地に関する準則等を公表するなどし、もって、国民経済の健全な発展と国民の福祉の向上に寄与することを目的としています(法第1条)。

    この法律は2017年4月に施行され、環境保全に考慮した工場立地を行うために、工場を建てる際に守らなければならない条件を定めています。

    「特定工場」と呼ばれる一定規模以上の工場や事業場を設置する際などに、届出などが義務付けられています。

    届出の対象 特定工場の定義

    • 敷地面積9,000㎡以上
    • 敷地内の建築物の建築面積の合計が3,000㎡以上 ※1

    のいずれかの条件を満たすこと。

    また、業種として

    • 製造業(物品の加工修理業を含む)※2
    • 電気供給業(水力発電所、地熱発電所、太陽光発電施設を除く)※3
    • ガス供給業
    • 熱供給業

    のいずれかである工場が法規制の対象となります。

    ※1.工場のほか、事務所や倉庫といった全ての建築物を含みます。また建築面積は水平投影面積を指します。
    ※2.農業生産物の出荷場(選別、洗浄、包装などを行う事業所や植物工場=業種が“農業”に分類される)は、原則対象外ですが、加工場の場合は届出対象となる場合があります(事業が規制対象業種である“製造業”と判断される場合、例えばでんぷん製造業など)。

    ※3.電気供給業でない特定工場内に設置された太陽光発電施設は、後述する「環境施設」として届出の対象となります。

    届出の期日

    届出の期日は、原則工事着工の90日前ですが、都道府県(弊社がある静岡県など)によっては届出と同時に着工までの期間を短縮したい旨を申請すれば、市町村と協議のうえ、期間を短縮することができます。

    届出の際重要となるの規制内容は、「生産施設面積率」と本法律の肝である「環境保全」の基準となる「緑地面積率」「環境施設面積率」です。この3点について順に説明いたします。

    生産施設面積率

    生産施設とは工場(機械や設備が設置してある建物)やプラント類を指します。事務所棟や倉庫、研究所棟など、工場棟から独立した建築物は生産施設に含まれません。太陽光・風力発電による自家発電施設、変電所・受電設備、工業用水施設なども生産設備には含まれませんが、太陽光・風力以外の自家発電設備、ボイラー、コンプレッサーなどは生産施設に含まれるため注意が必要です。

    生産施設面積率の規制は工場の業種によって異なり、

    生産施設面積率 業種の区分
    30%
    • アンモニア製造業および尿素製造業
    • 石油精製業
    • コークス製造業
    • ボイラ、原動機製造業
    40%
    • 伸鉄業
    45%
    • 窯業・土石製品製造業
      (板ガラス製造業、陶磁器・同関連製品製造業、ほうろう鉄器製造業、七宝製品製造業及び人造宝石製造業を除く。)
    50%
    • 鋼管製造業
    • 電気供給業
    55%
    • でんぷん製造業
    • 冷間ロール成型形鋼製造業
    60%
    • 石油製品・石炭製品製造業
      (石油精製業、潤滑油・グリース製造業(石油精製業によらないもの)及びコークス製造業を除く。)
    • 高炉による製鉄業
    65%
    • その他の製造業
    • ガス供給業
    • 熱供給業

    以上のように定められています。

    緑地面積率・環境施設面積率

    特定工場は、業種に関わらず、工場敷地面積あたり20%以上の緑地ならびに25%以上の環境施設を設けなければなりません。

    ただし、この割合は立地する都道府県によっては、条例により緩和されている場合もあります。例えば弊社が所在する静岡県では、県内の清水町、函南町、小川町を除く町部においては次のように緩和されています。

    区域
    (都市計画法)

    要件

    第1種 第2種 第3種 第4種
    住宅地域
    商業地域
    準工業地域 工業地域
    工業専用地域
    その他、用途指定がない混在地域
    緑地面積率 20%以上 15%以上 10%以上 20%以上
    環境施設面積率 25%以上 20%以上 15%以上 25%以上

    また、緑地面積率・環境施設面積率それぞれの算出方法は

    • 緑地面積率=緑地面積/敷地面積×100[%]
    • 環境施設面積率=(緑地面積+緑地面積以外の環境施設面積)/敷地面積×100[%]

    と定められています。ここで注意したいことは、環境施設面積が緑地面積を含む点です。例えば敷地面積の20%にあたる緑地を持つ場合、必要な環境施設面積は25%-20%=5%だけとなります。

    緑地の定義と緑地以外の環境施設

    工場立地法の規則第3条にて、緑地は以下のように定義されています。

    緑地は、次の各号に掲げる土地又は施設(建築物その他の施設(以下「建築物等施設」という。)に設けられるものであって、当該建築物等施設の屋上その他の屋外に設けられるものに限る。以下「建築物屋上等緑化施設」という。)とする。

    1. 樹木が生育する区画された土地又は建築物屋上等緑化施設であって、工場又は事業場の周辺の地域の生活環境の保持に寄与するもの
    2. 低木又は芝その他の地被植物(除草等の手入れがなされているものに限る。)で表面が被われている土地又は建築物屋上等緑化施設

    容易に移設できず、良好な状態に維持管理されていれば、花壇や苔、さらには雑草地も緑地として認められるとされています。しかし、人工芝や野菜畑、温室、ビニールハウスは緑地として認められません。

    一方、緑化駐車場やパイプ下の芝生など(「緑地以外の環境施設」以外の施設と重複する土地)は重複緑地と呼ばれ、屋上や壁面の緑地とともに工場立地法の緑地として認められます。ただしその算入上限は、緑地面積率の1/4までと定められています。また、面積の計算方法は、傾斜面については水平投影面積、垂直壁面については壁面の長さ×1 mと定められています。

    「緑地以外の環境施設」の判断基準

    1. オープンスペースであり、かつ、美観等の面で公園的に整備されている
    2. 一般の利用に供するよう管理されること等により、周辺の地域住民等の健康の維持増進または教養文化の向上が図られる
    3. 災害時の避難場所等となることにより防災対策等が推進される
    4. 雨水等の流出水を浸透させる等により地下水の涵養が図られる
    5. 太陽光発電施設(生産施設に該当するものを除く。)については、実際に発電の用に供される

    具体例

    修景施設 噴水、水流、池、滝、つき山、飛び石、灯籠、東屋等
    屋外運動場 野球場、サッカー場、テニスコート、屋外プール等(これらに付属する観覧席等を含む)
    広場 簡単な運動や集会が可能で、明確に区分されたオープンスペースで公園的に整備されているところ
    屋内運動施設 体育館、屋内プール等(これらに付属する観覧席等を含む)
    教養文化施設 企業博物館(製造業に関し、歴史的・文化的価値ある資料を収集・保存・展示している施設)、美術館等
    雨水浸透施設 浸透管、浸透ます、浸透側溝、透水性舗装地等(雨樋のように雨水を通すだけのものを除く)
    太陽光発電施設 生産施設ではないこと

     

    環境施設としての太陽光発電施設

    上記の環境施設の定義にもあるように、太陽光発電施設は緑地以外の環境施設として明確に認められています

    他の環境施設は景観の整備やストレスの発散という利点がある一方、経済的なメリットは期待できませんが、太陽光発電施設は電気料金の削減により直接的に工場経営に還元されます。また、CSR・SDGs活動の一環としてアピールできるほか、停電時の非常用電源として活用できBCP(事業継続計画)対策にもなります。

    太陽光発電施設が環境施設として認められたのは2012年のことで、同じ年には再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT法)がスタートしています。太陽光発電を始めとした再生可能エネルギーの導入拡大を目指す政府の方針から、太陽光発電施設が環境施設として認められたことがうかがえます。

    太陽光発電施設導入のメリット

    それでは、環境施設として太陽光発電施設を導入するメリットをご紹介します。

    電気代削減効果

    太陽光発電で発電した電気を自社の工場で使用すれば、その分だけ電力会社から買う電気量が削減できるため、電気代を削減できます。さらに、昨今の太陽光発電の導入費用は年々下落するなか、電気料金は継続的な値上がり傾向にあり、電気は電力会社から調達よりも、太陽光発電で発電する方が安く調達できるようになりました。

    電力会社から買う量を減らせるだけでなく、より安く調達できることで電気代を削減できるメリットは、他の噴水や運動場などの環境施設にはない太陽光発電施設だけの経済的なメリットです。

    工場敷地の有効活用

    太陽光発電施設は基本的に屋根に設置するタイプであるため、運動場のように敷地内に環境施設用のスペースを確保する必要がありません。環境施設専用のスペースを確保する必要がないということは、それだけ工場などの建屋に使える敷地を確保できるということで、建屋を拡張できたり、より広く建てたりすることができます。

    脱炭素化と企業価値の向上

    RE100やSBT、ESG投資、SDGsなどに代表されるように、世界の潮流はCO2からの脱却、脱炭素化です。菅首相が2020年の10月に、2050年までに日本国内の脱炭素社会を実現すると宣言するなど、日本においても脱炭素の波が押し寄せています。日本のCO2排出は、企業の活動による生産部門が8割を占めており、日本の脱炭素化には企業努力が欠かせません。

    そして、こうした脱炭素化や自社で消費するエネルギーを再生可能エネルギー由来に切り替えていく取り組みは、今後企業の経済活動に関わってくることも見逃せません。化石燃料由来の電気を使い続ける企業は、ESG投資の観点から投資先としての評価が下落していき、RE100やSBTに取り組む企業からは、取り引きから外されていきます

    太陽光発電施設を導入し、発電した電気を自社で使えば、自ずと再生可能エネルギーの使用量が増え、化石燃料由来の電気の使用量は減っていくため、脱炭素化を進めることができます。同時に環境先進企業としての企業価値が上がっていき、新規取り引き先や新規案件を獲得していくことができます。

    補助金と税制優遇が使える

    太陽光発電の導入には、太陽光パネルやその設置工事、また蓄電池の導入にかかる費用に補助金が出ています。また、中小企業経営強化税制を活用した100%即時償却または10%(企業規模によっては7%)の税額控除による節税ができます。うまく活用することで、初期費用を抑えた導入が可能です。

    BCP対策に有効

    近年多発する大型台風や記録的な大雨、そしてパンデミックなどから、緊急事態への直面を想定した事前の備えは、企業においても急速に対策が進んでいます。太陽光発電施設は、太陽が出ていれば発電できることで停電時でも電気が使えるというメリットがあり、BCP対策によく組み込まれています。蓄電池を併設し、あらかじめ電気を貯めておけば、太陽光発電が発電できない夜間や雨天時にも対応でき、緊急事態時のスマホやパソコン、テレビなどを使った情報収集、従業員や家族の安否確認などに役立ちます

    太陽光発電施設の活用場面

    おすすめの企業様、活用場面をご紹介します。

    • 工場敷地を有効活用したい
    • 新たに建屋を建てたい・拡張したいがスペースがない(既存の環境施設に建てるほかない
    • コストを削減したい
    • 親会社や取り引き先から、再エネ化を要請されている
    • 今年度利益が出たため節税したい
    • 停電で大損害を被った経験がある(また、その可能性がある)
    • BCPを策定中あるいは検討している

    太陽光発電施設導入のデメリットと注意点

    電気代が削減でき、工場敷地も有効活用できる太陽光発電施設ですが、導入の際のデメリットも考慮しておく必要があります。

    初期費用およびランニングコストがかかる

    太陽光発電施設の大きさによって異なりますが、導入時には1,000万円~3,000万円ほどの費用がかかります。メンテナンスや遠隔監視などのランニングコストが発生することにも留意しておく必要があります。

    ただ、前述のように太陽光発電施設は他の環境施設とは異なり、電気代削減による経済的なメリットがあります。電気代の削減で換算すると初期費用はおよそ10年で回収でき、補助金や税制優遇を活用すれば5年や6年での回収も見込めます

    稼働率は天候に左右される

    太陽光発電施設は太陽が出ていないと発電できないため、その稼働率は天候に左右されます。導入の際には、業者からどれだけ発電するのかというシミュレーションが提案されますが、どういった計算がされているかや、シミュレーション値の根拠、近場の発電所の実績値を確認すると良いでしょう。

    屋根貸しなど第三者の管理下にある場合

    太陽光発電施設を屋根貸しによって設置している場合、またPPA・TPOモデルを用いて導入しているような、施設が第三者の管理下にある場合は注意が必要です。

    太陽光発電施設に何かしらの変更などを加える際に、工場側がその変更を行えれば環境施設として見なされますが、第三者に管理権限があって、工場側で太陽光発電施設を管理下に置けない状況だと、環境施設としては見なされません

     

    まとめ

    工場立地法の概要と環境施設としての太陽光発電施設をご紹介しました。工場立地法は、工場を建てる際には必ず検討する必要がある法律で、工場側には緑化や環境施設も考慮した建設が求められます。自治体によって届出の期日や手続き方法が多少異なることも注意が必要です。

    限られた敷地をできるだけ建屋として活用したい、電気代コストが目に見える課題としてある場合は、環境施設に太陽光発電を検討すると良いかもしれません。下記では、無料で電気代削減のシミュレーションを行っています。お気軽に実施ください。

     

     

    出典
    ・「工場立地法について」静岡県WEサイト
    ・「静岡県 工場緑化ガイドライン~「質の高い」工場緑化を目指して~」静岡県資料
    ・「工場立地法 よくある質問」愛知県安城市資料
    ・「工場立地法運用例規集」経済産業省資料
    ・「工場立地法FAQ集(第2.0版)」経済産業省資料
    ・「特定工場届出の手引」静岡県資料

  • 2021年の再エネ賦課金は3.36円。家庭では1万円を超える負担に

    2021年度再エネ賦課金は3.36円|家庭では年間1万円超えの負担

    経済産業省は2021年3月24日に、電気の使用量に応じて需要家が負担する再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)の2021年度単価が、前年の2020年度の2.98円/kWhより0.38円高い3.36円/kWhとなることを公表しました。

    この増額によって、一般的な家庭(1ヶ月あたりの電気使用量260kWh)では年間10,476円の負担となる見通しで、再エネ賦課金が適用された2012年から初めて1万円を超えました。
    企業の負担は業種や業態によって大きくばらつきがありますが、例として事業所の1ヶ月あたりの電気使用量を1,700kWhとすると、年間7万円弱の負担となります。

    この2021年度の再エネ賦課金単価は、2021年5月の検針分から2022年4月の検針分まで適用されます。

     

    |再エネ賦課金単価のこれまでの推移

    【2021年版】再エネ賦課金単価の推移

    出典:資源エネルギー庁資料より作成

    直近2年間は数%の上昇範囲で横ばいでしたが、2021年度は前年度から約13%の上昇となり、3円を超えました。

    |なぜ3.36円なのか

    2021年度再エネ賦課金単価算定根拠

    出典:資源エネルギー庁資料

    再エネ賦課金の単価は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT法)で年間に買い取る電力量の想定(買取費用)から回避可能費用を差し引いた差額を、当年度に想定される総需要電力量(販売電力量)で割ることで算定します。回避可能費用とは、電力会社が買い取るFIT再エネ電力量分を、自社で保有する火力発電所などでの調達に置き換えた際に要するコストで、電力会社にとっては自社で調達せずに支出を免れた費用です。その差額をわれわれ国民が電気料金で負担しています。

    FIT再エネで3兆8,434億円かけて調達する電力量を、東電や中電が火力発電などで調達する場合は1兆1,448億円で済むから、その差額の2兆6,986億円は再エネ導入拡大のためのコストとしてみんなで払おうね、ということです。

    近年の横ばい傾向から10%以上賦課金単価が値上がりした要因は、回避可能費用等が前年度から3,300億円も減ったためだと読み取れます。2020年から2021年の年末年始にかけて発生した、電力市場価格の異常な高騰が大きく影響していると予想されます。

  • エネルギーマネジメント

    エネルギーマネジメントとは|コロナ時代を生き抜く企業の省エネ施策

    東日本大震災以降、電力供給への不安や電気料金の高騰が発生し、「エネルギーマネジメント」という省エネなど電力の効率的な使用を促す活動が注目されるようになりました。

    そしてその9年後の新型コロナウイルスによって、またも日常生活や企業の経済活動は変化を余儀なくされ、エネルギーの省エネだけではない、企業活動そのものを変革させる意味合いをも持つようになってきました。

    混同しやすいEMSとの違いにも触れながら、企業が取り組むべき最新のエネルギーマネジメントをご紹介します。

     

    エネルギーマネジメントとは

    エネルギーマネジメントとは会社の事務所やビル、工場、住宅、地域などのエネルギー使用を見える化し、効率的に使用するための企業や個人、地域の活動を指します。

    具体的にはEMSを導入することによるエネルギー使用の見える化であったり、太陽光発電で発電した電気を事務所などで使う自家消費であったり、高効率な機器への入れ替えによる省エネだったりです。

    エネルギーマネジメントを縮めて「エネマネ」とも呼びます。

    EMSとの違い

    EMSはEnergy Management System(エネルギーマネジメントシステム)の略で「エムズ」と呼びます。エネルギーの使用状況を見える化し、制御できるシステムです。

    エネルギーマネジメントとEMSの違いは、エネルギーマネジメントが省エネ活動全体を指し、EMSはその活動の一部だという点です。EMSは現在のエネルギー使用を把握できるため、エネルギーマネジメントではまず最初に導入すべきシステムと言えます。

    EMSには導入する設備や場所により、BEMSやHEMS、FEMSなどと呼ばれます。BEMSは企業の事務所やビル(Building)、HEMSは住宅(Home)、FEMSは工場(Factory)に導入するEMSを指します。他にはCEMS(Community:地域)、MEMS(Mansion:マンション)などがあります。

     

    エネルギーマネジメントの実施-効果的なサイクル

    エネルギーマネジメントの取り組みは、EMSによる現状の見える化→分析→改善施策立案→太陽光発電や蓄電池の導入→見える化による実施施策の効果測定→分析→改善施策立案…というPDCAのような一連のサイクルで回っています。

    見える化

    EMSによるエネルギー使用の見える化を図ります。EMSがないと電気やガス、水道などのエネルギーがどこでどれだけ使われているのかがわからず、省エネをしようにも改善すべき箇所がわかりません。そのため、現状把握に必須のシステムです。また、改善策実施後の効果測定にも欠かせず、エネルギーマネジメントによる省エネの実現はEMSの導入が大前提です。

    分析

    見える化により得られたデータを分析します。省エネを妨げている要因はどこなのか、改善策による効果がどの程度あったのかを効果測定します。

    改善策立案

    分析により得られた結果から、改善計画を立案します。

    実行

    立案した改善策を実行します。実行した後は再び、見える化→分析…という一連のサイクルを絶えず実行していきます。

     

    エネルギーマネジメントが必要な理由-なぜ必要か

    EMSによるエネルギーの見える化から始まるエネルギーマネジメントですが、なぜ今注目され、企業に必要とされているのでしょうか。

    理由はこれまでの省エネという価値に加え、昨今のRE100やRE Action、SDGsといった環境や社会を巻き込んだビジネスの潮流を受け、エネルギーマネジメントにも新たな付加価値が見出されたためです。

    経済的なメリット

    まずは経済的なメリットです。

    エネルギーマネジメントに取り組めば、割高な電気の使用量を抑えることができます。
    無駄なエネルギーを省く省エネ効果が得られ、電気代などのコストを削減し企業の利益体質を改善できます。

    コスト削減は企業経営において普遍的な課題ですが、なぜ今またエネルギーマネジメントの省エネなのでしょうか。

    ポイントは3つです。

    • 電気料金の高騰
    • 太陽光発電設備の値下がり
    • 売る電気よりも買う電気の方が高い→自社で使った方が経済的

    |電気料金の高騰


    出典:資源エネルギー庁資料より作成

    東日本大震災による甚大な被害が1つの要因となり、電気料金は2011年から値上がり傾向にあります。確認の取れた直近データとして、2019年度の17.0円は相当高い水準です。そしてこの高騰は、今後も高水準で推移していくことが予想されます。

    再生可能エネルギー導入拡大のための賦課金の増大、東日本大震災により発生した賠償金負担および廃炉費用負担、容量市場の約定額負担が今後発生してくる、物によってはもうすでに発生しているためです。

    こうしたすでに明らかになっている今後の上昇要因をできるだけ回避するために、省エネ、また買う電気をできるだけ減らす取り組みが必要なのです。

    |太陽光発電設備の値下がり

    太陽光発電は固定価格買取(FIT)制度下において、最も導入の進んだ再生可能エネルギーです。業者間の好意的な競争のおかげで、コストは10年前からは80%、5年前からは60%、3年前からは10%下落し、低コスト化が進んでいます。


    出典:資源エネルギー庁資料より作成

    太陽光発電の構造は半永久的に発電でき、効果的に発電できる期間はおよそ30年と言われています。

    低コスト化が進んだことで、FIT価格の下落が進む現在でも10年程での投資回収が可能で、補助金や税制優遇を使えばさらに回収を早めることが可能です。少なくとも20年間は、電気代削減効果が期待できるのです。

    |売る電気よりも買う電気の方が高い→自社で使った方が経済的

    FIT価格(売電単価)の下落、そして電気料金の高騰から、太陽光発電で発電した電気の売電収入と電気を買う買電費用の逆転が数年前から発生しています。

    つまり、発電した電気を売るのではなく自社で使う方が経済的なメリットがある、ということです。


    出典:資源エネルギー庁資料より作成 ※2020年以降の電気料金は予測値

    自社で使うことを「自家消費」と呼んでいますが、自家消費することで買う電気よりも安い電気を使えるだけでなく、その分の電気の購入量をおのずと削減することにもなるため、二重の電気代削減効果を得られます。

     

    企業も再エネ導入を経営戦略とする時代

    続いて、最近になって見出された新たな付加価値です。

    RE100やRE Action、SDGsに代表される環境・社会・経済を相互連携させ、より良いものにしていく国際的なイニシアチブは、日本でも大企業を中心に取り組みが広がり、近年は中小企業や地方自治体においてもその波が押し寄せています。

    コロナ禍からの復興を環境への投資で成し遂げようとする「グリーンリカバリー」が、合言葉のように叫ばれるようにもなりました。2020年以降を生きる企業の環境や社会への活動は、これまでのCSRのような責任という範囲に留まるものではなく、コロナにより痛みを伴ってもたらせたニューノーマルな世界のスタンダードになりつつあります。

    |2050年カーボンニュートラル宣言

    2020年10月に菅首相は、2050年までに日本国内での温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言しました。「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ということは、消費電力量のすべてを再生可能エネルギーに置き換え、CO2などの温室効果ガスを全く排出しない、ということではありません。森林やCO2回収技術などを駆使し、温室効果ガスの排出と吸収をニュートラルな状態にすることを指します。

    政府が全世界に向けてこのような宣言をしたことで、日本国民一人一人がこの目標を達成するべく行動する必要も発生しました。

    事務所屋根などを活用した太陽光発電が必要

    カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーのさらなる導入が欠かせません。再生可能エネルギーの導入または脱炭素化を経営戦略に組み込んでいる企業は増加傾向にはありますが、さらに環境への意識を強めていく必要があります。

    なぜかというと、カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーの本丸である太陽光発電を300GW以上導入する必要がある(出典:一般社団法人太陽光発電協会)ためです。300GWは、現在の導入量の5倍に相当する数字ですが、それ以上に導入を進めていかなければなりません。

    この300GWのうち、企業の事務所や工場などの屋根あるいは空いている用地への導入量は約64GW、約20%を企業において導入することが想定されています。


    出典:一般社団法人太陽光発電協会

    CO2の排出は約9割が企業によるもの

    カーボンニュートラルの実現には再生可能エネルギーの導入拡大に加え、省エネや先進技術の導入によりCO2の排出を抑制する電力消費量の削減もカギとなります。

    2018年度の日本国内のCO2排出量は約11億3,800万トン(出典:温室効果ガスインベントリオフィス)で、その約86%が産業部門つまりは企業からの排出です。

    部門別で見ると鉄鋼業が2位以下に大きく差をつけトップ、その下には化学工業、乗用車、貨物自動車、窯業・土石製品製造業、農林水産業と続きます。これら産業に限った話ではありませんが、特にCO2排出の多い産業ではカーボンニュートラルを実現するために、ドラスティックな変化が求められています。

    2035年までに新車販売の100%EV化は、到底一企業で通り組める目標ではありませんが、電力使用の見直しや太陽光発電の導入によるCO2排出の削減は、一企業で十分取り組むことができ、今後重要度を増していく経営戦略です。


    出典:三菱UFJリサ―チ&コンサルティング・温室効果ガスインベントリ資料より作成


    出典:三菱UFJリサ―チ&コンサルティング・温室効果ガスインベントリ

    |サプライチェーンまでを含めた100%再エネ化の波

    RE100という企業活動で消費するエネルギーをすべて再生可能エネルギーで賄う国際的な環境イニシアチブは、全世界で290社を超える企業が加盟し、日本からは50社が加盟しています(2021年3月時点)

    RE100に加盟することは脱炭素化および再生可能エネルギーの普及に貢献していること内外にアピールできるだけでなく、昨今のESGを重要視するマーケットの側面からも無視できない評価基準となっています。加盟できるのは限られた世界的な大企業であるため、そうした意味でも一種のステータスとも言えます。


    出典:JCLPウェブサイトより作成

    RE100で求められている再生可能エネルギー100%は、加盟する自社だけの目標ではないことも特徴です。

    加盟する企業のグループ会社や部品などを供給するサプライチェーンも、再生可能エネルギー100%を達成する必要があります(※条件あり)。自社は加盟していなくても、ある日突然、親会社や川上の取引先からの要請で、太陽光発電を導入したり再生可能エネルギー由来の電力を買ったりなどで、比率を上げていく必要が出て来るやもしれません。

    例えば、Appleは2018年に全世界にある同社の施設すべてにおいてRE100を達成しました。同時に、2015年に立ち上げた「サプライヤー・クリーン・エネルギー・プログラム」において、日本を含めた全世界のサプライヤーに対して、同社に供給する部品製造などを行う生産活動で2030年までにRE100を達成することを求めています。

    すなわち、再生可能エネルギー100%でなければ、もはやAppleとは取引できないということです。

    こうした動きは、全世界の加盟企業290社のうち50社を日本が占めていることからも無関係の話ではなく、中小企業であっても、自社は加盟していなくとも、RE100を達成する必要が必ず発生してきます。そうした時に、太陽光発電の導入や再生可能エネルギーを取り扱っている新電力会社プランへの切り替えなどのエネルギーマネジメントは、再エネ比率を高めるための有力な選択肢となります。

     

    BCP:災害やパンデミックなどの緊急事態への対応

    新型コロナウイルスによって、我々は、未来は予見できない不確実なものであることを痛感しました。近年多発する豪雨や大型台風による被害、そして東日本大震災とどれも記憶に新しい出来事で、いつ起こるかわからない非常事態の頻度は以前よりも明らかに上昇しています。

    企業がこうした緊急事態に直面した際に、できるだけ被害を最小限に抑え、迅速に事業を再開するために事前に対応方法などをまとめた計画をBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)と呼び、近年、非常に注目されています。

    このBCPという観点からも、エネルギーマネジメントは重要な役割を果たします。

    太陽光発電と蓄電池があれば、インフラが寸断された停電下でも電気が使え、スマホやPCを使った家族や社員との連絡が取れます。また、一刻を争う事態には、重要な判断を下す場面が多々発生しますが、その際に欠かせない情報収集も可能となります。

    どんな活動にも電気は欠かせないインフラであり、緊急事態時でも電気を使えることが、迅速な事業再開を可能とするための最低条件と言えます。以上から、太陽光発電と蓄電池の導入というエネルギーマネジメントは、BCPにおいても重要視されています。


    出典:帝国データバンク資料より作成

    いま、エネルギーマネジメントに取り組む意義

    |取り組まないという経営判断は重大なリスクと同義

    ここまで紹介してきたように、経済的なメリット企業の再エネ化の波、そしてBCP策定があり、エネルギーマネジメントが注目されています。

    電気料金の高騰やFIT価格の下落、カーボンニュートラルやRE100などは、どれも外的な要因に思えてしまいますが、今行動を起こさなければ電気代のコストは上昇し続け、再エネ化の波に乗れず取引先から除外されてしまいます。

    エネルギーマネジメントに取り組まないことは、企業にとって重大なリスクを負うことと同義なのです。

    |企業価値が上がり、新規案件の引き合いや優秀な人材を獲得できる

    逆にエネルギーマネジメントに取り組めば、電気代を削減でき省エネとコストダウンが実現。

    脱炭素や再生可能エネルギーへの貢献が評価され、円滑な資金繰りや新規案件の引き合い、優秀な人材をリクルートできる。

    地震や大規模停電などの緊急事態に直面した際も、いち早く事業を再開できる。

    企業価値が上がり、持続可能な企業の創造につながる。これこそが、いまエネルギーマネジメントに取り組む意義です。

     

    中小企業ができるエネルギーマネジメント実践例

    EMSの導入

    現状の電力使用だけでなく、改善策実行後の効果も測定する「見える化」ツールのEMSは、エネルギーマネジメントを実施する上で欠かせません。上述したように、EMSは導入する場所や用途によって様々な呼ばれ方があり、それぞれにメーカーや商社から商品展開がされています。

    まずは、自社のどこにEMSを導入したいのか、事業所なのか工場なのか店舗なのか。通常は最も電力使用量の多い場所に導入することが、最も効果的な省エネとなるはずです。

    導入場所の目星がついたら、その場所に適したEMSを提供しているメーカーや商社に問い合わせてみましょう。
    色々なEMSのおさらい:EMS(一般的には事業所)・BEMS(ビル)・HEMS(住宅)・FEMS(工場)・CEMS(地域)・MEMS(マンション)

    |EMSを使った省エネ効果

    一元化した管理システムの構築

    企業の生産活動において、電力を消費するデバイス・機械は数多くあります。特に工場などの大規模な需要場所ではなおさらで、それらデバイスや機械の電力消費量のデータは、それぞれが独立して管理されているケースがあります。EMSによってこのデータを一つにまとめ、工場全体を管理する統一されたシステムを構築します。

    コストをかけない省エネ

    改善策の実行は、必ずしも効率の良い機器への買い替えや太陽光発電の導入だけではありません。EMSによって電力使用が見えるようになれば、エアコンの温度を調整したりアイドリングを止めたりすることだけでも、省エネができていることを実感できます。

    太陽光発電の導入

    太陽光発電は2012年から始まった固定価格買取(FIT)制度によって急速に普及してきましたが、これまでの太陽光発電はほとんどが「売電型」と呼ばれる、発電した電気の一部あるいは全量を売るモデルでした。しかしながら、上述のように近年の電気料金の高騰およびFIT価格の下落から、売るよりも使った方がお得になるため「自家消費型」が注目されています。

    太陽光発電を導入することで、割高な電気料金の購入量を抑え、屋根上などで発電した割安な電気を使うことでの省エネ効果が得られます。さらに、自社で使う電力に占める再生可能エネルギーの比率を上昇させることもできます。

    コストは年々下がり、多様な導入方法、中には補助金が出る導入方法もあるため、導入には適した時期と言えます。

    |2021年以降の太陽光発電の導入方法

    FITを使った導入-自家消費型太陽光発電

    FITは数年前から自家消費を前提としており、発電した電気をまずは自社で30%以上消費した上で、余った余剰分をFIT制度の固定価格で売電します。FIT価格は電気料金よりも安いため、できるだけ使った方が、投資回収を早められます。

    この導入方法では多くの場合、事業所や工場の屋根、あるいは敷地内の空地に設置します。

    工場や倉庫に太陽光発電をつけたい

    医療介護福祉施設に太陽光発電をつけたい

    ドラッグストア・スーパーに太陽光発電をつけたい

    PPA・TPO

    PPA・TPOは第三者保有モデルと言われ、太陽光発電に出資する事業者が別にいるため、自社でPPA・TPOモデルを使って太陽光発電を導入する場合は、初期費用・ランニングコスト0円で導入できることが魅力です。

    ただし、設置場所が自社事業所の屋根であっても、太陽光発電設備の保有はあくまで出資する事業者である点に注意が必要です。これが、初期費用・ランニングコストともに0円で導入できる理由です。

    設備は事業者との取り決めによって多少異なりますが、10年ほど経てば無償で事業者から提供されます。

    また、PPA・TPOには環境省から補助金が出ているため、今最も導入しやすい太陽光発電です。

    PPA・TPOモデルはこちら

    自己託送

    屋根に太陽光発電を設置したいけど、スペースがなくて設置できない。空地もない。そういった場合でも、太陽光発電を導入できる仕組みが自己託送です。

    電気を消費する事業所や工場などの需要地から離れた空地に設置した太陽光発電で発電した電気を、電力会社の送配電網を通して、電気を消費する事業所や工場に届ける仕組みです。電気の届け先はグループ会社内まで適応されるため、グループ単位での再生可能エネルギー率向上にも貢献します。

    屋根にスペースがない。近くに空地もない。でも太陽光発電を導入したい。そんな時は自己託送です

    蓄電池の導入

    蓄電池は家庭用の比較的小規模なサイズから、工場や物流倉庫までをカバーできる大容量のものまで幅広いラインナップがあります。店舗や事業所なら7~12kWhほど、医療・介護施設なら12kWh以上のもの、工場クラスでは78kWh以上が一応の目安ですが、消費する電力量やバックアップしておきたい容量によって異なるため、販売店と相談しましょう。

    価格は高いと思われがちですが、リチウムイオンバッテリーの技術革新と着実な普及によって下落しています。今後、EVが主流となることを考えれば、さらなる低コスト化も期待できます。

    自社に合った蓄電池とは?

    |蓄電池の省エネ効果

    ピークカット-デマンド抑制

    ピークカットは⼀⽇のうちで最も電⼒の使⽤量が多い時間帯に、蓄電池に貯めた電⼒や太陽光発電で発電した電⼒を使⽤することで、電⼒使⽤ピーク時に電⼒会社から買う電⼒量を減らします。

    これによって最⼤デマンド値が抑えられ基本料⾦が削減でき、電⼒会社から買わない分の電⼒量料⾦も削減できます。

    ピークシフト

    ピークシフトもピークカットと同じく最⼤デマンド値を抑制する効果がありますが、ピークカットとは違って使⽤する電⼒量は変わらず、⼀⽇の時間帯によってばらつきのある使⽤電⼒量を均⼀にすることで最⼤デマンド値を抑えます。

    例えば、電⼒をあまり使わない夜間に蓄電池に電⼒を貯め、電⼒をよく使う昼間に放電する使い⽅があります。

    新電力への切り替え

    新電力への切り替えは、最も簡単にできる電気代削減方法の一つです。ほとんどの場合、旧東京電力や旧中部電力などの大手電力会社よりも5%ほど安いプランが用意されています。

    新電力と言っても、旧一般送配電事業者(旧東電や旧中電)が整備している送配電網を利用するため、電気の質は変わりありません。仮に新電力からの電気の供給が難しくなった場合でも、旧東電や旧中電から電気が供給されるので停電の心配はありません。

    新電力は2021年3月時点で709社が登録されており、各社様々なプランが用意されています。その中から自社に合ったプランを探すことは、数が多いだけにハードルが高いと感じるかもしれません。

    自社に合った新電力とは?

    |新電力の選び方

    基本料金と使用電力量

    電気料金は大きく電気の使用に関わらず支払う基本料金と、使用した電力量に応じて支払う電力量料金とで構成されています。ここでは主要な3プランを紹介します。事前に電気量明細を確認して自社がどれくらい電気を使っているのか、どの時間帯が多いのかを把握しておくと選定が捗ります。

    ・基本料金 電力量料金

    このプランでは、電力量料金が高めに設定されているため、あまり電気を使わない業態がおすすめです。基本料金0円で、電力量料金だけというプランも存在します。

    ・基本料金 電力量料金

    このプランでは、基本料金が高めで電力量料金が割安に設定されており、日頃から電気を多く使う業態がおすすめです。

    ・2・3タイム制

    朝~昼・夜の2タイム制あるいは朝・昼・夜の3タイム制をとるプランです。多くの場合、夜間が割安に設定されているので、夜間に多く電気を使う業態がおすすめです。

    再エネプラン

    太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー由来の電気を使えるプランです。

    RE100などに加盟していることから、再生可能エネルギーの比率を上げたい企業におすすめのプランですが、RE100に適合するためには注意が必要です。再生可能エネルギー由来と言っても、発電場所から需要地へ電気を届ける際には既存の送配電網を使わざるを得ないため、他の火力や原子力由来のエネルギーと混ざってしまい、再生可能エネルギー由来の電気を買うだけではRE100に適合した電気とはみなされません。そのためRE100に対応するには、再生可能エネルギーの発電所で発電された電気であることを証明するトラッキング付き非化石証書のついた再エネプランを選ぶ必要があります。

    再エネ(RE)プランを設けている新電力は数多くありますが、RE100に適合するためにはトラッキングされた再生可能エネルギーかどうかの確認をしましょう。

    地域新電力

    新電力会社のなかには、ある特定の地域のみに電気を供給している「地域新電力」と呼ばれる地域密着型の新電力があります。

    特徴はサービス提供範囲が限定されている、その地域で発電した再エネを使えるプラン、資本はその地域の企業だけで成り立っている、地域通貨などの多彩な複合サービスなどです。これら特徴からわかるように、地域新電力は電力サービスを通した地域の活性化や地方創生を目的としています。東京一極集中の是正とも合致し、全国規模でこうした新電力会社が立ち上がっています。

    競争力という面では大手の電力会社には劣ってしまいますが、地域に根差した企業にとっては、ともに地元を盛り上げていくパートナーとなるのではないでしょうか。

     

    エネルギーマネジメントを導入したお客様の声

    太陽光発電や蓄電池の導入、新電力への切り替えといったエネルギーマネジメントを導入されたお客様の声をご紹介します。

    |マーブ工業株式会社 様 製造業・事業所

    製造業のお客様で、事業所の屋根に太陽光発電を設置されました。その際に既存の電力契約を見直したことで、さらに電気代削減につながっています。

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    |静岡県浜松市 診療施設 様 医療・診療施設

    太陽光発電の導入と新電力への切り替えをされました。営業時間の関係から消費電力のほとんどを太陽光発電で賄っておられます。

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    今後のエネルギーマネジメント

    創る・省く・使う・蓄える

    これまでのエネルギーマネジメントは、東日本大震災直後の電力不足を改善するためにスタートした背景から、省エネにフォーカスされていました。その後、上述したように社会情勢の変化によって、省エネだけではない再生可能エネルギーの導入拡大やBCP、企業価値の向上など新たな付加価値が見出されるようになりました。

    エネルギーマネジメントは、これまでの省エネに重点が置かれた「省く」から、自前の太陽光発電によって電力を「創り」、省エネで「省く」、効率的に「使う」、余った電力は「蓄える」という4つのフェーズが有機的に連動する概念に変わりつつあります。

    省エネによるコストカットを実現しつつ、持続可能な企業の創造に貢献するエネルギーマネジメントは、アフターコロナやWithコロナと呼ばれる時代に最適な経営戦略です。

  • 【ニュースリリース】つづくみらいエナジー㈱の小売電気事業者登録完了のお知らせ

静岡県の夜明けは「再エネ県、しずおか」から

静岡県に豊富に存在する「再エネ」を利用して静岡県の地方創生に挑むつづくみらいエナジー株式会社は、経済産業省、資源エネルギー庁の審査を経て、2021年2月19日に正式に小売電気事業者として登録されました(登録番号:A0766)。再生可能エネルギーを県内に提供していくことで、大企業誘致や県内企業の競争力アップに貢献するとともに、メインパートナー企業と関連ビジネスを展開し、静岡県の地方創生に挑戦していきます。

コロナ禍により人口過密リスクが明らかになる一方、オンラインミーティングや在宅勤務など、場所を選ばない働き方が進んでいきました。静岡県は、人口減少都市へと転じ、若年層の転出超過が目を見張りますが、浜松市を筆頭に日本有数の日照量を誇り、太陽光を中心とした再生可能エネルギーに恵まれています。今、世界中の国がこぞって脱炭素宣言を表明し、ビジネスシーンでもRE100(※1)などの脱炭素、気候変動への取り組みが加速し、大手企業のサプライチェーンに位置する中小企業までも再生可能エネルギーの導入が必要とされる状況になろうとしています。

つづくみらいエナジー株式会社では、今後需要が急増していく再生可能エネルギーを静岡県内に提供していくことで、我々自身が大企業を県内に誘致する呼び水になるとともに、県内企業の再エネ比率向上を通した県内企業の競争力アップに貢献していきます。そして、静岡県を「再エネ県、しずおか」としてリブランディングし、移住者増加や新規ビジネス創出に貢献し、静岡県を世界に冠たる持続可能性都市へと成長させる一助になりたいと考えています。

つづくみらいエナジー株式会社は、スマートブルー株式会社、静和エンバイロメント株式会社、株式会社M.A.Cの出資により設立されましたが、今後出資企業を55社まで増やし、静岡県全体のムーブメントとしていきます。

※1 RE100:The Climate GroupとCDPによって運営され、企業の再生可能エネルギー100%を推進する国際ビジネスイニシアティブ。AppleやGoogleなど、世界の大手企業が参加しており、日本企業は50社参加し、世界第2位の参加企業数を誇る

 

コンセプト

地域の再生可能エネルギー資源の地産地消を謳う「地域新電力」は、日本各地で増えつつあります。一方で、公共施設の電力契約を独占するためだけに設立されたもの、大手企業が参画し、エネルギー代金の域外流出先が代わっただけのものなど、掲げられた理念と実態が異なる新電力が多いこともまた事実です。つづくみらいエナジー株式会社はそのような地域新電力とは一線を画し、地域再エネ資源の地産地消だけにとどまらず、県内企業のみの出資(出資構成は下記に記載)によるエネルギー代金の静岡県内での循環、出資企業間のアライアンスの形成などを行い、「しずおかの電力会社」を目指します。

出資企業

つづくみらいエナジー株式会社は、真の地域新電力を目指して、県内企業の出資のみから成り立っています。出資区分として、経営に参画するメインパートナーと、当社理念に賛同し、アライアンスへの参加等を通して後援を行うつづくみらいメンバーの2つを設けています。出資企業数は、メインパートナー及びつづくみらいメンバー合わせて最終的に55社となる予定です。

〇メインパートナー

スマートブルー株式会社
静和エンバイロメント株式会社
株式会社M.A.C
※ 今後日進電機株式会社及び西部地方の企業が参画予定です。

〇つづくみらいメンバー

株式会社カントビ、有限会社エス・ティ・シー、株式会社ライフ・デ・ザイン、司法書士・行政書士法人あおいリーガル、マーブ工業株式会社、株式会社ナナクレマ、株式会社鎌田配管工事店、株式会社アクセス、株式会社大岡成光建築事務所、株式会社電器堂、キタイ電気株式会社
※ 残り39社は現在募集中です。

供給予定開始時期

2021年6月(電力広域的運営推進機関及び一般送配電事業者との各種契約・手続き完了後)

提供予定電力プラン

〇再エネプラン

再エネを含み、企業の再エネ比率の向上と脱炭素化に資する電力プラン

〇再エネコンプリートプラン

RE100、RE Actionに対応したトラッキング付き再エネ電力を提供

〇子育て応援プラン

3歳児以下の家庭向けに特別割引の電力を提供

〇在宅介護応援プラン

在宅介護者向けに特別割引のある電力を提供

今後の取り組み予定

つづくみらいエナジー株式会社は、再生可能エネルギー由来の電力を提供するだけでなく、再生可能エネルギーを軸にした様々なビジネスを展開していきます。現在予定している事業は下記になります。

〇再エネ100%オフィスの提供

RE100参加企業を筆頭に再生可能エネルギーを求める企業は増えつつあります。再エネ電力プランの契約による再エネ100%オフィスを県内主要都市で展開していきます。

〇PPAモデル

工場やオフィス等の屋根上に第三者が太陽光発電設備を無料で設置し、テナント等がその電力を使用するPPAモデルを県内企業向けに提供していきます。メインパートナー企業等で太陽光発電設備の設置を行い、つづくみらいエナジー株式会社は発電量で賄えない部分の電力の提供を行います。

〇EVリース

電気自動車(EV)は今後急速に拡大していくことが見込まれます。親会社のスマートブルー株式会社でEVリース事業を展開し、つづくみらいエナジー株式会社では環境省の補助金(※2)に対応する再エネ電力の提供などを行っていきます。

〇アグリゲーター

県内の太陽光発電を中心とした発電所を束ねるVPP(バーチャルパワープラント)や需要家側リソースとの調整を行うDR(デマンドレスポンス)を行うアグリゲーターを目指していきます。

※2 令和2年度第三次補正予算で環境省が計上している「再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業(経済産業省 連携事業)」では、再エネ100%電力の調達等を条件にEVや充放電設備等の設置・導入に補助金が支払われます。
参考サイト:http://www.env.go.jp/air/cms_a-taiki_s1/pr_moe.pdf

会社概要

社   名:つづくみらいエナジー株式会社
本社所在地:静岡県静岡市葵区七間町14-1 ザ・エンブル七間町2701
設   立:2020年11月2日
代 表 者:代表取締役 塩原 太一郎
U   R  L:https://tmenergy.co.jp/

本件に関する問い合わせ

つづくみらいエナジー株式会社 瀬野
電話番号:054-277-2293
Email:info@tmenergy.co.jp